定年後の終の棲家を求めて

青い鳥は何処にいるのか
早期退職団塊世代夫婦のロングステイライフの記録

オーストラリア ゴールドコーストのロングステイ(ロングステー)考察

日本人がロングステイするには、アジアが最良と考える私達ですが、それでも一度は見て措かなくてはならない国、オーストラリア。 それも名高いゴールドコースト。仕事関係では何度か訪れてはいましたが、今回夫婦で、実際にオーストラリ ゴールドコーストにロングステイ出来るか検証しました。

オーストラリア・ゴールドコーストへ
オーストラリアへの行き方については、改めてここで述べる必要もないので省略します。如何に安く行くかは、 時期とルートです。当然直行便は高く付きますが、これを書いている時点で四月発の最安値は 格安航空券検索サイトで調べると、4月20日までで、ソウル乗り継ぎ49,800円 と云うのがあります。こまめにPACツァーを探すと後、1万円プラス程度でホテル付きがあるやも知れません。 このように 日本人に人気のある国、フライトを選択できるような国の場合、個人手配よりPACの方が安いケースは沢山あります。
ちなみに、HISに4月1~20 日まで「ケアンズ」・「ブリスベン」・「シドニー」何れかの都市五日間ホテル付きで57,800円 と云うのがありました。四月初旬と云うのは日本人が一番旅行に出かけない時期なので安いのと、4月のジドニーは秋で 寒く、ゴールドコーストはもう泳げません。ケアンズだけは一年中暖かいハズです。12月、南半球の夏にしか 行った事がないので、断言は出来ませんが。


オーストラリア・ゴールドコーストのバブル崩壊
懸念していた、オーストラリアの土地ブルブが2008年弾け、オーストラリアドルも急激に下がって、再び検討の 余地が出てまいりました。2008年前半までは、経済的にとてもこの国で、年金頼りにロングステイ生活は出来ないと考えていましたが、 格安航空会社「ジェットスター」 の成田就航もあり、再び情報を集めだしました。
しかし、インターネット上にあるのは、旅行会社・不動産屋の宣伝やガイドブックの類か、或いは旅の素人の稚拙な旅行記ばかりです。
実際に、自分の足で歩き、目で見て確認するのが一番です。それも、最も季節の良い季節と、悪い季節の二度。今年は 久し振りに行ってみます。
シドニー

初めてオーストラリアに行ったのは1993年の11月、南半球の初夏です。
右の画像の花ジャカランダーが散り始める頃でした。ジャカランダーは 南半球の桜と呼ばれている花木で、大きな都市の街路樹として使われており、南半球の春、9月頃から咲き始めます。 南半球もかなり南、四季のはっきりした地域、ブエノスアイレス・シドニー・ケープタウンあたりが有名で、現地滞在 の日本人の間では南米桜と呼ばれ、この季節お花見もするようになっています。やはり桜と同じで開花時期が短く 雨が降ると、あっという間に散ってしまいます。ブエノスアイレスの石畳が紫色の絨毯になる姿は見事でした。
シドニーは美しい、都市交通の発展した個人旅行でも動きやすい、安全な街です。私たち建設業に携わっている 人間には、この街のカラフルでありながら色調のとれたビルが一番印象的でした。


ゴールドコースト

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ゴールドコーストは、2004年1月に再び行って来ました。
リタイヤ後のロングステイ情報収集の為です。1月と云えばオーストラリアの真夏で航空券的にはピークシーズンだった のですが、HISがキャンペーン価格で出していたので 延泊アレンジして行って来ました。この時も個人格安航空券と価格比較してみたのですが、ホテル代金をプラスすると、 トントン、送迎代分安くなりPACアレンジにしました。
PACの難点と云うと、ホテルが自由に選べない事です。今回は実質8泊と云う短期間なのであまり考えなかったのですが、通された 部屋の窓を開けると、目の前は何と工事現場です。PAC故に選択の余地がない、と言われればそれまでなのですが、ダメ元、 多少の追加料金を払ってでも部屋を代えてもらおうとフロントで交渉してみました。
何の事はない、簡単に部屋を交換して貰えたのです。


窓からは、サーファーズパラダイスの高級住宅街と運河。夕方にはオーストラリアらしい雄大な夕焼けが望めます。
このお部屋と反対側の工事現場のお部屋と値段は一緒なのです。しかし、短期滞在の日本人PAC客は、どうやら仕方がない と諦め、変更を申し出ないようです。これは、オーストラリアのホテルに始まった訳でもなく、アジアや世界のホテルに 共通して云える事で、日本人観光客は白人客よりも確実に「舐められています。」 言葉の問題もあるでしょうが、ホテルのお部屋は例え、PAC手配でもダメ元で交渉する価値はあります。

ゴールドコーストの物価
今回の目的は、この街でロングステイ出来るかの調査でした。少し街を歩いて見て他の海浜リゾートと違った 異常な雰囲気に気がつきました。1ブロックに何軒もの不動産屋があるのです。他の都市ではアパートを探すのに苦労した のに、この街はレストランと同じ数だけ不動産屋があるのです。 この街はゴールドコーストと言う名前の通り、現在バブル二期目に突入しているのです。一期目 は、15年前、日本のバブルで有り余った資金がここに流れ、土地・不動産の高騰を招き、外国人の土地購入が制限され 落ち着いたのですが、2000年五輪でシドニーの土地が高騰した煽りで、現在ゴールドコーストに資金が流れこんでいるのです。 今回の買手は日本人ではなく、オーストラリアの人々なのですが、あおりを食っているのが、日本人中高年ロングステイ組 です。
街を歩いていて、解るのですが食料品はマァマァの値段、衣料品は日本より高く、お土産物に至っては信じられない値段が 付いてます。「国産」コアラの縫い包みが日本円換算で3000円から5000円、世界リゾート 共通値段だと思っていた「ハードロック・カフェ」のTシャツも5000円です。
この物価高について、お土産屋さんで働いているワーキングホリデーの若者に聞いてみました。彼らも一様に、物価が高くて 衣料品は日本から送ってもらっていると言ってました。家賃も高いです。最近のTV番組で盛んに中高年の移住、ロングステイ が取り上げられ、「こんなに広く、家具付きで、こんなに安いなら・・・」とやっていますが ウソではないのですが、しかし、条件があります。TVで紹介する「広い・安い・家具付き」の物件は最低契約月数が12とか24月 と長く、又、場所もかなり郊外で車が必須の場所だったりするのです。
そう簡単に 「年金だけで優雅な生活」はオーストラリア・ゴールドコーストでは出来ません

ゴールドコーストのロングステイ生活費
コンド維持費・共益費(市税・保険料を含む)50,000
食料費40,000
外食代 27,000
ガソリン代8,000
電話代13,000
電気代8,000
雑費 30,000
合計 単位(円)176,000
 
この生活費は、ゴールドコーストの日本人向け不動産屋がwebで公開している一例です。
家賃は、自分の所有物件ですからなし、ですが、税金・管理費を含めると月5万円ほどかかります。他に車が 必須の条件で、ガソリン代は計上していますが、購入費は別です。
当然ながら、ここには 航空券・日本に残してきた家の維持費・公共料金の最低限料金・ 税金・健康保険・その他諸々の日本での生活維持費は含まれてはおりません。
ロングステイ用 ゴールドコーストのホテル・コンドの紹介をしていますので、ご興味のある方はどうぞ。


モートン島
ブリスベンから船で1時間ほどの沖合いに、砂だけで出来ている世界で3番目に大きな砂の島モートン島 があります。島全体がリゾートで一日マリンスポーツを楽しめますし、ホテルもあります。
この島が近年、脚光を浴びているの理由は、「野生のイルカの餌付け」が体験できることです。
朝、ゴールドコーストを出て、ブリスベンから船に乗り、午前中に着いて島で「砂滑り体験」を し、泳いで夜の「野生のイルカの餌付け」をして深夜ゴールドコーストに戻ってくるという1日観光、お値段は335豪ドル。 (日本円で3万円弱)最近、貧乏旅行に慣れてしまっているので、こんな高いツァーには参加した事がなかったのですが、やはり 野生のイルカに触れ合える(実際には触ってはいけませんが・・・)と言う体験も稀有なことなので、食費を削って参加しました。

1月、真夏の南半球なのに滞在期間中、数年に一度という大型の低気圧がオーストラリア大陸を覆っていて、この日も 天候は最悪、海は大荒れ、カモメも海岸で群れていました。こんな悪天候の日にイルカは現れるのか心配でしたが 午後から奇跡的にこの島周辺だけに青空が広がしはじめました。先ずは、「砂滑り体験」から。
島のいたる所に巨大な砂丘があり、この砂丘から板そりで滑り落ちる、と言う単純な遊びが、ここでは人気アトラクションと なっています。

簡単なように思えますが・・・・

  • 普段歩き慣れていない砂地を登るのは思ったよりもキツイです。
  • 登って、下を見ると意外と高く、結構恐怖感があります。
  • 板そりにワックスを塗るのですが、これが意外と滑らないのです。
  • 滑り落ちだすと、スピードは20キロぐらいのスピード
  • 停止するのが一番難しく、顔中、口の中まで砂だらけになります。
野生のイルカの餌付け体験 イルカが岸辺に集まりだすのは、暗くなってからです。
この島にやってくるイルカは合計8頭、オリエンテーションセンターには毎日の出席簿が張り出されていて、昨日は6頭きて いました。ここ一年やってこなかったのはたったの2日だけ、確実にイルカは来るのです。

餌付けの前に講習があります。

  • 海に入る前に、手を肘まで消毒する、これはイルカに人間界の細菌を移さない為です。
  • 同じ理由で、絶対に触ってはいけない。
  • 与える餌の小魚は一人一回二匹とする。イルカに満腹感を与えず、野性を失わせない為。
  • 餌は必ず、水中で与える。
  • 写真撮影の際、フラッシュはイルカの目に入らぬよう、後方のみとする。
海が暗くなり、海岸に灯りが付く頃、桟橋から見ると、何頭かのイルカの背びれが見えます。
こんな海が荒れた日でもやってきました、全員集合で8頭いました、説明によると2家族だそうで、全員名前がついています。 海岸には、この餌付けを体験する人々の行列が出来始めました。このモートン島のホテルに宿泊する人々は、無料でこの 餌付けに参加できるのです。この日は少なく、80人ほどでしたが、多い日は200人にもなるそうです。 この夜の最終船便でゴールドコーストまで戻る私たちは、列の先頭です。ビデオで撮影しようと波打ち際まで持っていった のですが、腰近くまで漬かる上に、波が荒くビデオは諦めました。
二人づつの4列の行列にイルカ、8頭が2頭づつ行儀良く並んでやってきます。身近で見るイルカは、写真や 映像で見るような愛くるしさよりも、大きく、力強く、少し怖いほど海に棲む哺乳類を感じたのです。

カランビンサンクチュアリー
二度目のゴールドコーストですが、一番のお気に入りの場所がここです。
ゴールドコーストから一番近く、色々なオーストラリア特有の動物が見れる、州政府の動物園でもあるのですが、ここを 一番有名にしているのが、トリキートの餌付けタイムです。 朝・夕二回、トリキートと言う綺麗な小鳥たちに一般入場者が餌を与えることが出来るのです。この時間になると小鳥たち が集まりだし、差し出すトレーに群がり、肩や頭に停まるのです。このトリキートは野生の鳥ですが、時間を知っているかの のように、決まった時間に集まってきます。
ここで注意
沢山の鳥がやってきて、肩や頭の上を飛び交いますので、当然ながら糞を します、知らない間に髪の毛や、衣類に糞が付き、染みになりますので、帽子と汚れても構わない服装が必要となります。
トリキートだけではなく、勿論「コアラ」・「カンガルー」などのオーストラリア特有の有袋哺乳類にも出会い、触れ合う 事はできますが、何処へ行っても「コアラ」だっこ記念写真は有料(およそ、1500円位とかなりお高め)、コアラは夜行性の 動物なのに、昼間起こされてご機嫌が良いはずもなく、直ぐに腕から逃れようとして、爪を立てる事が有りますので、ここでも あまり高価な服装をしないほうが無難です。

私たちの結論
私たちは未だ年金もまともに貰えない、年齢の世代ですが、どうも今、盛んに海外ロングステイを求めている60代半ばの世帯との間に、意識の ギャップがあるようです。
この世代の方々が求めているのは、総じて美しい町並み・安全な、医療施設の整った、白人社会のようです。住んでいる方々が 二言目言うのが「ゴルフが安い」、そうこの方々は、大橋巨泉世代なのです。戦後の高度経済成長を支え続けてきた、私たち 団塊世代の上司に当る世代、海外旅行は会社か、お仕着せの団体パックしか経験がなく、子供の頃からあこがれ続けて来た、アメリカ・ ヨーロッパに住む事自体が生きがいであり、住むだけで満足し、自分たちの環境に陶酔している世代なのです。
白人社会に住み続けるのは、大変です。私がそうでしたから解ります。、そんな、TV番組でやっているような週末ご近所の白人夫婦 を呼んで、ホームパーティを楽しめる日本人奥様は、100人のうち5人いるでしょうか?
私たち、団塊の世代は、20代の頃から海外へ出かけられました。ある程度のアメリカ志向はあったものの、ベトナムにおける挫折も 知っていますし、実際にその地を旅する事が出来た世代です。
私たち夫婦は、居心地の良いB&Bに泊まり、アジアの街角で、暑い・辛いと言いながらリーズナブルな食堂で駄弁って二三週間過ごし、 日本に帰る、そんなミドルステイを選択します。
オーストラリアは、自然遺産を楽しむ国です。

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