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出産時の骨盤底

分娩のときは、子宮下節、膣は、ばい菌が入った炎症をおこしているのとそっくりの状態でもあるといえます。
骨盤底は、最大10cmほどもひろがりますから、この分娩の仕方によっては、骨盤隔膜などを傷つけることもあります。
傷のつき方を表にまとめます。実際、産婦人科の先生は一生懸命していただけるのですが、やはり大なり小なり傷がつくのは当然です。
筆者の妻の場合は、子供の首に臍帯がまきついて大変でした。やはりこども優先に思うのは、普通の感情でしょう。
また、あらためてこうして書きますと、いかに産後1か月は休めるようにしてあげないといけないかわかります。確かに、子供が夜鳴きをくりかえし、やすめないことも多いし、夫としては手伝いたくても、仕事でグロッキーになっていてかわってあげることも出来ないです。


傷のつく原因 傷のついた骨盤底の種類 治っていく過程
あかちゃんと押し出すために、腹部を強くおして出産した。(クリステレル手技) 内骨盤筋膜 1か月ぐらいで、なおります。ただし、内骨盤筋膜は変形することがあります。
あかちゃんがおおきすぎて伸びすぎた(過伸展)
あかちゃんと引っ張りだした(牽出分娩)
お産になかり時間がかかった(娩出期の遷延)
骨盤底の神経 3−5年かかる神経の問題があるときがあります。
会陰切開をしていない 骨盤隔膜 骨盤隔膜が伸びてしまつた場合じゃ、元に戻らない場合もある。ある程度落ち着くまでには1か月を必要とすることもあります。
会陰切開をしていない 会陰 不完全ですが、もとに戻ります。1か月ぐらいをみてください。
会陰切開をしたけど、さけてしまった。 骨盤隔膜 骨盤隔膜が、断裂してしまった場合、縫合で原型に近いところまではなおる。ただし、筋収縮力が低下するので、その後のリハビリを必要とする。つまり、骨盤底筋体操。
会陰切開をしたけど、さけてしまった。 会陰 筋力は落ちてしまいますが、縫合によつて原型にちかいかたちになります。1か月をみてください。
骨盤隔膜
妊娠中の骨盤底のかかわり

胎児をいれたおおきくなった子宮は、骨盤隔膜の上にのっていて、さらに、妊娠末期には硬いあかちゃんのあたまが膀胱のすぐ上にきます。
膀胱が、赤ちゃんのあたまで圧迫されると、腹圧時に尿がもれてしまったり、尿を感じたらトイレまでまにあわないことがあります。データー上は、妊娠中の女性の尿失禁は3割ぐらいにみられます。圧迫されていることが原因なので、このほとんどは、9割以上が自然になおります。また、出産直後は、尿道の痛みで、尿ができない(尿閉)になるひともいますが、これも痛みによるものなので、一過性です。
なぜ、女性にトラブルが?

骨盤底のトラブルは、圧倒的に女性に多いのです。
この理由は、女性の骨盤底は、出産というイベントがあり、赤ちゃんが通過するという仕事をするからです。妊娠中は、大きく重たい子宮が骨盤底にのしかかり、経膣分娩の時はあかちゃんが出てくるので、骨盤底はとても危険にさらされます。

とくに女性にとっての骨盤底の役割