癌休眠療法について
当院泌尿器科では、通常おこなわれる抗がん剤の治療の他に、癌休眠療法に取り組んでおります。
癌休眠療法とは、文字通り『癌を眠らしてしまう』ことで、現状の癌の進行のみをおさえることに専念するものです。
これまでの化学療法と大きく異なる点は、癌を撲滅するまで頑張るのではなく、頑張れる程度の楽な治療で進行のみ抑えようと考える点です。
膀胱癌に適応のある抗がん剤治療(M-VAC療法)と次の表で比較します。
本質的に理念がことなる治療なのであることがおわかりいただけると思います。
名前
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M-VAC療法
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癌休眠療法
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目的
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癌を徹底的に取り除く
治癒を目的とする
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癌を現状のままにする
治癒を目的にしない
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使用する抗がん剤
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シスプラチンなど4種類
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当院の場合は
シスプラチンのみ
(MVAC療法におけるシスプラチンの1/5から1/10)
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抗がん剤の量
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大量の薬剤を使用する
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少量連続投与
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副作用
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悪心
嘔吐
白血球減少
血小板減少
貧血
腎不全
脱毛など
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左と同じ副作用があるが、量がすくないので出にくい
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ポイント
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副作用が大変きついので大量の点滴を必要とする
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5日間連続で点滴をして、2週間ほど間をあける。
漢方薬や免疫療法を併用することもある(注)
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