2020年度会員向けコンテンツ

※今季はコロナ禍の関東ラグビー協会の取材制限でピッチでの撮影が叶いませんでした。
 対抗戦のAチーム写真は観客席から撮影したものとなり、角度のついた写真が多く臨場感に欠けますが撮影したものをupしています。
※大学選手権・準々決勝と準決勝は取材申請が通り、ピッチ内で撮影した写真を掲載しています。但し一般公開はできない為、メンバーサイト内でのみ
 公開としています。


■ 2020/1/11 早稲田大 45-35 明治大 @国立競技場  【写真館】

※期間限定でサイズ圧縮前の写真もこちらに配置しています。

11日、大学選手権決勝、明治大戦。新国立競技場に5万7千人の観客を集めて行われた試合、序盤から敵陣で試合を優位に進める。8分、SH齋藤直人主将のPGで先制すると11分、相手の攻撃を押し戻してカウンターラック、メイジのオーバーザトップを誘って敵陣右ラインアウトのチャンスを得る。このラインアウトからFL相良昌彦がタテ突進、出来たラックから逆目に振るとCTB中野将伍が相手とのミスマッチを巧く突いて数的優位の局面を作り出し、NO.8丸尾崇真にラストパス、サインプレーが見事に決まってこの試合初トライで10-0でリードを広げる。メイジのアタックを前に出てことごとく押し戻し、ディフェンスから試合の流れを掴むと25分、ラインアウトから一次攻撃でCTB中野将伍らが外に流れる中、もう一人のCTB長田智希が絶妙のアングルで走りこんでボールを受けて抜け出すとそのまま相手WTBもスピードで振り切って独走トライ。33分、ゴール前左ラインアウトモールを押し込みHO森島大智がインゴールへ、FWの力勝負でもメイジの壁を突き破って勢いづくと38分にも再びCTB中野将伍をおとりに使ってCTB長田智希-WTB古賀由教でビッグゲイン、素早い球出しからディフェンスの間をFL相良昌彦が切り裂いて中央へトライ。完璧な試合運びで一気に31-0と点差を広げてハーフタイムを迎える。後半に入って立ち上がり1分、メイジにこの試合初トライを奪われるとボールを積極的に動かし始めたメイジのペースへと徐々に引き込まれる。ワセダも9分に相手スクラムからこぼれたボールを支配し続けて最後は左WTB古賀由教がトライをあげるものの15分、20分、28分とメイジの怒涛の攻撃に3連続トライを献上、残り10分で38-28、メイジの猛追に国立は異様な雰囲気に。33分、試合を決定付けるトライはワセダ。中央スクラムからNO.8丸尾崇真がサイドを抜け出すと相手FBを引き付けてWTB桑山淳生へラストパス、その桑山が追走を振り切ってインゴールへ。攻守に攻める姿勢を失わずに戦い続けて終盤メイジの追撃をかわしたワセダが45-35で見事に対抗戦のリベンジ達成、11年ぶりの勝利の歌『荒ぶる』が新装の国立競技場の屋根にこだました。

▲ 齋藤主将のキャプテンソロから始まる11年ぶりの荒ぶる。国立の屋根に反響し、スタジアムいっぱいに響き渡った。

■ 2020/1/2 早稲田大 52-14 天理大 @秩父宮ラグビー場  【写真館】

※期間限定でサイズ圧縮前の写真もこちらに配置しています。

2日、大学選手権準決勝、関西王者天理大と対戦したワセダは序盤、スクラムで押し込まれるなど自陣ゴール前でピンチを迎える。この場面で逆にスクラムでコラプシングを奪い取り、自陣ゴール前を脱すると直後のラインアウト、CTB中野将伍をタテに入れてから外へ展開、FB河瀬諒介が絶妙のズレ方でボールをもらって前進するとWTB古賀由教へと繋いでトライ、ワンチャンスを確実にモノにして先制する。この後も相手のミスに助けられながら、攻撃権を獲得すると18分、スクラムから再びCTB中野将伍がタテ、出来た外のスペースにSO岸岡智樹が素早く運んでFB河瀬諒介がトライ。23分、左ラインアウトからボールを右に左にと動かし、最後はCTB中野将伍のオフロードパスを受けたWTB古賀由教が体をスピンさせてインゴールに到達、3連続トライで21-0と主導権を握る。30分、相手キックカウンターにディフェンスが突破を許してそこからトライを奪われるとペナルティも重なって自陣で戦う時間帯が続く。前半終了間際にも自陣ゴール前5メートルスクラムのピンチを迎えるもSH齋藤直人主将がディフェンスでプレッシャーをかけて、そこにFW陣が殺到してモールパイルアップ。勝負所でのビッグプレーで前半を良い形で折り返す。後半に入ると天理の力強いアタックにペナルティを重ねて自陣深くに攻め入られるもタテ続けにラインアウトスチール、ここでもピンチを脱出すると11分、右ラインアウトから継続して最後はスペースを突いたPR久保優がトライ。14分にトライを返されるも直後の17分、スクラムからNO.8丸尾崇真の8単を起点にFL相良昌彦がラックサイドに走りこんでトライ、21点差を確実にキープしながら試合を優位に進めると25分、スクラムで相手のペナルティを誘って得たゴール前ラインアウトモールをFW陣が押し切って勝負あり。この後も33分WTB梅津友喜、38分SO岸岡智樹とトライを重ねて最終スコア52-14で完勝、FW、BKそれぞれに見せ場を作り、昨年度涙を飲んだこの舞台でしっかりとリベンジを果たした。

▲ 後半11分、スペースに走り込み、相手に絡まれながらもインゴールまで前進、大学初トライをあげるPR久保優

■ 2019/12/21 早稲田大 57-14 日本大 @花園ラグビー場  【写真館】

※期間限定でサイズ圧縮前の写真もこちらに配置しています。

21日、大学選手権初戦はリーグ戦2位・日本大と花園で対戦。序盤はワセダペース、3分スクラムからFWでフェーズを重ねるとSO岸岡智樹からのパスを角度を変えた走り込みで受けたCTB長田智希が抜け出して先制トライ。直後のキックオフリターンから大外をNO.8丸尾崇真がゲイン、自陣からでも攻める意思を見せると13分、自陣ゴール前スクラムから大外展開、FB河瀬諒介がスピードに乗って攻めあがると2対1の局面でWTB古賀由教にラストパス、独走トライとなって加点。この後もディフェンスでプレッシャーをかけて敵陣で試合を優位に進めるものの要所のセットプレーが乱れて得点ならず、逆に34分、スクラムでのペナルティから自陣ゴール前でのピンチを招くとラインアウトモールを押し切られてトライを献上、14-7と点差を詰められる。イヤな流れになりかけた直後のキックオフ、敵陣でNO.8丸尾崇真が絡んで相手のペナルティを誘うと37分、SH齋藤直人主将がPGを決めて点差を広げにかかる。更に40分、敵陣スクラムから継続、CTB吉村紘の裏に出ながらの絶妙のパスがFB河瀬諒介へと通って独走トライ、24-7として前半を折り返す。後半に入っても先手はワセダ。7分、キックカウンターから継続、狭いサイドで数的優位を作り出すと最後に外で余ったCTB長田智希が独走トライ。勢いに乗ったワセダは15分、ノックオンターンオーバーから連続攻撃、外で余ったWTB古賀由教にロングパスを通して左隅へ。18分、カウンターラックからFB河瀬諒介が抜け出しサポートのNO.8丸尾崇真へ繋いでポスト真下へ。更に33分にもSO岸岡智樹がキックパスでWTB古賀由教のハットトリックを演出。37分にはセンタースクラムからの8-9で途中出場の1年生SH小西泰聖が抜け出して独走トライでダメ押し。後半5トライと畳み掛けて57-14の快勝で2年連続の年越し、ベスト4進出を決めた。

▲ 前半3分、角度を変えた走り込みから抜け出して先制トライをあげるCTB長田智希。地元大阪で躍動。

■ 2019/10/20 早稲田大 40-28 東海大 @東海大・湘南G  【写真館】

※期間限定でサイズ圧縮前の写真もこちらに配置しています。

20日、東海大との非公開での練習試合。先手はワセダ、前半4分にSO岸岡智樹、FB河瀬諒介らの突破で敵陣ゴール前まで攻め込むと最後はラックサイドを1年生FL相良昌彦が潜り込んでトライをあげる。前半14分に同点とされるもディフェンスで、スクラムで相手からペナルティを奪い、更に相手のミスにも付け込んで敵陣で試合を進める。21分にゴール前ラインアウトモールから最後はラックサイドをLO三浦駿平が突いてトライ。25分、キックボールを好セーブしたCTB桑山淳生を起点に大外に素早くボールを運んでWTB安部勇佑がトライ、再びリードを奪って前半をリードして折り返す(19-14)。後半に入っても先手はワセダ。7分、カウンターアタックからCTB中野将伍が仕掛けて絶妙のオフロードパス、パスを受けたCTB桑山淳生がスピードで相手を振り切って独走トライ。14分、敵陣スクラムから外のスペースにボールを運んでWTB古賀由教が決定力の高さを見せ付けて左隅にトライ。スピードランナーが持ち味を発揮して東海を突き放すと相手のキックオフミスに付け込んで18分にもCTB中野将伍が中央突破してダメ押しのトライ。試合終盤にペナルティから自陣に戻されてモールで連続トライを与えるものの40-28で強敵・東海大に勝利した。

▲ 前半、ミスマッチを突いて一気にゴール前まで迫る好走、チャンスを広げるFB河瀬諒介

■ 2019/1/2 早稲田大 27-31 明治大 @秩父宮ラグビー場  【写真館】

※期間限定でサイズ圧縮前の写真もこちらに配置しています。

2日、大学選手権準決勝、ライバルメイジとの再戦。試合はいきなり動き出す。開始50秒、相手キックをチャージしたFB河瀬諒介がインゴールに転がったボールを自ら抑えて先制トライをあげる。この後、PGで3点を返されるもののワセダはスクラムで奮闘、ファーストスクラムから相手のコラプシングを誘うと、18分にも再びメイジがコラプシング、これをSH齋藤直人のPGで3点に変えて10-3とリードを奪う。しかし22分、相手のカウンターアタックにタックルが外されて一気にトライまで結び付けられると36分にもカウンターラックから相手BKに走られてトライを献上、齋藤直人のPG(前半35分)でスコアを刻むものの13-17と逆転されて前半を折り返す。後半に入って最初にペースを掴んだのはワセダ、40フェーズ近い連続攻撃でメイジを崩しにかかる。しかし相手の分厚い防御を崩しきれず逆にボールを奪い返されると19分、自陣ゴール前スクラムからサイドを崩されて失トライ、この試合のターニングポイントとなる局面でスコアがメイジに刻まれる(13-24)。ワセダも23分、途中出場のWTB古賀由教のチェイスからゴール前ラインアウトのチャンスを掴むと右展開からCTB桑山淳生が相手を振り切ってトライ。33分にメイジにトライを奪われるも、37分に工夫したキックオフから繋いで左サイドでSO岸岡智樹からのロングパスを受けたWTB佐々木尚がトライ。最後まで粘りの追撃を見せるもののラストプレーの連続攻撃の中で僅かに乱れたハンドリング、転がるボールをメイジに蹴り出されてノーサイドの笛。5年ぶりの年越し、佐藤組の挑戦はあと一歩及ばず…日本一奪回は次の世代へと託された。

▲ 後半37分、連続攻撃から左サイドでパスを受けてインゴールに飛び込むWTB佐々木尚。4点差に詰め寄る意地のトライ。

■ 2018/12/22 早稲田大 20-19 慶應義塾大 @秩父宮ラグビー場  【写真館】

※期間限定でサイズ圧縮前の写真もこちらに配置しています。

22日大学選手権準々決勝、今季2度目の早慶戦。ワセダキックオフで始まった試合は慶應のノックオンでいきなり敵陣深くでチャンスを得る。2分、スクラムから右に左にとボールを動かし最後はSO岸岡智樹からのロングパスを左サイドで受けたWTB佐々木尚が走り切ってトライ、先手を奪う。しかし7分、SO岸岡智樹の自陣深くでのキックがチャージされてそのままトライを返されると、スクラムでの劣勢も重なって自陣で苦しい時間が続く。この時間帯をWTB佐々木尚の執念のバッキング、FW陣のゴールライン際数十cmを死守するディフェンスで耐え凌ぐと30分、35分と逆にスクラムでペナルティを奪って敵陣へ。37分、ゴール前ラインアウトから連続攻撃、最後はPR小林賢太が力でディフェンスをこじ開けてトライ、少ないチャンスを確実にモノにし12-7とリードして前半を折り返す。後半、最初の得点機はワセダ。CTB中野将伍の好タックルからPGを得るもののこれをSH齋藤直人が外すと14分、ペナルティからの相手のクイックスタートに対応が遅れてトライまで持って行かれて同点とされる。ワセダも19分にSH齋藤直人のPGで勝ち越すものの23分、ゴール前相手スクラムをコントロールされて数的不利の局面を作られてトライを献上、再び追いかける展開に。ワセダはこの後何度も敵陣深くに攻め込むもののミスを連発、残り30秒相手ボールスクラムの場面まで追い詰められる。この絶対絶命の実質ラストワンプレーでコラプシングのペナルティを得ると、ラインアウトを挟んで連続攻撃、5分近く攻め続けて最後はBKのループから数的優位の状況を作り出してWTB佐々木尚が右隅に劇的逆転サヨナラトライ、土壇場で試合を引っくり返して5年ぶりの年越しを決めた。

▲ 前半2分、先制トライをあげるWTB佐々木尚。終了間際の劇的逆転トライとあわせて2トライで先発起用の期待にしっかりと応えた。

■ 2017/12/16 早稲田大 18-47 東海大 @秩父宮ラグビー場  【写真館】

※期間限定でサイズ圧縮前の写真もこちらに配置しています。

16日、大学選手権3回戦・東海大戦。東海キックオフで始まった試合は51秒、相手外国人選手のカウンターにタックルが次々と外されていきなりノーホイッスルで先制トライを許す。スクラムも劣勢となり自陣での戦いが続くものの14分、相手のキック処理ミスに襲いかかったWTB中野厳の好タックルが秩父宮の空気を一変させる。17分には右ラインアウトからフェーズを重ねると相手FWのギャップを見逃さずにWTB中野厳が突破、ライン際をサポートしたLO加藤広人主将へと繋いで追撃のトライ。21分、36分と東海のセットアタックからトライを奪われるもののワセダもLO加藤広人主将のハイパントのスーパーキャッチなど4年生が体を張ったプレーでボールを確保、23分、26分と敵陣に攻め込んで相手がペナルティを犯したところをSH齋藤直人がPGで小刻みに加点する。更に後半5分、スクラムを起点としたアタックから勢い良く走り込んだCTB中野将伍が抜け出して独走トライ、18-21とピッタリと東海を射程圏内に置いたまま逃がさない。勢いに乗りたいワセダは直後のキックオフからアタックを仕掛けるも接点でボールをもぎ取られ逆に後半8分、相手外国人選手にトライを献上、この後も攻め込みながらも要所で相手の外国人選手のパワーの前にボールを殺されて攻撃を寸断されると逆に後半15分に相手外国人選手に中央突破を許して連続トライ、攻守に相手外国人の存在感に圧倒されるとこの後も2トライを与えて18-47で完敗、2017年度加藤組のシーズンが終わりを告げた。

▲ 前半17分、タッチライン際を走り切って追撃のトライをあげるLO加藤広人主将

■ 2017/7/2 ジャパンセブンズ @秩父宮ラグビー場 【写真館】

3年ぶり参戦のジャパンセブンズ。SDS(セブンズデペロップメントスコッド)、北海道バーバリアンズと同組となった予選プールB初戦でSDSと対戦。ワセダキックオフを巧く絡んでマイボールとして敵陣で連続攻撃を仕掛けるも相手の防御を崩しきれず最後は吉岡航太郎が絡まれたところでモールパイルアップ、好機を逸する。直後の3分、ペナルティが続いてズルズル後退、先制トライを与えてしまうと更に5分、自陣からアタックを仕掛けようとしたところでラックが乱れてターンオーバー、SDSに追加点となるトライを献上する。この後もキックオフの競り合いでことごとく相手にボールを奪われると防戦一方、更に4連続トライと畳みかけられて0-38で完敗した。
続く2戦目、北海道バーバリアンズとの対戦は立ち上がりに連続トライを許す展開も5分、丸尾崇真の仕掛けに反応した齋藤直人が独走トライで反撃の狼煙をあげると7分、今度は桑山聖生の仕掛けに吉岡航太郎が反応して独走トライ、14-12と逆転して前半を折り消す。後半に入っても3分、自陣から桑山聖生-作田蓮太郎で大きくゲインするとスペースを的確に突いた吉岡航太郎が抜け出してトライ、更に敵陣で試合を優位に進めると、4分黒木健人のタテ突進でトライ、7分キックパスから中野厳がトライと連続トライでダメ押し、33-12と勝利してプールB2位でカップ・プレートトーナメント進出を決めた。
パレードを挟んで行われたトーナメント準々決勝は同志社大と対戦、2分自陣ペナルティから桑山聖生が仕掛けるとオフロードで繋いで齋藤直人が幸先良く先制トライをあげる。続くキックオフも加藤広人が巧く絡んでマイボールとするも直後のラックでターンオーバーを許してそこからトライを与えてしまうと4分、6分とタテ続けにキックオフを相手に取られて一気にトライまで持っていかれる苦しい展開。後半に入っても流れは変わらず開始28秒にキックオフリターンからトライを奪われると2分、3分と連続トライを献上、終了間際にペナルティから齋藤直人-高木樹-斎藤直人と繋いで一矢報いるも14-38で敗戦した。
進んだプレートトーナメント準決勝はトップリーグ神戸製鋼と対戦、開始45秒、相手のパスをインターセプトした加藤広人の独走トライで先制する。その後も桑山聖生の仕掛けから作田蓮太郎がゲインして好機を作り出すも決めきれず逆にボールを奪われて連続トライを奪われるなど前半を7-19で折り返す。後半に入るとキックオフで相手にプレッシャーをかけて活路を見出す。50秒、相手のハンドリングエラーを誘って敵陣スクラムのチャンスを掴むと大外のスペースでパスを受けた丸尾崇真がタッチライン際を粘って折り返したところを中野厳がトライ、反撃開始すると2分キックオフのこぼれ球を拾った黒木健人が独走トライ。3分キックオフで加藤広人が絡んでターンオーバーに成功、岸岡智樹が中央スペースを突いてトライ。一気に畳みかけて逆転に成功すると神戸製鋼の反撃を1トライに抑えて28-26で逃げ切った。
最終戦、プレートトーナメント決勝では大東大と対戦。前半45秒、前半3分と加藤広人が劇走を見せて試合の主導権を掴むと後半1分にはペナルティから速攻を仕掛けた岸岡智樹がディフェンス裏に蹴り込んだゴロパントを自ら拾ってトライ、21-7とリードを広げる。残り2分、勝利がちらつきかけたところで大東大がインゴールへ、中央への侵入を阻止しようとした加藤広人が危険なタックルで認定トライ、そしてシンビンの判定を受けると終了間際のラストワンプレーで追いつかれて、試合はサドンデスの延長戦に突入。ワセダも敵陣ラインアウトの絶好のチャンスを掴むもロングスローが乱れて好機を逸すると逆に3分、再三苦しめられた大東大の外国人選手に大外を走りきられて決勝トライ、プレート優勝目前で逆転負けを喫した。

▲ プレートトーナメント準決勝・神戸製鋼戦。後半3分、中央スペースを突いて独走トライをあげる岸岡智樹

■ 2016/12/17 早稲田大 31-47 同志社大 @花園ラグビー場 【写真館】

大学選手権準々決勝、アウェイ花園で同志社大との一戦。ワセダキックオフで始まった試合はFL加藤広人の競り合いからマイボールキープ、幸先良く敵陣でアタックを仕掛けるもノットリリースの反則。続くラインアウトからの同志社BK陣のアタックにディフェンスが崩されていきなり先制トライを与えると、15分、21分と同志社BKにスペースを崩されて連続トライを献上する。28分、ワセダも敵陣ゴール前スクラムの絶好のチャンスを掴むも逆にペナルティを犯し、得点を奪えずに終わるとこの後も33分、39分と連続トライを献上、キックオフをFL加藤広人に競らせてことごとくマイボールにするも同志社の鋭く前に出るディフェンスにチャンスの芽を摘み取られて前半を0-33で折り返す。後半立ち上がり早々にも失点して40点差、後のなくなった後半11分、ゴール前左ラインアウトモールからHO貝塚隼一郎がインゴールに飛び込んで反撃開始、優位に立ったスクラム戦で相手のシンビンを誘い出して更に起点で優位に立つと21分、SO岸岡智樹のディフェンス裏のショートパントをWTB梅津友喜が相手に競り勝ってインゴールでキャッチ。25分、スクラムからの一次攻撃でWTB本田宗詩が抜け出してトライ。36分、右ラインアウトからの攻撃でFL加藤広人が抜け出してゴール前に迫るとPR千葉太一が密集サイドを力で押し込んでトライ。39分にもSO岸岡智樹がスペースを見つけて自ら切り込んでトライ。怒涛のトライラッシュで反撃するも前半の失点はあまりにも重く31-47でノーサイドの笛。早慶戦、早明戦を乗り越えて上昇曲線に乗りかけていた桑野組の2016年度シーズンは早すぎる終了を迎えた。
▲ 後半21分、SO岸岡智樹のショートパントをインゴールで競り勝ってトライに繋げるWTB梅津友喜

■ 2015/12/27 早稲田大 15-48 東海大 @江戸川陸上競技場 【写真館】

大学選手権セカンドステージ最終戦、東海大と対戦。序盤からスクラムでペナルティを犯すなど自陣で戦う苦しい展開。12分、自陣ゴール前でモールで執拗に攻め立てられて先制トライを献上する。更に直後のキックオフから攻め込まれると、懸命に戻ったFB藤田慶和がこの日2度目のハイタックルの判定を受けてシンビンに。17分にはモールで圧力を受けたところから大外にキックパスを通されてこの日2つめのトライを与えると、敵陣深くでのラインアウトのチャンスも、スローが乱れて得意のモールへと持ち込めず、攻め手を見出せない。更に26分、38分とBKで繋いで攻め込んだところでボールコントロールが乱れ、そこから一気に逆襲を受けて連続トライを献上、終始東海ペースのまま、3-26で前半を折り返す。ワセダの反撃は後半3分、PR千葉太一らの突進でゴール前に迫るとスクラムからサインプレー。NO.8佐藤穣司、CTB岡田一平と強いプレーヤーをダミーにしたアタックからバックスリーで大きく展開、最後はWTB本田宗詩が右隅に飛び込んでこの試合初トライ。更にアタックを仕掛けるも、6分ターンオーバーから大外に振られてトライを献上すると、相手BKのスピード、パワーに圧倒されて13分、17分、21分とトライを献上。ワセダもアタックを仕掛けるもコンタクトの局面でボールコントロールが再三乱れて継続できず、時間だけが経過。このまま終わるかと思われた後半40分、ホーンと同時にペナルティのチャンスを得ると、ここから継続、継続で粘り強くアタックを仕掛けること3分間、大外で東海ディフェンスが乱れたスキを見逃さず、CTB久富悠介からFB藤田慶和へとラストパスが通ってインゴールへダイブ。準決勝進出の可能性が消え、この試合の敗戦も決まっていた中でも最後の最後まで攻め抜いて奪ったラストトライは、苦境にも立ち向かい続けた岡田組の生き様が十分に詰め込まれていた。
▲ 後半43分、全部員の思いを乗せた渾身のダイブ、意地のトライをあげるFB藤田慶和

■ 2015/12/20 早稲田大 71-12 朝日大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

大学選手権セカンドステージ第2戦、朝日大と対戦したワセダは開始からWTB本田宗詩が再三右サイドをゲインして勢いをつけるもペナルティが多く、チームとしては乗り切れない時間帯が続く。それでも6分、ゴール前ラインアウトモールを押し込み先制。19分、相手パスミスを拾ってCTB岡田一平主将が独走トライ。2本のトライで12-0とリードを奪うと、21分キックオフリターンから初スタメンCTB鈴木伶輔がラインブレイク、サポートしたCTB岡田一平主将が一気にゴール前に迫ると相手ディフェンスのギャップを突いたSO横山陽介がポスト真横に飛び込みノーホイッスルトライ、ようやく流れの中で取り切る。続く28分、ゴール前ペナルティからNO.8佐藤穣司がクイックスタートでタテ、すかさずヨコ展開してWTB本田宗詩が右隅にトライ。33分、右ラインアウトから一次攻撃でFL池本翔一が鮮やかに抜け出しトライ、ボールを休むことなく動かしペースを掴んで33-0で前半を折り返す。後半に入り、序盤こそ自陣から回したところでのマイボールロストで2本取り返されるも、8分、15分と安定したセットプレーからFL池本翔一、更にはCTB鈴木伶輔、スタメン起用された4年生が次々と抜け出してトライを重ねる。続く19分には自陣ターンオーバーからワイドに振ってFB藤田慶和-CTB岡田一平-再び藤田慶和と繋いで最後はWTB門田成朗。(この日、藤田慶和はトライこそなかったものの意識の高いサポート、味方を生かすパス回しで大勝に貢献)。この後も22分、31分とトライを重ねると33分にはキックオフリターンからFL池本翔一がディフェンスを次々とかわしてゲイン、湧き出るサポートから最後はWTB本田宗詩、ノーホイッスルトライで猛攻を締めくくり、71-12で大勝。セカンドステージ突破に向けて僅かな望みを繋いだ。
▲ 前半33分、ディフェンス2人の間を抜けてトライをあげるFL池本翔一。BK顔負けのスピードでこの日ハットトリックの活躍。

■ 2015/12/13 早稲田大 10-14 天理大 @花園ラグビー場 【写真館】

大学選手権セカンドステージ初戦。関西2位の天理大と対戦したワセダは序盤、スクラムでのペナルティの解釈に苦しむ。5分、10分とタテ続けに反則を取られて自陣深くに攻め込まれると7分、天理大の外国人FWに吹っ飛ばされるなどズルズル後退、先制トライを許す。15分にもPGを狙われる(キック失敗に救われる)などピンチの連続、それでも下げられながらも要所でFW陣が絡んで得点だけは与えずに凌ぎきる。反撃は27分、敵陣ゴール前ラインアウトから得意のモールでプレッシャーをかけた後、BK展開するとボールコントロールが一度は乱れるもエースFB藤田慶和がスピードで抜け出してインゴールへ、同点とする。SO横山陽介、FB藤田慶和のキックで敵陣に入り、持ち直したスクラムでプレッシャーをかけてワセダのペースに引き込むと41分、右中間PGをSO横山陽介が決めて10-7、リードを奪って前半を折り返す。後半に入り、序盤ダイレクトタッチ、ラインアウトでのノットストレートとミスが重なり攻め込まれると5分、天理大外国人BKに突破を許してトライを献上、再び追いかける展開に。この後も再三、天理大にゴール前まで押し込まれるも最後の一線は越えさせず、試合は終盤へ。23分、35分、ワセダはペナルティからゴール前ラインアウトに持ち込もうとするもタテ続けにキックが乱れてチャンスを生かせず。更には後半終了間際にもFWで敵陣深くまで攻め込むもボールコントロールが乱れて万事休す…最後までミスが重なりステージ突破に向けて痛恨の黒星となった。
▲ 前半27分、ディフェンスを振り切って同点トライをあげるエースFB藤田慶和

■ 2014/12/27 早稲田大 10-14 東海大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

大学選手権セカンドステージ第3戦、関東リーグ戦2位の東海大と準決勝進出を懸けて対戦したワセダ。東海キックオフで始まった試合はいきなり自陣でノットリリースの反則を犯すなど、立ち上がりは自陣での苦しい時間帯。6分、ゴール前ラインアウトモールを押し込まれ、その勢いに乗った相手のサイドアタックに先制トライを献上する。10分過ぎから攻勢に転じるもPG失敗、クイックスタートも不発、ラインアウトも乱れ…と得点チャンスを幾度となく逃す。それでも30分、敵陣ラックからの相手の球出しにWTB荻野岳志が仕掛けてターンオーバー、一度モールを形成した後、ブラインドサイドをSH岡田一平-CTB小倉順平で崩して右隅にトライ、5-7と詰め寄って風下の前半を折り返す。勝負の後半。立ち上がりの東海のゴール前ラインアウトモールを巧く対処して相手のオブストラクションを誘うとそこから終始、ワセダのペースで敵陣で試合を進める。それでも13分ラインアウトミス(ノットストレート)。17分PG失敗。19分PG失敗。ことごとく得点チャンスを逃し続ける。20分に左ラインアウトからCTB小倉順平が巧く抜け出て絶妙のワンハンドパス、WTB荻野岳志が右タッチライン際を走り切って逆転トライ、10-7とする。どこか落ち着かない戦いぶりながらも試合を引っくり返して試合は最終盤。33分、ワセダは自陣でのハンドリングミスからスクラムのピンチを招くと、相手外国人の懐の深い繋ぎに崩されて大外へと繋がれて痛恨の逆転トライ(10-14)。この後、敵陣で攻め続けるも頼みのFB藤田慶和が相手の鋭いタックルに煽られたところでペナルティを犯して万事休す。タッチへとボールが蹴りだされて大峯組『荒ぶる』への挑戦が終わりを告げるノーサイドの笛が響いた。

▲ 
後半20分、右タッチライン際を走り切って逆転トライをあげるWTB荻野岳志

■ 2014/12/21 早稲田大 18-17 同志社大 @花園ラグビー場 【写真館】

大学選手権セカンドステージ第2戦、関西リーグ3位の同志社大と対戦したワセダ。課題の立ち上がりもこの日はFWをタテ、タテと突いてペースを握る。5分、左中間スクラムを起点にFW、FWと前に出て最後は抜け出したLO大峯功三主将がトライを上げて先制。しかしペナルティ、ハンドリングエラーで攻めきれずに終わるとセットプレーの不安定さも重なって同志社の流れに。19分、マイボールスクラムでプレッシャーを受けてこぼれたところを相手SHに拾われて同点とされる。24分にSO横山陽介の45mPGが決まって勝ち越しに成功(10-7)するものの流れを掴みきれないまま後半を迎える。後半に入って10分、ペナルティからの速攻を起点に右WTBにトライを献上、10-12と逆転を許して敵地は異様な盛り上がりを見せる。この後も密集でのボール争奪局面でレフリーと認識が合わないままにペナルティが重なって、リズムを掴めず。それでも20分、ラックにNO.8佐藤穣司がプレッシャーをかけてターンオーバーに成功するとWTB荻野岳志が抜け出して2人をかわしてトライ、約60mを走り切って逆転に成功すると30分にもSO横山陽介のPGで加点、18-12とリードを広げる。この時間帯こそワセダの流れとなったものの全体的にはペナルティから自陣に押し込められると38分、ペナルティからのゴール前ラインアウトモールを押し込まれて18-17。残り数十秒でコンバージョンが決まれば逆転を許す状況も、同志社のキックは右にそれてノーサイドの笛、薄氷の勝利となった。

▲ 前半5分、絶妙の走り込みから中央突破、先制トライをあげるLO大峯功三主将

■ 2014/12/14 早稲田大 39-15 立命館大 @花園ラグビー場 【写真館】

大学選手権セカンドステージ第1戦、関西リーグ5位の立命館大と対戦したワセダはテンポ良くボールを動かすものの効果的なゲインを出来ずに逆にペナルティで攻撃権を手放す時間が続く。自陣でのペナルティは相手の確実なキックで3点にと変えられて序盤の20分経過時点で3-6とリードを許す。ワセダの目覚めは28分、中央スクラムから右サイドの広いスペースに攻撃を仕掛けるとWTB荻野岳志が個人技で相手を振り切ってこの試合初トライ。更には32分、相手キックのカウンターアタックからWTB深津健吾が中央突破、そのまま左サイドへと流れて60メートル近くを走る独走トライ、両WTBが脚力を見せ付けて15-9として前半を折り返す。後半も立ち上がりはどこかちぐはぐ…ゴール前ラインアウトモールのチャンスでは2度のアクシデンタルオフサイド、更には持ち込んだボールが2度相手にもぎ取られるなど攻撃を自ら寸断してしまうと2分PG、8分DGと立命館に確実に刻まれて15-15の同点とされる。波に乗れない試合展開も途中からタテに強いプレーヤーを当てて試合を立て直す。14分、右ラインアウトからFW、FWで中央ラックを刻んで相手の意識を内に寄せた後、大外展開してWTB深津健吾が左隅にトライをあげると21分ゴール前スクラムからの8-9、更には中央に顔を出したWTB深津健吾へと繋いでゴールラインに迫ると最後はラックサイドを突いたLO大峯功三主将がトライ、立命館大を突き放しに掛かる。この後も31分FB藤田慶和(ここも起点はCTB鶴川達彦の力強いタテ!)、37分途中出場WTB本田宗詩とトライを重ねて終わってみれば39-15と突き放して勝利、立命館の整備されたディフェンスに苦しみながらも勝ち点6をしっかりと手にした。

▲ 後半31分、ダイナミックな走りで相手を置き去りにしてトライをあげるFB藤田慶和

■ 2014/6/8 ジャパンセブンズ @秩父宮ラグビー場 【写真館】

秩父宮で行われた春のセブンズシリーズ最終戦、ジャパンセブンズ2014。1回戦でライバル帝京大と対戦したワセダはキックオフから終始帝京にボールを支配されて2分に先制を許すと、リスタートのキックオフで帝京にことごとく競り負けて全くボールを触れないままに3分、4分とタテ続けに失点、0-19と苦しい展開。6分、タックルに絡んだ深津健吾が自陣でボールを奪い返して外に展開、門田成朗が抜け出し、そのまま独走トライ、ようやく反撃の狼煙を上げると後半開始30秒にも山岡篤樹のゲインから最後は深津健吾が走り切ってトライ、帝京に詰め寄る。更に3分、荻野岳志がタッチライン際を大きくゲインし、チャンスメイク…しかしフォローがなく孤立しターンオーバーを許すとここから切り返されて痛恨のトライ。6分に荻野岳志→深津健吾の両エースで中央突破からトライを返すものの前半の失点は重く19-33で敗戦した。コンソレーションに回っての初戦はトップウエストAのホンダと対戦。前半6分鈴木亮、後半1分五十嵐隆介がトライをあげるものの相手の外国人選手に大外を振り切られるなど手を焼いて後半中盤まで12-12の同点。均衡した展開を打ち破ったのは門田成朗、4分思い切りの良い仕掛けでディフェンス2人の間を抜けてトライ、更に直後のキックオフを拾った山本龍平が独走トライと続いてホンダを突き放すとロスタイムの相手の猛攻を門田成朗が片腕一本食い下がってトライを阻止、24-19で接戦を制した。コンソレーション準決勝は東芝と対戦。24秒、いきなり相手外国人選手に突破を許してトライを献上も2分、自陣から思い切りよく仕掛けた鈴木亮のブレイクから本田宗詩へと繋いで同点に追いつく。しかし、相手の高さにキックオフで苦戦、更に防御を崩されて内に寄ったところでキックパス…と相手の巧さに翻弄されて3連続トライを献上、ワセダも後半5分、山岡篤樹が密集で絡んでボールを奪い返してそのまま一気の独走トライで意地を見せるものの反撃もここまで(12-31)。トップリーグの壁に阻まれて大会を1勝2敗で終えた。

▲ 
ホンダ戦。前半6分、ビッグゲインを見せた本田宗詩が大きく蹴り込んだボールを拾ってトライをあげる鈴木亮

■ 2014/2/16 早稲田大 16-36 ヤマハ発動機 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

トップリーグへの挑戦、日本選手権1回戦でヤマハ発動機と対戦したワセダは序盤からOBの洗礼を受ける。2分、ヤマハFB五郎丸歩のカウンターを起点に最後はヤマハWTB田中渉太のステップに翻弄されて先制トライを与えると12分にも再びFB五郎丸歩の仕掛け→WTB田中渉太の仕留めにディフェンスを崩されて失点、この後17分、28分にも連続トライを献上して序盤で3-24と大きくリードを許す。ワセダの反撃は32分、FB藤田慶和のカウンターアタックからラックを連取、最後はFL金正奎がディフェンスを突破、先輩FB五郎丸歩をステップでかわして待望の初トライ。これで息を吹き返したワセダは37分、PR垣永真之介主将のビッグヒットからチャンスを掴み再び敵陣に入り込むと相手ペナルティをPGでの3点に変えて11-24と点差を詰めて前半を折り返す。後半に入り、1分、14分とトライを与えるもののワセダも意地を見せる。22分、ペナルティからNO.8佐藤穣司がハリーで仕掛け、PR垣永真之介主将のブレイク→FL金正奎のサポートで一気に敵陣ゴール前へ迫ると、ペナルティを挟んで最後はSO小倉順平の股抜きパスを受けたFB藤田慶和がインゴールへ。そのアタックスピードでヤマハを翻弄するとこの後も最後の力を振り絞って敵陣で猛攻を仕掛ける。インゴールこそ越えられなかったもののその最後まで戦い抜いた姿勢に秩父宮に詰め掛けた観客から大きな拍手が送られた。



▲ 
後半、敵陣ゴール前で突進、その背中でチームを鼓舞するPR垣永真之介主将

■ 2014/1/12 早稲田大 34-41 帝京大 @国立競技場 【写真館】

大学選手権決勝、試合の入りは最高の形に。24秒、キックオフリターンからFL布巻峻介が抜け出し、WTB荻野岳志へと繋ぐとそのまま荻野が走り切って先制のノーホイッスルトライ。しかしスクラムが相手と合わずに安定度を欠き、更にはペナルティも重なり自陣で過ごす時間が増え出すと12分、23分とゴール前ラインアウトを起点とした相手重量FWのサイド攻撃にインゴールを明け渡し逆転を許す。この後も攻める帝京に守るワセダの図式、厳しい時間帯が続きながらも失点を許さないワセダは前半終了間際にようやくテンポの良いアタックでボールを動かし、帝京が堪らず犯したペナルティをPGで3点に結びつけて10-12と僅差で折り返す。勝負の後半、立ち上がり早々にラックターンオーバーからトライを献上すると相手の勢いを受け止めきれずに12分、15分とタテ続けにトライを許し10-34。遠ざかる王者の背中…昨年度シーズンの準決勝と同じような展開となりかけるも、それでも今年のワセダは諦めない。18分直後のキックオフをLO黒木東星が好捕、連続攻撃からWTB荻野岳志が取り切って反撃の狼煙を上げると19分、キックカウンターからBK展開、FB藤田慶和がライン際を走って折り返したところをサポートしたCTB坪郷勇輝が左隅にダイブ。更には27分、敵陣ゴール前ペナルティからWTB荻野岳志が自ら仕掛けてインゴールへ。怒涛の3連続トライで29-34と帝京をついに射程圏内に捕える。更に自陣から積極的に攻めるワセダであったが、パスが乱れてノックオンターンオーバー…ここからの一連の攻撃でトライを奪われて再び12点差に…。この後、ロスタイムにCTB坪郷勇輝がラックサイドを潜り込んでトライを返すもののここまで。後半怒涛の追い上げも惜しくも届かず…垣永組の挑戦は終わりを告げた。



▲ 
後半、大きく前進、帝京ゴール前に迫るFL金正奎

■ 2014/1/2 早稲田大 29-11 筑波大 @国立競技場 【写真館】

大学選手権ファイナルステージ準決勝、筑波大と対戦したワセダは序盤、筑波の激しいブレイクダウンの前に後手を踏む展開。6分にPGで先制を許すと10分にはノックオンターンオーバーからBK展開されてトライを献上、0-8とリードを許す。それでもスクラム、ラインアウトのセットプレーで圧力をかけて流れを徐々に引き寄せると20分、自陣から展開してきた相手に対して大外ブレイクダウンを制してターンオーバーに成功、そこから猛攻を仕掛けて最後はFB藤田慶和がインゴールに入って反撃の狼煙を上げる。更に26分には敵陣深くでのスクラムで再び圧力、堪らず首を抜いた相手のペナルティをPGに結び付けて逆転に成功、10-8として前半を折り返す。風下の後半は立ち上がりから筑波の猛攻。ワセダもブレイクダウンで激しくプレッシャーをかけて相手のノックオンやペナルティを誘って凌いでは再び自陣深くに押し込められるという繰り返し。我慢に我慢を重ねた自陣深くでのディフェンスからの脱出は27分、相手のこぼしたボールにSH岡田一平が反応、WTB荻野岳志で一気に切り返すと今度は大きく蹴り込んで敵陣ゴール前へと迫る。直後28分、相手ボールスクラムに対して猛然とプッシュ、筑波のスクラムを破壊するとインゴールにこぼれたボールをSH岡田一平が混戦の中抑えてトライ、長い長いディフェンスの時間帯を抜け出した直後のビッグプレーで流れは完全にワセダ。34分、敵陣スクラムから連続攻撃、SO小倉順平の内側に顔を出したFB藤田慶和がディフェンスを切り裂いてトライをあげると37分、敵陣左ラインアウトから右に左にと大きくボールを動かして最後はWTB深津健吾が走り切ってトライ。安定したセットプレーを起点に試合を決定付ける連続トライで筑波を突き放して29-11で勝利、3年ぶりの決勝進出を決めるとともに5年ぶりの『荒ぶる』へあと一つと迫った。


▲ 後半34分、SO小倉順平からのリターンパスを受けて鮮やかにトライをあげるFB藤田慶和

■ 2013/12/22 早稲田大 57-7 中央大 @熊谷ラグビー場 【写真館】

大学選手権セカンドステージ3戦目、リーグ戦2位中央大と準決勝進出をかけて激突。風上に立った前半、開始2分に相手ペナルティから堅実にショットを選択し、先制する。この後はハンドリングエラーも重なり、沈黙の時間帯が続くも20分を過ぎると一気に攻勢に。22分、FKからCTB坪郷勇輝がブレイク、たまらず中央が犯すペナルティからゴール前ラインアウト→FWショートサイドと攻め立て最後は左へ展開してWTB深津健吾がコーナーギリギリに飛び込んでトライ。26分、カウンターからWTB荻野岳志が右サイドを突破してチャンスメイク、更にSO水野健人が持ち味を発揮して鋭く抜け出し、最後はFB藤田慶和へと繋いでトライ。28分、ペナルティから素早く仕掛けて左へ右へと中央大を揺さぶるとSO水野健人がミスマッチを突いてブレイクし、そのまま独走トライ。30分、キックオフから切り返してPR垣永真之介主将が抜け出すとサポートについたFL金正奎へと繋いでノーホイッスルトライ。わずか10分弱の間に4連続トライと畳み掛けて試合の主導権を握ると、前半終了のホーンが鳴った後のラストプレーにも継続し切って最後はFL布巻峻介が抜け出してトライ、怒涛のトライラッシュで36-0として前半を折り返す。後半、風下という条件にダイレクトタッチも重なり自陣で過ごす時間が増え出し、トライのペースこそ落ちるものの18分、29分とそれぞれカウンター起点、ターンオーバー起点と自陣からフェーズを重ねて途中出場のWTB土肥将也が連続トライ。風下でも攻撃姿勢は緩めず3トライを追加、ディフェンスでも後半35分にラックサイドの一瞬のスキを相手SHに潜り込まれて1トライを許すものの中央大に殆ど攻め手を与えず57-7で大勝。セカンドステージ3連戦を全てボーナスポイント付き(4トライ以上)の3連勝で抜け出し、正月越えを決めた。


▲ 
前半28分、相手タックルに絡まれながらも振り切ってポスト真下にトライをあげるSO水野健人

■ 2013/12/15 早稲田大 48-18 京都産業大 @瑞穂公園ラグビー場 【写真館】

大学選手権セカンドステージ2戦目、名古屋で京都産業大と対戦したワセダ。風下に立った前半は自陣からでも積極展開。6分、自陣ペナルティから仕掛けてSO水野健人がブレイク、敵陣に入るとループからFL布巻峻介が抜け出し、FB藤田慶和へと繋いでトライ、先制する。しかし、この後京都産業大のディフェンスをなかなか突破できず自陣に停滞すると、重ねたペナルティをことごとくPGに結び付けられ、点差を詰められると前半29分には勢い良く走りこんでくる相手FWにゴールラインを割られて12-13と逆転を許す。苦しいゲーム展開の中でチームの拠り所となったのはラインアウトモール。前半39分、ペナルティから迷わずタッチを狙うとゴール前ラインアウトモールを押し込みトライ、逆転に成功する。更に17-18で迎えた後半14分にもペナルティからPGではなくタッチを選択、再びラインアウトモールを押し込んで逆転に成功する。このモールでの2トライで流れを引き寄せるとラインアウトも相手の組み立てを読みきって制圧、風も利用して終始、敵陣で試合を優位に進める。後半18分にはFL布巻峻介が絡んでのターンオーバーからFB藤田慶和がビッグゲイン、ラックを継続してWTB深津健吾がトライをあげると、更に26分、31分、39分とトライラッシュ(26分、ラインアウトから継続してCTB飯野恭史-WTB深津健吾でトライ。31分、ラインアウトモールからのサインプレーでHO清水新也がインゴールへ。39分、こぼれ球を拾ったWTB深津健吾が独走トライ)。ラスト20分で京都産業大を一気に突き放し48-18で勝利した。


▲ 
前半22分、ラックからPR垣永真之介主将-FL金正奎副将と繋いで前進、最後はFL布巻峻介が抜け出てトライをあげる

■ 2013/12/8 早稲田大 46-12 大阪体育大 @駒沢陸上競技場 【写真館】

大学選手権セカンドステージ初戦、関西5位の大阪体育大と対戦したワセダは3分、敵陣ファーストスクラムで得たペナルティから確実にPGを選択する手堅い試合の入り。13分、右サイドをWTB荻野岳志-FL金正奎のコンビで崩し、左に展開、WTB深津健吾(強さを見せ付けて再三のゲイン)が粘って内に返したところに走りこんだPR垣永真之介主将がトライ。23分、ラック連取からSH平野航輝がクロス気味に走ってきたPR垣永真之介へと繋ぐと、スピードに乗った垣永主将が近場を突破、そのままインゴールへと滑り込んでトライ。36分、左ラインアウトからラック連取、CTB飯野恭史が内に切ってディフェンスを突破して中央にトライ。大阪体育大の強いフィジカルを受けて度々ターンオーバーを許すもののスコアは確実に刻んで22-0として前半を折り返す。後半に入り、10分、右中間スクラムから右に左にとボールを動かし、最後は勢い良く走りこんできた途中出場のFL植田耕平が抜け出してトライ、この日チーム4つめのトライでボーナスポイントを獲得する。この後、細かなハンドリングエラーでリズムを崩すと大阪体育大の力強いタテ突進に徐々に後退、17分、32分とインゴールを割られるなど失点を重ねる場面も(特に17分のペナルティからの速攻でトライ献上は、らしからぬ淡白さ…)。終了間際の37分、39分と途中出場のCTB藤近絋二郎(ディフェンスでも強さを見せてしっかりアピール!)の連続トライで大阪体育大を突き放し、スコア上は46-12の大差で勝利したものの、局面、局面では相手の強いフィジカルに苦しんだ一戦となった。


▲ 
後半37分、ハイパントのこぼれ球を拾い、右タッチライン際を走りきってトライをあげるCTB藤近絋二郎

■ 2013/1/2 早稲田大 10-38 帝京大 @国立競技場 【写真館】

大学選手権・準決勝、国立で王者・帝京大に挑んだワセダは試合前アップから気合十分(ピッチに立てない4年生全員がタックルダミーを持つ『涙』の儀式も)。ワセダキックオフで始まったこの試合、自陣から攻めてくる帝京に対してワセダは激しい防御で応戦。7分、相手ペナルティで得た10mライン付近からの距離のあるPGをSO小倉順平が風にも乗せ、キレイに決めて先制。13分には強風に乗せたハイパントの処理ミスをついて、ゴール前左ラインアウトのチャンスを得るとラインアウトモールを押し込み、最後はHO須藤拓輝が左隅に飛び込んでトライ、難しいコンバージョンもSO小倉順平が決めて10-0と序盤の主導権を握る。ノータッチキックに度重なるノックオン…王者・帝京のらしくないミスに付け込んで試合を優位に進めるワセダは20分にも敵陣深くでの右ラインアウトのチャンスを迎える。しかし、このチャンスでサインが合わず、マイボール確保に失敗するとここを境に流れは帝京へ。近場に力強いFWを当ててくる帝京のアタックに食い込まれ、徐々に後退すると自陣ゴール前でラインアウトモール、スクラムと圧力をかけられ迎えた30分、ゴール前のラックサイドをこじ開けられてトライを献上、10-7と点差を詰められる。点差を開けられずに迎えた風下の後半2分、帝京の一転したワイドアタックから外のスペースを大きくゲインを許すと、ゴール前ラックから突進してくる相手外国人FLにディフェンスが追いつけずインゴールを明け渡す。この後もカギとなるセットプレーが安定せず、更には自陣からでも展開してくる帝京の戦いぶりに対応が遅れて度重なるビッグゲインを許すなど、ズルズルと後退…15分にはラインアウトモールを押し切られてトライを許すと、反撃に転じた23分には帝京のディフェンスでの圧力にパスが横回しとなったところをインターセプトされて決定的なトライを献上。ワセダもラストプレーでWTB中隆彰-FL金正奎と繋いで意地のビッグゲイン、ペナルティから更に攻めて大外をHO伊藤平一郎-PR垣永真之介と繋ぐもののスローフォワードの判定でノーサイドの笛…。セットプレー、接点で圧倒されての完敗で上田組の12年度シーズンが終わりを告げた。

▲ 後半、終了間際の反撃、インゴールに迫る途中出場のHO伊藤平一郎

■  2012/12/23 早稲田大 61-8 大阪体育大 @花園ラグビー場 【写真館】

大学選手権セカンドステージ第三戦、勝てば準決勝進出が決まるワセダは開始からフルスロットル。2分、FL黒木東星がプレッシャーをかけて相手のタッチキックの精度を狂わすとクイックスローからFB原田季郎がディフェンスを翻弄、華麗なステップワークで一気にインゴールを陥れる。その後、ペナルティが続き自陣深くに押し込められる時間帯が続き、大体大にPGを一本返されるものの13分、右ラインアウトからラックを連取、FB原田季郎が抜けてWTB中隆彰へラストパス、新ホットラインが見事に機能してトライをあげると19分、自陣ターンオーバーから左へ展開、WTB荻野岳志が相手をかわしてトライと開始20分までに早くも高速バックスリーの揃い踏み。更に21分、27分とWTB中隆彰がスピードでディフェンスを置き去りにする快走を連発して連続トライ、前半36分にもSO小倉順平からのリターンパスを受けたFL金正奎が抜けてポスト真下にトライ、前半で40-3と試合を決めて折り返す。後半も1分(SH平野航輝)、3分(SO小倉順平)と相手のディフェンスを次々に突破してトライを重ね順調な入りを見せたものの、時間の経過とともに恩師・坂田監督のラストファイトに燃える大体大のタテに出る圧力に徐々に受け始めて後退、ハンドリングエラー、ペナルティも重なって自陣に釘付け。27分にラックの上を乗り越えられる形で1トライを献上したものの長い時間、ゴール前ディフェンスを粘り強く止め続けてノーサイドの笛、61-8で勝利して2年ぶりの正月越え。試合後には大体大・坂田監督を送り出すセレモニーにも参加、ラグビーらしいノーサイドの光景に聖地・花園は拍手に包まれた。

▲ 後半1分、ラックサイドを抜け出し、最後は相手FBをかわしてトライをあげるSH平野航輝

■  2012/12/16 早稲田大 45-24 流通経済大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

大学選手権セカンドステージ第二戦、リーグ戦2位の流通経済大と対戦したワセダはトスで勝って風上を選択、開始からSO小倉順平、CTB森田慶良のキックを使って敵陣深くに侵入、相手を自陣に釘付けにしワセダのテンポでアタックを続ける。9分、スクラムを起点に連続攻撃、HO須藤拓輝のブレイクで一気に敵陣深くに攻め入るとゴール前でモールを形成、FL金正奎がインゴールに飛び込んで先制。13分、相手陣ゴール前左ラインアウトからモールで相手FWの意識を寄せてBK展開(CTB森田慶良→WTB中隆彰)でトライ。18分、ラックからSH西橋勇人のパスを直接受けたWTB中隆彰がミスマッチを突いて突破、キレ味鋭いステップで相手を置き去りにするスーパートライ。23分、ペナルティから左ラインアウトモールを押し込みトライ(最後はHO須藤拓輝)。27分自陣から繋いで(PR垣永真之介の豪快なランも!)最後は密集サイドを走りこんだLO芦谷勇帆→FL小谷田祐紀と繋いでトライ。怒涛の5連続トライで試合の流れを決定付ける。このまま一気に押し切りたいワセダであったが、前半終了間際流通経済大のカウンターからタテ、タテと勢い良く走りこんでくるランナーに対応が後手にまわってこの試合初失トライ、天理戦同様に終了間際に一本返されると後半は流通経済大の強いランナーにボールを持たれる時間が長くなり徐々に後退…。13分、28分と2本のトライを追加するものの32分(ペナルティからのハリー一発)、38分(カウンターから2人の外国人に持っていかれる)とタテ続けに簡単にインゴールを明け渡し、全体的には流通経済大の40分間となりノーサイド。スコアが示す通りの快晴のち曇りの試合展開も、天理大戦に引き続きボーナスポイント付き勝利を収め、準決勝進出へ大きく前進した。

▲ 前半18分、相手を抜き去って独走トライをあげるWTB中隆彰。この日も2トライ、ここに来て絶好調。

■  2012/12/9 早稲田大 46-14 天理大 @長居スタジアム 【写真館】

大学選手権2ndステージ初戦、大阪に乗り込んで関西王者・天理大と対戦したワセダはキックオフからルーズボールを制すると、天理のハンドリング、ペナルティからのタッチキックの拙さもあって、終始敵陣で試合を進める展開。それでもスクラムで再三ペナルティを取られるなど、攻めきれず序盤は13分にSO小倉順平が決めたPGの3点のみ。試合が動き出したのは20分過ぎ、ディフェンスでよく前に出て圧力をかけていたワセダは21分、果敢に自陣から仕掛けてくる天理を仕留めて、ペナルティを誘うと右ラインアウトから攻め立てて、最後はラックサイドを突いたSH西橋勇人がトライ。更に27分、ペナルティから右ラインアウトモールでトライ。29分、ターンオーバーから一気に切り返してWTB中隆彰がノーホイッスルトライ。37分、ラック連取からFL金正奎が抜け出しトライと4連続で畳みかけて天理を突き放しにかかる。29-7で前半を終えたワセダは、後半4分スクラムからラックを重ねて逆目に顔を出したSO小倉順平が裏に出たところにFL小谷田祐紀が付いてトライ。更に16分、ペナルティから左ラインアウトモールでトライ。38分、中央スクラムから右へ展開、FBにまわっていた原田季郎が右中間にトライをあげてダメ押し。防御でも相手の強力外国人CTB陣に2、3人と人数をかけて対応、2トライこそ奪われたものの後半には辛抱強く守りきる時間帯も。アドバンテージポイントで不利に立つワセダにとって最高の形で(自らはボーナスポイント付、相手には勝ち点を1点も与えずで)勝利した。

▲ 前半37分、ディフェンスを一人でこじ開けてトライをあげるFL金正奎

■  2011/12/25 早稲田大 26-28 関東学院大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

かつて国立を沸かせた早関対決、今年は秩父宮でのクリスマス決戦。1分、SO小倉順平の好タックルからターンオーバー、5分、ハイパンチェイスを追ったCTB藤近紘二郎がビッグヒットでターンオーバーと、タックルで主導権をグイッと引き寄せると10分、12分とタテ続けにペナルティゴールを決めて(WTB原田季郎)6-0と先手を奪う。この後もLO芦谷勇帆の安定したキックオフキャッチで確実に敵陣に居座り、20分までは完全なワセダペース。しかし20分を過ぎるとペナルティで徐々に後退、相手のラインアウトモールで自陣深くに押し込まれる時間帯が続くとここから試合は一転、関東学院の流れに。26分ゴール前でのFWゴリゴリの展開にインゴールを割られると、31分、37分とラインアウトモールでプレッシャーを受けた後のBK展開に対応が遅れて関東BKに次々と走りこまれてトライを献上、6-21と逆転を喫してハーフタイムを迎える。ワセダは後半、SHを熊谷和樹に替えて西橋勇人を投入、テンポを上げに入ると開始から猛攻、4分右ラインアウトモールからSO小倉順平がディフェンス裏にゴロパント。アドバンテージを上手く生かした好判断からCTB下平泰生が抜け出してボールを抑えてトライ。続く9分、関東が自陣でまわしてところにWTB中隆彰がドンピシャのビッグヒット、ここで得たペナルティからペナルティゴールを決めて関東を一気に射程圏に捉える。更に12分、敵陣でNo.8大峯功三がターンオーバー、相手のディフェンスの陣形を冷静に見極めたFB井口剛志のキックパスがWTB原田季郎へと繋がって同点のトライ、わずか15分で前半に背負ったビハインドを取り戻す。ワセダ、カントー、ワセダ…と目まぐるしく入れ替わる試合の流れは20分、SH西橋勇人の危険なタックルでのシンビンを境に再びカントーへ。度重なるペナルティから自陣ゴールラインを背負うと28分、カントーのラインアウトモールから相手FWになだれ込まれて勝ち越しトライを献上、ワセダも32分にFB井口剛志のキックパスを追ったFL小林勇也が相手に競り勝ってトライで詰め寄り、この後も敵陣で攻め続けるも、マイボールラインアウトを奪われたところで万事休す。無情にもホーンが鳴り響いた次の瞬間にカントーに蹴りだされてノーサイドの笛。ペナルティの多さでリズムを崩し、2年ぶりに正月を迎えることなくワセダの…山下組のシーズンが終了した。
▲ 後半12分、FB井口からの絶妙のキックパスを受けて同点トライをあげるWTB原田季郎

■  2011/12/4 早稲田大 18-16 明治大 @国立競技場 【写真館】

伝統の早明戦。立ち上がりの5分、SO小倉順平のブレイクから敵陣深く攻め込んで得たペナルティをWTB原田季郎がPGで3点に結び付けて先制する。9分にPGを逆に決められて追いつかれるもののワセダはボールをキープし攻め続け、終始敵陣で試合を進める。しかし、相手の固いディフェンスに自らのハンドリングエラーが重なり、得点をあげられないまま時間だけが過ぎていくと逆に強風の中、蹴り上げられる明治のハイパントの処理に苦しめられる。徐々にエリアを下げられ、26分PG、32分モールサイドを突かれてトライと失点、相手の重たいFWの圧力を受けて相手ペースのまま前半を3-13で折り返す。後半に入って早々の3分、ペナルティから素早く仕掛けてSH西橋勇人-SO小倉順平-WTB原田季郎でトライ、前半なかなかこじ開けられなかった明治のディフェンス網をあっさりと攻略すると、風上の優位性を活かして敵陣で攻め続ける。迎えた25分、クイックスローから左へ右へとメイジを揺さぶり、最後はPR垣永真之介の突進からFL金正奎へと繋いでその金がタックラーに潰されながらも腕を目いっぱい伸ばしてインゴールへ到達、ついに逆転に成功する。この後30分、ペナルティからPGによる3点を献上、再びリードを許すものの粘るワセダは土壇場の40分、相手のペナルティから得たPGをWTB原田季郎が落ち着いて決めて逆転、その後の2分間のロスタイムを凌ぎきってノーサイドの笛。途中苦しい連敗もあったもののライバル慶應・明治を連破して勢いに乗って大学選手権に突入する。
▲ 
後半3分、この試合初トライをあげる原田季郎。逆転PGなど一人で13得点、勝利の立役者。

■  2011/11/23 早稲田大 54-24 慶應義塾大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

伝統の早慶戦。ワセダはキックオフリターンから果敢に攻めて一気に敵陣深く攻め込むと、1分相手ペナルティを確実に3点(PG)に結び付けて先制する。15分にもノックオンターンオーバーからSO小倉順平(ギャップを見逃さず再三のビッグゲイン)、FB井口剛志(独特のステップワーク、タイミングの良いパスで圧倒的な存在感!)らで前進、最後はFL山下昂大主将が体をうまく回転させながらインゴールへ到達。24分にもカウンターから敵陣深く攻め込みFB井口剛志からWTB原田季郎へピンポイントのキックパスが通ってそのままトライと早いテンポで慶應ディフェンスを翻弄する。アタックでは持ち味を存分に発揮しながらも、自陣でのペナルティが重なり10分にPG、20分にはゴール前ラインアウトモール(密集サイドを突かれてトライ)と犯したペナルティを慶應に得点へと繋げられてスコアは15-10と均衡する。ワセダが完全に流れを引き寄せたのは30分過ぎ。33分相手のパスの乱れから(WTB中隆彰)、36分FL山下昂大主将のタックルターンオーバーから(FL金正奎)、40分FL山下昂大主将のジャッカルから(PR上田竜太郎)…と相手ボールをタテ続けに奪取し、湧き出るようなフォローで一気にトライまで獲りきって慶應を突き放しにかかる。ハーフタイムを挟んだ後半7分にも左へキックパス、右へロングパスと慶應ディフェンスをあざ笑うかのように大きく揺さぶりをかけて最後はWTB中隆彰。13分、キック処理から左へと振ってWTB原田季郎。スピード溢れる両翼が次々とインゴールを陥れて(この日2人で5トライ!)勝負アリ。この後も2トライを追加して54-24で早慶戦3年ぶりの勝利、攻守にブレイクダウンを制圧、FW陣もしっかり走って攻撃のリズムを生み出せばBK陣ではSO小倉順平、FB井口剛志がお膳立てをして両翼でフィニッシュと今季目指すラグビーを存分に体現、2敗で既に対抗戦優勝はないものの最大目標である”荒ぶる”奪回に向けて確かな手応えを感じる一戦となった。
▲ 
復帰戦で大暴れ、防御を切り裂くステップワーク、冷静な状況判断からのパスと完勝の立て役者となったFB井口剛志


■  2011/11/03 早稲田大 8-12 帝京大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

対抗戦、王者・帝京大との今季初対決はキックオフから果敢に攻めるもノックオン…。逆に帝京の連続アタックを受ける形となり、序盤からゴールラインを背負っての戦い、4分にスクラムから密集の攻防に意識が寄ったところを相手SHに突かれて先制トライを与えてしまう。ワセダの最初のチャンスは11分、ペナルティから素早く仕掛けるとFL山下昂大主将が突破、一気にゴール前まで迫り秩父宮を沸かせると相手がたまらず犯したペナルティをPG(WTB原田季郎)で3点に引き換える。この後も、WTB原田季郎のビッグゲインなどで敵陣で優位に試合を進めるワセダは20分、敵陣ゴール前ラックをターンオーバー、最後は右に展開してWTB中隆彰が相手の包囲網を細かいステップで振り切って逆転のトライをあげる。ワセダはこの後もラインアウトを上手く絡み、また防御でも再三帝京のノックオンを誘う好タックルを重なるなど帝京にアタックのリズムを掴ませず8-5とリードして前半の折り返しに成功する。後半に入り1分、FL金正奎のビッグヒットからターンオーバー、FL山下昂大主将が独走し一気にゴール前まで迫るもののボールコントロールが乱れてチャンスを逸すると逆に9分、自陣ゴール前スクラムから相手SOにギャップを突かれて逆転のトライを献上、再びリードを許す。ワセダも13分にSO小倉順平→WTB中隆彰へとキックパスを狙うもののインゴールでバウンドに恵まれず。この後も再三チャンスを迎えるもののパスミス、ノックオンとハンドリングエラーを連発、押し気味に試合を進めるものの得点につなげられない…。後半終了間際に迎えた相手ゴール前での猛攻も、最後スクラムでプレッシャーを受けた状態で出したパスがインターセプトされて万事休す。チャンスフェーズで得点を獲りきれなかった事が響いて対抗戦2敗目、対抗戦での優勝の可能性がなくなった。
▲ 
前半20分、襲い掛かるディフェンスを小刻みなステップで全てかわして逆転トライをあげるWTB中隆彰

■  2011/10/23 早稲田大 7-21 筑波大 @ケーズデンキ水戸 【写真館】

対抗戦、最初のヤマ場・筑波大戦がケーズデンキスタジアム水戸で行われた。序盤から相手の激しいディフェンスの前にコンタクト負けして筑波ペース。5分、左中間PGで先制されると8分には相手の猛攻を受け、最後は右サイドを完全に崩されてトライ献上と苦しい立ち上がり。筑波の早いボールへの働きかけ、腕っぷしの強さの前に再三ターンオーバーを許すと、前半30分過ぎの相手がシンビンで一人少ない時間帯にも逆にPG、そしてトライを許すなど良いところなく無得点のまま0-18で前半を折り返す。後半に入り、SO小倉順平を投入、自らタテに切り込むなど徐々にチームとしてゲインする場面が見られるようになり、次第にワセダのペースに。16分、ゴール前ラックからSH西橋勇人がパスダミーからラックサイドを潜って待望のトライ、反撃の狼煙をあげる。このあと迎えたピンチにも試合を通して優位に立ったスクラムでターンオーバー、筑波の追加点を防ぐものの、ワセダのアタックも好テンポでラックを重ねながら要所でことごとく相手の強いコンタクトの前にボールコントロールを乱されて得点なく、時間だけが過ぎていく。後半38分にスクラムターンオーバーから逆襲、決定的なチャンスを迎えるもののWTB中隆彰からFB廣野晃紀へのパスが乱れて万事休す。接点で圧倒されての点差以上の完敗、筑波大相手に実に33年ぶりに敗戦を喫した。
▲ 
前半、相手ディフェンスをスピードで振り切って前進するWTB原田季郎

■  2011/10/9 早稲田大 93-0 日本体育大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

対抗戦、日本体育大と秩父宮で対戦したワセダは、相手キックオフボールをキャッチするとWTB中隆彰がいきなりのビッグゲイン、敵陣深く攻め入ると右へ左へボールを動かし最後は再びWTB中隆彰、1分も経たないうちに先制する。更に4分、スクラムで圧力をかけてターンオーバー、CTB村松賢一のブレイクから最後はWTB中隆彰-FL金正奎と繋いでトライ。続けて11分、相手ペナルティから左ラインアウトモールを押し込みトライと試合の入りを制して日本体育大に攻撃チャンスを与えず一方的に攻めまくる。縦横無尽に走りまくるフィフティーンの中で一際光ったのがFL山下昂大主将。31分、スクラムを起点としたアタックから内への返しパスを受けると次々に迫り来るタックラーを3人連続ハンドオフで叩き落として、そのまま独走トライをあげるなど一人で5トライの大活躍。また、後半8分にはキックオフからWTB中隆彰が中央突破、右へ展開して後半から入ったSO小倉順平が抜け出し独走トライ。後半31分には再びキックオフから攻めてSO小倉順平が右サイドの広いスペースへキックパス、WTB廣野晃紀がカットインして中央へ自身この日3コ目のトライ。新戦力もチームの勢いに乗って活躍を見せるなど後半だけで9トライ、ラストプレーの得点チャンスを逸して2試合連続の100点の大台こそ逃したものの(秩父宮はこれにタメ息も…)、93得点で日本体育大を圧倒、ディフェンスでも相手のPG失敗(前半16分)こそあったもののスクラムで相手の起点を再三潰すなど、早い段階で相手の攻撃の芽を摘んで、2試合連続の完封勝利。開幕3連勝で春に完敗した筑波戦(10/23 水戸)に挑む。
▲ 
前半31分、右手ハンドオフを三度振りかざして相手を突き放しトライをあげるFL山下昂大主将。この日1人で5トライの大活躍。

■  2011/9/24 早稲田大 129-0 成蹊大 @松本平広域公園 【写真館】

長野・松本平での成蹊大との対戦は開始早々こそハンドリングが乱れてリズムを掴めないものの7分、ペナルティからのゴール前ラインアウトモールを押し込んで先制すると猛攻開始。16分、右ラインアウトからHO高家崇徳がクサビを打ち込みFW陣でタテ、タテ、タテと執拗に攻め立て防御を後退させると一転BK展開、最後はCTB藤近紘二郎がカットインして中央にトライ。18分、キックオフからBK展開、CTB藤近紘二郎が抜け出し最後はWTB原田季郎が相手をハンドオフで突き放してノーホイッスルトライ(WTB原田はこの日5トライの大活躍!)。更に23分、25分(ノーホイッスル)、28分(ノーホイッスル)、32分、36分、40分とトライを追加、前半だけで9トライ、63-0とリードして折り返す。後半に入ってもディフェンスは好プレッシャーをかけ、スクラムは圧倒、成蹊に付け入るスキを与えず前半同様のトライラッシュ。8分、11分、14分、15分(ノーホイッスル)、20分と畳み掛けるとこの後迎えたこの日唯一のピンチ(自陣ゴール前の攻防)も凌ぎきり、30分過ぎからラストスパート。31分、ペナルティから速攻でWTB原田季郎がトライをあげると34分、36分、38分、40分と怒涛の4連続ノーホイッスルトライ。終わってみれば後半は前半を上回る10トライ、WTB原田季郎は13本目まで連続してコンバージョンを決めるなど大勝に花を添えて129-0で圧勝した。
▲ 後半40分、猛攻を締めくくるダメ押しトライはノーホイッスルで決めるWTB原田季郎

■  2011/9/10 早稲田大 69-12 青山学院大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

対抗戦開幕。秩父宮で青山学院大と対戦したワセダは開始12分、相手の中途半端なキックからWTB原田季郎がカウンターアタック、FW(LO土屋鷹一郎→FL金正奎)で左タッチライン際を前進して最後は再びWTB原田季郎。このトライを皮切りにワセダは一気のペースアップ。相手ディフェンスに休む時間を与えず、対応が遅れたスキを次々に突いてゲインを重ねるとFL山下昂大主将、FL金正奎らがしっかりとサポートについてインゴールを陥れる。また真夏のような暑さにも自陣からの展開ラグビーを貫き通して、32分、35分と一気にトライまで持っていくなど47-0とリードを広げる。後半に入っても3分、8分、36分とWTB中隆彰の3連続トライで得点を重ねると(8分のトライはSO吉井耕平のキックパスが流れてタッチを割りそうなボールを足にかけてでグラウンドに残したところをインゴールギリギリで抑えたスーパートライ!)、ロスタイムにもペナルティから仕掛けて最後はWTB原田季郎がタックルをモノともせずに跳ね除けてダメ押しのトライ。攻撃では69点を奪うものの、ディフェンスでは前半40分と後半29分とそれぞれ青山学院大のFWにゴール前で押し込まれて失トライ。低く鋭く突き刺さったCTB下平泰生、WTB中隆彰らの好タックルが光ったBK陣とは対照的にFWの近場のディフェンスにおいては課題を残した開幕戦となった。
▲ 前半、相手をひきずりながら前進するFL金正奎。2年目、もはやFW陣に欠かせぬ存在。

■  2/6 早稲田大 43-66 NTTドコモ @秩父宮ラグビー場 【写真館】

最終決戦の舞台、日本選手権が開幕。トップチャレンジを制したNTTドコモと対戦したワセダはキックオフボールをキャッチすると自陣から強気に仕掛け、決意を感じさせる試合の入りを見せる。先制PGを許した直後の5分、右ラインアウトモールから左へ右へボールを動かすとCTB村田大志が裏に抜け出ながらNo.8有田隆平に絶妙のパス、有田がそのまま右中間に飛び込み逆転に成功する。ドコモの接点の強さにディフェンスが後手後手に回る苦しい展開でトライを重ねられるも、ワセダも速いテンポのアタックで応戦。前半15分、ラックから逆目に攻めHO伊藤平一郎の突進でゴール前に迫るとSO山中亮平がディフェンスの間を割って入りトライ。31分にはSO山中亮平のリバースパスをタイミング良く走り込んだWTB中濱寛造が受けて突破、追走してくる相手を得意のハンドオフで突き放して独走トライと取られてはすぐに取り返し、シーソーゲームに。しかし学生相手では経験し得ない腕力の強さで度々ボールをもぎ取られてターンオーバーが目立ち始めると33分、37分と連続トライを献上、19-31と突き放されて前半を折り返す。後半に入るとスピードで上回るワセダが猛追撃、13分ラインアウトからのクイックスローで相手の意表を突くとLO岩井哲史が持ち前の脚力で走り切ってトライ。17分、CTB坂井克行のブレイクからCTB村田大志へ繋いで左サイドを敵陣深く攻め入るとSO山中亮平が右に大きく拓けたスペースへキックパス、途中出場のWTB原田季郎がこれを拾ってトライ。24分、右ラインアウトから繋いでCTB村田大志が抜け出たところをサポートしたFB井口剛志がトライ…と3連続トライで43-45と迫ると秩父宮の盛り上がりは最高潮。一気に逆転…といきたいところだったが直後の26分、ドコモFWの圧力に再び屈して逆に点差を広げられると30分、35分と畳み掛けられて万事休す。66失点が重く響いての初戦敗退も、果敢に攻め続けての見所満載の7トライに…ゴールデンエイジとして下級生時代からワセダを支えた4年生に…秩父宮に詰め掛けたファンから温かな拍手が送られた。
▲ 
後半、一瞬のスピードで抜け出てトライを演出するCTB村田大志

■  1/9 早稲田大 12-17 帝京大 @国立競技場 【写真館】

大学選手権決勝、開始から帝京の力強い前進に食い込まれジリジリと自陣へと下げられる。強力FWに意識が行ったところで展開…と巧みな帝京のアタックにディフェンスの的を絞りきれないまま6分に先制トライを許すと12分、18分とペナルティゴールを重ねられて0-11とリードを広げられる。ワセダの反撃はFB井口剛志のカウンターから(この日もキレ味鋭いステップワークでゲイン連発!)。一気の前進でこの日初めてディフェンスを崩すと、ペナルティを挟んでSO山中亮平とのクロスで再びFB井口剛志が抜け出してポスト左にトライ、反撃に転じる。更に33分自陣からCTB坂井克行がビッグゲイン、ロスタイムにもFB井口剛志がビッグゲインとチャンスを作ったもののここは生かしきれず結局7-11で前半を折り返す。後半に入ると劣勢だったブレイクダウンに加えて、スクラム、ラインアウトが崩壊…特にスクラムは再三ヘッドアップの反則を取られて攻撃の起点を失う。11分、20分と帝京にペナルティゴールを許して7-17、帝京の徹底した密集近くのボールキープに成すすべなく時間だけが奪われていく。後半36分にペナルティから仕掛けてSO山中亮平-WTB中濱寛造のホットラインから中濱が個人技で抜け出してトライ、12-17に詰め寄るものの残された時間はあまりにも少なく…。自陣から必死に繋いで打開を図るものの帝京の分厚いディフェンスの前に自陣ゴール前を脱出できず、逆に最後はこの試合を象徴するかのようなブレイクダウンで圧力を受けてターンオーバーで万事休す。2年連続で帝京の前に屈して、”荒ぶる”にあと一歩届かず、有田組の挑戦が終わった。
▲ 
後半36分、左タッチライン際を抜け出して追撃のトライをあげるWTB中濱寛造


■  1/2 早稲田大 74-10 明治大 @国立競技場 【写真館】

正月の早明戦、開始からメイジの猛攻を耐える形となるものの再三のビッグヒットで相手の攻撃を寸断する。迎えた17分、ペナルティからSH榎本光祐が素早くリスタート→CTB村田大志が裏に抜け出て片手バックハンドでラストパス→WTB中濱寛造がタッチライン際を走り切って左隅に飛び込み先制する。16分の正面PGを外した直後だっただけに価値ある先制トライで勢いづくと26分、キックカウンターを起点にSO山中亮平-FB井口剛志のホットラインでミスマッチを攻略、そのまま抜け出たFB井口剛志が走り切って10-0とリードを奪う。31分に相手の得意とするラインアウトモールからトライを献上(認定トライ)するも、直後の34分、再びカウンターからラックを重ねて絶好調のWTB中濱寛造がゲイン、PR垣永真之介→LO岩井哲史と繋いでノーホイッスルトライ、試合の主導権は渡さないまま前半を15-10で折り返す。勝負の後半は入りから畳み掛ける。1分、この日冴えたSO山中亮平のハイパントからFL山下昂大が好捕、大きく左に振ってゲインするとペナルティを挟んで最後はFB井口剛志が裏に抜け出ながら絶妙のラストパス、WTB中隆彰が走り切って先手を奪う。7分、キックカウンターからCTB坂井克行が素晴らしいスピードでディフェンスを切り裂き独走トライ。10分、ターンオーバーを起点にSO山中亮平のリターンパスにFB井口剛志が反応して鮮やかにブレイク、サポートについたLO岩井哲史が追いすがるディフェンスを振り切ってトライ、36-10と一気に点差を広げる。この後も相手の主力が次々と負傷退場し、本職でない選手がBKラインに居並ぶスキを見逃さずに12分、18分、22分、27分、31分、33分と怒涛のトライラッシュ。ディフェンスでもNo.8有田隆平主将を中心によく前に出て相手にプレッシャーを与え続けて後半は完封、終わってみれば74-10の大差でライバル・メイジを圧倒、2年ぶりの”荒ぶる”へあと一つ。
▲ 
前半17分、頼れる男がこの日も躍動、貴重な先制トライをあげるWTB中濱寛造

■  12/26 早稲田大 62-12 関西学院大 @瑞穂ラグビー場 【写真館】

大学選手権2回戦、名古屋・瑞穂で関西学院と対戦したワセダは12分、中央スクラムから一次攻撃でCTB村田大志が抜け出し、そのまま独走トライをあげて先制する。18分に同点とされるものの27分、ペナルティ→ハリー、ペナルティ→ハリーと攻め続けて最後はFB井口剛志がトライ(魅惑のステップワーク!)、勝ち越しに成功する。更に33分、右ラインアウトからBKを順にまわしてWTB中濱寛造が左サイドをゲイン、蹴りこんだボールを自ら競り合いを制してインゴールで抑えてトライ、38分にもカウンターアタック→CTB村田大志が抜け→WTB中濱寛造で仕留め…と連続トライして24-7とリードして前半を折り返す。後半に入って立ち上がりにトライを奪われるものの6分、カウンターからラックを連取して最後は狭いスペースで相手をひきつけたSO山中亮平のラストパスをWTB中濱寛造が受けて中央突破、トライをあげると19分にも相手ノックオンから切り返してWTB中濱寛造がハンドオフ一閃で独走トライ(WTB中濱寛造は圧倒的存在感で一人で4トライの大活躍!)。更にスクラムが圧倒し始めた後半は相手スクラムにプレッシャーをかけて34分、37分とトライを奪うなど終盤に4トライを追加して62-12で快勝。しかし、奪われた2本のトライはいずれも自陣ペナルティ→ラインアウトモールの形からで今後の大型FW擁する明治、帝京、東海との対戦を前に課題も残した。
▲ 
後半6分、ディフェンスをハンドオフで突き放してトライをあげるWTB中濱寛造。一人で4トライの荒稼ぎ。

■  12/19 早稲田大  94-7 大阪体育大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

大学選手権1回戦、関西リーグ4位の大体大と対戦したワセダは開始57秒、CTB村田大志にパスが渡ったところを煽られていきなりペナルティを犯す。続くラインアウトアタックから接点で食い込まれて徐々に後退すると、3分大体大に混戦を潜り込まれて先制トライを与える。試合の入りを制されたワセダであったが、自力の差は明らか。直後の6分、クイックスローからグラウンド横幅いっぱいに使ってCTB坂井克行が右隅にトライ、更に9分左ラインアウトモールからFL中村拓樹が抜け出して左隅にトライ、逆転に成功する。この後もペナルティからハリー、スクラムトライ、ターンオーバーから逆襲と自在のアタックで前半だけで4トライを追加、38-7で折り返す。後半に入っても5分、FB井口剛志が自陣ゴール前から豪快に切り返して起点を作り、CTB村田大志がチャンスを広げ、最後はWTB中隆彰が仕留めて先手を奪う。更に9分、11分、16分、18分、23分、25分、27分、34分とコンスタントにトライを追加、両CTB坂井克行、村田大志に加えてFL山下昂大、WTB中濱寛造らが面白いようにゲインを切ってチャンスを作り出す。途中、SH西橋勇人が負傷退場し田邊秀樹が急遽SHを努める場面もあったものの攻撃のペースは落ちる事なく、最後まで攻め続ける展開。ダメ押しは39分、カウンターから繋いで最後はSO山中亮平-SH田邊秀樹-HO須藤拓輝と渡って後半だけで10コ目のトライを記録、94-7で圧勝した。
▲ 
後半23分、相手ディフェンスを引き摺りながらトライをあげるNo.8有田隆平主将

■  12/5 早稲田大 31-15 明治大 @国立競技場 【写真館】

伝統の早明戦、メイジの復活もあり久々に大観衆で埋め尽くされた一戦は開始から自陣ゴールラインを背負った苦しい立ち上がり。しかし、ショートサイドを押さえ込み、スクラムをことごとく跳ね返し続けて迎えた18分、相手SHが孤立したところをついにFL山下昂大がターンオーバー、ピンチを脱する。21分、ペナルティからSH西橋勇人-FL山下昂大でビッグゲイン、この試合最初のチャンスで流れを引き寄せると23分カウンターからWTB中濱寛造(4人抜き!)-CTB村田大志-CTB坂井克行と繋いで先制する。PGを返された後の33分にも再びWTB中濱寛造のカウンター(左タッチライン際を仕掛け)、No.8有田隆平主将でタテ、SO山中亮平でタテとメイジのディフェンスを崩すと最後は大外をCTB坂井克行が走りきってトライ(右タッチライン際を仕留め)、37分にもSO山中亮平の40mを越えるPGで着々と加点、17-3で前半を折り返す(終了間際の自陣ゴールライン間際の攻防を凌いだのも結果的に大きく…)。後半立ち上がり、ペナルティが続いて自陣深く押し込められると9分ついにメイジにこの試合初トライを献上する。メイジに傾きかけた流れを再び引き戻すビューティフルトライは16分。スクラムからCTBクラッシュ、No.8有田隆平主将、HO伊藤平一郎とFWでタテ、タテと順目に突いたところから、一気に逆に振って最後はFB井口剛志(絶妙ラストパス)-WTB中隆彰でトライ。更に33分にもラインアウトモールから密集サイドをFL山下昂大が潜り込んでダメ押しトライ、メイジの反撃をロスタイムの1トライに抑えて31-15で快勝した(安定したスクラムとともに相手に絡み続けたラインアウトも大きな勝因に…)。全勝のメイジを倒して早慶明が1敗で並ぶ展開も、当該チームの得失点差が最後にモノを言って対抗戦1位が決定、第一シードとしていよいよ「荒ぶる」をかけた大学選手権に挑む。
▲ 
前半33分、ライン際でディフェンスを振り切ってトライをあげるCTB坂井克行。前半の2つのトライは流れを確実に呼び込んだ。

■  11/23 早稲田大 8-10 慶應義塾大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

満員の秩父宮で行われた伝統の早慶戦、開始4分中央PGをSO山中亮平が決めて先制する。開始から密集周辺の攻防で互いのプライドが激しくぶつかり合う試合は13分、CTB坂井克行のブレイク→ゴール前SO山中亮平が突っ込むもインゴールで慶応ディフェンスに絡まれノックオン…。16分、中央PG失敗と続けて得点チャンスを逸すると、自陣からでもボールを大きく動かしてくる慶応のアタックに対応が遅れた所でペナルティ、23分同点のPGを決められる。この後もFB井口剛志、CTB村田大志らがビッグゲインを見せて慶応陣で試合を優位に進めるものの慶応の激しいディフェンスの前にあと一歩のところでゴールラインに届かず(28分にはペナルティ→大外展開でWTB中濱寛造がインゴールに飛び込むもここもノックオン…)、結局3-3の同点で前半を折り返す。後半に入ってもワセダの攻勢は変わらず(後半7分にはHO伊藤平一郎の幻のトライも…)も、12分、逆に慶応のアタックのスピードに翻弄されてこの試合初トライを許してしまう。それでも18分、カウンターからSO山中亮平がタッチライン際を快走すると、パスが相手選手にあたってこぼれたところをLO岩井哲史が拾い左隅にトライ、8-10とすぐさま点差を詰める。この後も慶応ディフェンスをこじ開けようと必死の猛攻を仕掛けるものの壁は厚く(30分には中央PGのチャンスもこれも外し…)、後半ロスタイム、敵陣スクラムからのチャンスでSO山中亮平が痛恨のノックオン…、慶応にこの後の時間を上手く過ごされてこのままノーサイドの笛。このカード10年ぶりの敗戦となった。
▲ 前半、相手タックルをかわして突進するNo.8有田隆平主将

■  11/3 早稲田大 33-14 帝京大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

対抗戦全勝対決、秩父宮に集まった大観衆が見守る中での大一番、ワセダのキックオフを帝京がいきなりノックオン。幸先よく訪れたチャンス、帝京ゴール前で猛攻を仕掛けるも、仕留めきれず…。10分を過ぎるとペナルティが重なり、次第に自陣へ。15分帝京のPG失敗に救われるも25分ラインアウトモールから帝京に先制トライを献上する。30分過ぎにも再三自陣でFWショートサイドを耐える展開を迎えるもここは粘り強く守りきると34分、SO山中亮平の好タッチキック(この日はコンバージョン含めてキックに冴え!)で迎えたラインアウトを起点に攻め、SO山中亮平-FB井口剛志のホットラインでゲイン、相手ディフェンス4人をひきつけFL中村拓樹へラストパス、その中村が追走をハンドオフで突き放して走りきり同点、前半を7-7で折り返す。後半、キックオフからいきなり回してWTB中隆彰が大外をゲイン、攻める意思を明確に示すと5分、相手帝京のアタックをタッチに押し出した次の瞬間、FB井口剛志がクイックスローから大外展開、最後はCTB坂井克行が見事なスワーブで振り切ってトライ勝ち越しに成功する。更に同点とされた後の15分、ラインアウトを起点にSO山中亮平-CTB坂井克行-WTB中濱寛造のサインプレーで防御を混乱させると、SO山中亮平の絶妙なキックパスがWTB中隆彰に通って再び勝ち越し。続く18分にも、タックル後のラックに殺到、ターンオーバーから一気の逆襲でCTB坂井克行(この日再三のゲイン、強さそしてスピードで見せまくり!)-WTB中濱寛造と繋いでトライ。この後も試合を通じて見極めの良かったブレイクダウンで再三ターンオーバーするなど帝京に攻め込まれても得点を与えず。逆に39分、相手のパスが乱れたところを途中出場のCTB田邊秀樹が拾って逆襲、FL金正奎-CTB村田大志と繋いでダメ押しのトライ。スクラム、ショートサイドディフェンス、ブレイクダウン…対帝京でポイントとなる箇所をしっかりと抑えて33-14の快勝、大きなFW相手に自信となる価値ある勝利で対抗戦開幕5連勝とした。
▲  前半34分、好フォローから追走を振り切りトライをあげるFL中村拓樹

■  10/24 早稲田大 91-3 日本体育大 @熊谷ラグビー場 【写真館】

対抗戦 折り返し地点、日本体育大と熊谷で対戦した早稲田は開始からエンジン全開。1分右ラインアウトから3列のサインプレーで起点を作りBK展開、キレイに繋がれたボールがWTB中濱寛造へ渡り左隅に先制トライ。続く10分、自陣でターンオーバーすると一気に逆襲、ラックを連取し最後はWTB飯田貴也。15分右ラインアウトからCTB坂井克行が相手タックルが甘くなったところを抜け出しトライ、18分(日体キックオフダイレクト後の)センタースクラムからSO山中亮平が仕掛け、大外へのロングパスをWTB中濱寛造が仕留めてトライ。直後の20分キックオフからCTB坂井克行が仕掛けブレイク、WTB中濱寛造が相手WTBをハンドオフで突き放してノーホイッスルトライと一気に畳み掛けて完全に試合の主導権を握る。しかしこの後、試合を通じて終始優位に立っていたスクラムで再三ボールを奪い攻め込みながらも、スローフォワード、ノックオン、ラインアウトでのノットストレート、ペナルティ…と攻撃権を手放して、逆に42分日体にペナルティゴールを与えて前半終了、20分を分岐点に全く別の展開となり、試合の入りからするとやや物足りない29-3のスコアで前半を折り返す。後半に入り開始3分、No.8有田隆平主将のブレイク(この日は再三の突破で抜群の存在感!)から一気にゴール前まで攻め込むと、ゴール前スクラムからSO山中亮平が得意のゴール前5mを制してトライ、猛攻の口火を切る。8分、相手ボールスクラムにプレッシャーをかけてターンオーバー、CTB坂井克行が悠々とインゴールを陥れると、11分ペナルティから繋いでNo.8有田隆平主将。15分WTB中濱寛造が自らけりこんだボールをインゴールで抑えてトライ。19分No.8有田隆平主将のブレイクから最後はSO山中亮平。27分、日体のパスミスがすっぽりとSO山中亮平の胸に入って独走。31分中央スクラムから8単でNo.8有田隆平が爆走と着々と加点。怒涛のトライラッシュは続き、34分、36分と連続してノーホイッスルトライ(CTB村田大志、SO山中亮平)で畳み掛けると締めはNo.8有田隆平主将。ゴール前スクラムからややスクラムが押されかかるも、持ち直してそのままインゴールへ、後半だけで10トライの猛攻を締めくくり91-3と大勝、開幕4連勝としていよいよ終盤戦、上位校との全勝対決に突入する。
▲  後半31分、スクラムからの8単、最後は相手FBをかわしてトライをあげるNo.8有田隆平主将

■  10/2 早稲田大 34-26 筑波大 @熊谷ラグビー場 【写真館】

対抗戦・筑波大と昨年に引き続き熊谷で対戦した早稲田は、スクラムでいきなりのターンオーバーを見せるなど幸先の良いスタート。8分には左ラインアウトモールを起点にCTB坂井克行が内に返したパスにWTB中濱寛造が走りこむサインプレーで相手防御を混乱させ、最後はSO山中亮平がディフェンスを振りほどいて先制トライ。しかし次第にコンタクトの局面でのノックオン…接点での相手の圧力を受けてのターンオーバー…とボール支配率が落ち始めると、16分、23分といずれもターンオーバーを起点に一気の逆襲を食らいタテ続けにトライを献上、26分にはLO岩井哲史がシンビン、ペナルティを得ても速攻なくキック…と”らしくない”時間が続く。更にロスタイムにもトライを与えて8-21と点差を広げられる何とも重苦しい展開でハーフタイムを迎える。勝負の後半、7分にペナルティからFW陣が仕掛けてチャンスメイクをすると、ラック連取から最後はCTB村田大志。いつものスタイルで、早い時間帯に反撃の狼煙を打ち上げると後半15分、SO山中亮平の(ペナルティからの)超ロングキックで一気に敵陣深くまで侵入、ラインアウトモールを起点にSO山中亮平が強く楔を打ち込むと最後はWTB中濱寛造、ゴールも決まってついに22-21と逆転に成功する。完全に勢いに乗った早稲田は22分(スクラムをホイールして得た)マイボールスクラムから右へ左へ揺さぶって最後はWTB中隆彰がトライ、25分にも相手のミスキックからカウンターを仕掛けてFB井口剛志のディフェンスを一身に引き付けた絶妙のシザースから最後は再びWTB中隆彰。相手FBとの1対1を鮮やかに制してダメ押しの連続トライ、この後1トライを返されるものの34-26で逃げ切り、開幕3連勝。前半13点ビハインドと苦しい試合展開だっただけに試合後のフィフティーンに笑顔はなく、反省の表情が並んでいた。
▲  前半8分、ゴール前で自ら仕掛けて先制トライをあげるSO山中亮平

■  9/25 早稲田大 88-0 成蹊大 @上柚木陸上競技場 【写真館】

対抗戦2戦目、成蹊大と上柚木陸上競技場で対戦したワセダは序盤からエンジン全開。キックオフボールをノックオンするものの直後のスクラムでボールを奪い返す(スクラムは試合を通じて圧倒、相手にプレッシャーをかけ続けた…)とそこからラック連取、SO山中亮平が抜け出して先制する。8分にも相手ゴール前スクラムにプレッシャー、相手の球出しが乱れたところをLO岩井哲史が抑えてトライ、13分にもPR垣永真之介のブレイクを突破口に最後はWTB中隆彰がトライ。この後もSO山中亮平がいつも以上に積極的に仕掛けてはブレイク、BK陣が縦横無尽に走り回ってトライを量産(22分CTB村田大志、28分WTB中濱寛造、31分、36分とWTB中隆彰)、前半を41-0として折り返す。後半に入ってもペースは衰えず、3分またもスクラムでプレッシャーをかけてこぼれ球を拾ったところから攻め立ててラックサイドをSH榎本光祐-WTB中濱寛造と繋いで攻略(SH榎本光祐のバックフリップパスがキラリ!)すると、13分自陣からBKで仕掛けてWTB中濱寛造のビッグゲイン→サポートのCTB村田大志。15分、キックオフからCTB坂井克行が抜群のスピードで抜け出て独走のノーホイッスルトライ。この後も22分(ラインアウトモール)、28分(SO山中亮平)、36分(CTB宮澤正利)とトライを積み重ねると39分SO山中亮平のリターンパスに反応したWTB中隆彰が抜け出し、自身この日4コ目となるトライでダメ押し前後半あわせて14トライの猛攻、またディフェンスでも成蹊のワイド展開に時折ヒヤリとさせられる場面こそあれど落ち着いて対応、完封勝利を飾った。
▲  前半2分、猛攻の口火を切る先制トライをあげるSO山中亮平。積極的な仕掛けでチームを牽引。

■ 9/12 早稲田大 64-8 立教大  @秩父宮ラグビー場 【写真館】

対抗戦開幕、緒戦で立教大と対戦したワセダは序盤苦戦。立教の出足の良いタックルの餌食になり攻め込みながらも次々に襲い掛かってくる立教ディフェンスの前に逆に後退…そして迎えた12分、ワセダは自陣でのペナルティからPGを決められて先制点を献上する。ようやくの反撃開始は15分を過ぎてから。16分、ペナルティからクイックスタート、ラックを挟んでWTB中隆彰が右隅に飛び込んで逆転。26分相手ラインアウトをターンオーバー(この日のラインアウトはLO中田英里が大奮闘、再三のターンオーバー!)するとモールで相手FWを引き寄せてからBK展開、最後は再びWTB中隆彰が抜けてトライ、新エースの連続トライで流れを呼び込んだワセダは33分、ペナルティ→右ラインアウトモールでプレッシャー→最後はBKで仕留め(CTB宮澤正利)。37分、ラインアウトでのターンオーバー→ラック連取→近場をNO.8有田隆平主将がトライ。41分、ペナルティクイックスタート→SO山中亮平のリターンパス→反応したNO.8有田隆平主将がトライ…5連続トライと畳み掛けて前半を31-3で折り返す。後半に入り9分、カウンターから繋いでWTB中隆彰がゲイン、最後はフォローのFL金正奎が(公式戦)初アカクロ初トライを記録。13分、ポッカリと空いたラックサイドをHO伊藤平一郎。15分ペナルティリスタートから最後はFB飯田貴也→FL金正奎。怒涛のトライラッシュで立教を突き放すと28分(ゴール前ラックサイドをSH西田剛)、36分(右ラインアウトからラック重ねNO.8有田隆平主将)と更にトライを重ねてダメ押し、64-8と点数としては大差がついたものの、相手の高い集中力もあって試合は80分間壊れなかった。
▲  後半、ラックサイドを抜け出すNO.8有田隆平主将。破壊力のあるランでディフェンスを蹴散らした。

■  4/18 全早稲田大 52-45 全明治大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

全早慶明対抗最終戦はタテの明治、ヨコの早稲田、両校の持ち味がぶつかり合う展開。立ち上がり2分、ペナルティから明治FWのタテ、タテ…最後もHO→PRと繋がれてトライを献上すると、6分にもゴール前スクラムから相手8単を起点にFWで押し込まれて連続トライ、強烈な先制パンチを食らう。早稲田もリアクションの速さで対抗、12分にペナルティから素早く仕掛けて最後はWTB原田季郎がディフェンスを切り裂きトライ、この後も右に左に大きくボールを動かし次第に早稲田ペース。エリアの取り合いでも次第に優位に立ち始め、流れに乗るかと思われた24分、痛恨のインターセプトから一気に切り返されると30分にもトライを献上、7-24と逆に点差を広げられる。それでも明治のペナルティの多さに付け込んで再び敵陣に侵入すると、36分ペナルティからゴール前スクラムを選択、8単→SO大田尾竜彦のタテ(大田尾は倒れながらも懸命の一伸びでインゴールに到達!)、40分SO大田尾竜彦のハイパント→NO.8有田隆平のキープ→CTB坂井克行のスピードで連続トライ、19-24と点差を詰めて前半を折り返す。後半に入ると試合は壮絶な打撃戦へ…6分早稲田(ゴール前右ラインアウトモール→HO種本直人が抜け出し→NO.8有田隆平が潜り込む)、9分明治(FB井口剛志の自陣でのキックがチャージされ…)、12分早稲田(自陣からFB井口剛志が借りを返す鮮烈な独走トライ!)とこの時点で31-31。17分、そして22分、スクラム、モールと明治のFW戦に完全にやられて連続トライを献上するも、早稲田も負けじと反撃、27分相手ノックオンから切り返してこの日引退試合のFL上村康太がハンドオフ一撃。直後の29分、自陣から仕掛けてCTB今村雄太がビッグゲイン、溜まらず明治が犯したペナルティからWTB首藤甲子郎が仕掛け&仕留め、同点に追いつく。決着は38分右ラインアウトから左へ展開、左タッチライン際で出来たラックから折り返してグラウンド横幅いっぱいを一往復、NO.8有田隆平からのラストパスを受けたLO岩井哲史が走り切ってトライ、52-45で乱戦を制した。
▲  前半12分、ペナルティから速攻、反撃の狼煙となるトライをあげるWTB原田季郎

■ 4/3 全早稲田大 19-26 全慶應義塾大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

2シーズンぶりに行われた全早慶明シリーズ。初戦で全慶応と対戦した全早稲田は大田尾竜彦・矢富勇毅・五郎丸歩らヤマハ勢を中心にトップリーガーを揃えた布陣で臨んだ。序盤はラインアウトが安定せず、ペースを掴めない時間帯が続く。先制トライは20分、ゴール前スクラムからブラインドサイドで待つFB五郎丸歩へ。残り5メートルをパワー勝負で制するとタッチライン際で左手を目いっぱい伸ばしてトライ。24分にトライを返され逆転を許すものの、29分ラック連取から最後は右WTB中濱寛造が左へと回り込み左中間に逆転のトライ。早稲田は繋ぎの局面でミスを連発しながらも、慶応もあと1本のラストパスが乱れるなどお付き合い、12-7とリードして前半を折り返す。後半に入ると2分ラインアウトでのサインプレーから、8分カウンターアタックから、タテ続けにトライを献上する苦しい立ち上がり。この後もペナルティを連発し、なかなか自陣から脱出できない早稲田であったが、26分慶応陣での相手スクラムからのキックをFL吉上耕平がチャージ、そのままマイボールとすると間髪入れずに左へ大きく展開、ロングパスを受けたWTB首藤甲子郎がフリーとなって同点トライをあげる。最年長プレーヤーの勇気あるビッグプレーで悪い流れを脱するかに思われたが勝負のラスト10分、慶応に自陣から繋がれてゴール前まで攻め込まれるとペナルティから速攻を仕掛けられて決勝トライ…19-26で初戦を落とした。
▲ 先制トライをあげるなど攻撃の核となったFB五郎丸歩。試合後のファンクションでもファンがサインに長い列を作るなど相変わらずの人気ぶり。

■  12/27 早稲田大 20-31 帝京大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

大学選手権2回戦にして大一番、帝京との一戦に臨んだ早稲田は開始から積極的に仕掛けて(特にWTB早田健二主将は決意を十分に感じる思い切りの良いランを連発!)自らのリズムでゲームを動かす。8分、28分とトライを献上しスコア上は先行されるものの、14分にWTB早田健二主将のビッグゲインで敵陣深く進入、相手がたまらず犯したペナルティをFB飯田貴也のPGで得点に結びつけると32分、相手ゴール前左ラインアウトモールを電車道で押し込んでFL山下昂大がトライ(FW陣、会心のガッツポーズ!)。更には直後のキックオフ、SO山中亮平の蹴り上げたハイパントの落下地点に猛然とラッシュ、密集で帝京のペナルティを誘って再びFB飯田貴也のPGで逆転に成功、13-12とリードして前半を折り返す。後半立ち上がり早々の3分、相手陣中央スクラムから右へ左へ…、出来たミスマッチをSO山中亮平が突いてディフェンス裏に抜け出るとPR上田竜太郎にラストパス、そのままPR上田竜太郎が一直線にポスト真下に駆け込んでトライ、20-12とリードを広げる。ここで波に乗りたい早稲田であったが、直後のキックオフへの対応がの乱れ、自陣深くに押し込められると6分帝京FLツイのパワーに屈してトライを献上、すかさず点差をつめられる。この後の勝負の時間帯、中盤の攻防で早稲田がペナルティ→自陣深くへ…の繰り返し、対帝京で最も警戒していた悪い流れに陥り18分、36分とトライを献上(20-31)。ロスタイムに入りようやく帝京陣で連続攻撃を仕掛けるものの反撃既に遅し…ゴールラインは遠く、早田組の終焉を告げるノーサイドの笛が無常にも響いた。
▲  前半、思い切りの良いランで再三秩父宮を沸かせたWTB早田健二主将

■  12/13 早稲田大B 7-3 帝京大B @秩父宮ラグビー場 【写真館】

Jr選手権決勝、1stフェーズの対戦で敗れた帝京大とのリベンジマッチ、前半11分に自陣ラックでターンオーバーを許し、たまらず犯したペナルティから先制PGを与えてしまう。この後も帝京戦恒例(?)の蹴り合いの展開となり、相手のペースでの試合となりながらもFB飯田貴也、LO星野泰佑らが落ち着いてキック処理、帝京のダイレクトタッチにも助けられ帝京を自陣深くには招き入れない。前半25分過ぎから帝京がカウンターから仕掛けるようになり、ややディフェンスが乱れるものの得点は与えず0-3で前半を折り返す。後半に入ると、早稲田はテンポ良くパスを紡ぎ始め、途中出場のFB井口剛志のカウンター、CTB内山竜輔のブレイクなどで敵陣に侵入するも、決定打を欠き重苦しい展開。後半20分には自陣ゴール前、相手を得点圏内に招き入れてしまうこの試合最大のピンチ、それでも3度のスクラム組み直しを何とか耐え切ってSH櫻井朋広がターンオーバーに成功、自陣を脱する。迎えた26分、ハイパントのこぼれ球をCTB内山竜輔が拾ってラック、ここでの相手ペナルティから素早く仕掛けて最後はSH櫻井朋広からパスを受けたLO岩井哲史が独走トライ、コンバージョンも決まって7-3と逆転に成功する。この後、リザーブの4年生を次々に投入、チームは落ち着いて時間コントロール、約3分のロスタイムの後、最後はSO吉井耕平がタッチに蹴りだしてノーサイド。1stフェーズのリベンジを果たし、一足早くBチームが3連覇達成した。
▲ 後半26分、相手ディフェンスの一瞬のスキを突いて独走、逆転トライをあげるLO岩井哲史

■  12/6 早稲田大 16-14 明治大 @国立競技場 【写真館】

伝統の早明戦、立ち上がりは明治のハイパント後のラッシュに激しく倒されるなど相手の勢いをまともに受ける展開。6分、22mライン外側のラインアウトモールから一気に電車道でモールを押し切られて先制を許すとこの後も明治とのキック合戦にお付き合いして、試合のテンポをあげられない。早稲田がペースをつかんだのは15分過ぎ、明治陣で連続攻撃を仕掛ける。しかしこの時間帯の激しい攻防でFWの要、HO有田隆平を失うとこの後、ラインアウトを立て続けに確保失敗。28分には明治の鮮やかな左右の揺さぶりに屈してトライを献上、難しいコンバージョンも確実に決められて国立の雰囲気は明治一色に。早稲田も30分過ぎから明治陣に居座り続けるものの得点は39分のSO山中亮平のPG1つのみ、3-14と劣勢のまま前半を折り返す(43分には痛恨のPG失敗…)。後半立ち上がりの4分にテンポの良いアタックで明治のペナルティを誘うとFB飯田貴也がPGを決めて6-14と詰め寄る。更に8分、9分、13分とタテ続けに相手の起点を潰してターンオーバー、流れを引き寄せると19分、左ラインアウトを起点とした連続攻撃から左右に大きく振ると、最後は右サイドに回りこんだWTB中濱寛造が右中間についにこの試合初トライ、完全に明治を射程圏内に捕らえると、30分、負傷のLO中田英里に替わって入った途中出場のLO星野泰佑のビッグゲインを起点にPR瀧澤直がタッチライン際をゴールライン目前まで迫り残したボールをSH櫻井朋広が拾い上げて逆転トライ。この後、ペナルティひとつ許されない自陣でのディフェンスを凌ぎきってノーサイドの笛。主力選手が試合前、試合中に次々とケガで離脱する中、層の分厚さ、精神的タフさを見せ付けて逆転勝利、2年ぶりの対抗戦優勝を飾った。
▲ 後半、約30mのビッグゲイン、逆転トライに繋がる爆走でヒーローとなった途中出場のLO星野泰佑

■  11/23 早稲田大 20-20 慶應義塾大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

伝統の一戦・早慶戦が満員の秩父宮ラグビー場で行われた。4分、ハイパントをクリーンキャッチしたCTB村田大志の前進から敵陣に攻め入ると相手のペナルティで確実にショットを選択、手堅く先制する。6分、慶應のカウンターアタックからグラウンド一杯にワイドに左右に振られて逆転トライを許すと、11分慶應、13分早稲田とPGを一つずつ決めて迎えた16分、再びカウンターからキレイに繋がれてトライを献上、6-13とリードを広げられる。キック処理にお付き合いしペースアップできず…(23分の相手との接触で)FB田邊秀樹が負傷交替…と悪い流れの中、それでも33分、ハイパントでの相手キック処理のもたつきの隙を見逃さず、FL中村拓樹がマイボールにすると、左へ素早く展開、SO村田賢史から大外のFL山下昂大へとパスが通ってチーム初トライ、難しい角度のコンバージョンもCTB坂井克行が決めて同点として前半を折り返す。後半に入ると8分、慶應のディフェンス裏へのキックが慶應にラッキーバウンドとなりトライを献上、再び追いかける展開に。早稲田も20分過ぎから再三敵陣ゴール前ラインアウトから(この日有効な攻撃オプションとなっていた)モールに持ち込もうとするも、慶應にスチールされチャンスを逸する。25分過ぎから再び敵陣ゴール前ラインアウトモールで攻め立てるも慶應のペナルティ覚悟の激しい抵抗にあい時間だけが過ぎていく。(30分にはスクラムを起点に途中出場のSO山中亮平が体格を生かしてインゴールに雪崩れ込むもグラウンディングできず…。)それでも土壇場の36分、左ラインアウトモールから十分にプレッシャーをかけ最後はSH櫻井朋広-SO山中亮平でポスト右にトライ、ついに同点に追いつく。この後も終始慶應陣で試合を進めたもののゴールラインには届かず結局このままノーサイドの笛。後半は圧倒的に敵陣で過ごしながらもあと一歩ゴールラインに届かず…春の対戦に続き、再び痛み分けに終わった。
▲ 後半終了間際、相手の激しいタックルを浴びながらも前進するNo.8大島佐利

■  11/7 早稲田大 82-0 日本体育大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

対抗戦 ・日本体育大戦、開始2分右ラインアウトモールを起点にNo.8大島佐利がクラッシュ→テンポ良く左に展開してWTB中濱寛造であっさりと先制する。続く7分、左スクラムから右へ展開、BKを一人ずつ経由したボールは、FB田邊秀樹からフリーのWTB早田健二主将へと繋がれトライ。BK陣が一次攻撃でそつなく連続トライして試合の流れを引き寄せると22分、FB田邊秀樹がカウンターから左サイドをビッグゲイン、FL山下昂大が続き中央ラックから右に振った時点で勝負あり(秩父宮の観客からも感嘆のタメ息!)、WTB早田健二主将がインゴールを陥れると25分にもキックオフから仕掛けてWTB中濱寛造がビッグゲイン、逆サイドにワイドに振ってまたもWTB早田健二主将がノーホイッスルトライと畳み掛ける。この後も33分、ターンオーバーからラックサイドをSO村田賢史が抜けてトライ、37分右ラインアウトモールを押し込んでトライ(HO有田隆平)と前半だけで6トライ40-0で折り返す。後半立ち上がり、ハンドリングエラーなど細かなミスが続き、自陣で過ごす時間が増えるものの、自陣からでも攻める姿勢は失わず。9分、自陣FKから仕掛けてWTB中濱寛造が独走→最後はフォローのCTB村田大志でトライ。更に21分、敵陣ゴール前スクラムからラックを連取、最後はWTB中隆彰が公式戦初トライをあげると29分、カウンターから繋いでFL山下昂大、34分、WTB中隆彰の好タックルからLO岩井哲史、36分自陣から繋いでWTB中濱寛造、39分LO星野泰佑のキックオフリターンからWTB中隆彰と自陣から、ディフェンスから、カウンターから…積極的にゲームを動かして、82得点。ディフェンスでも全く危なげなく開幕戦以来の完封勝利、5試合で失トライ2と磐石の安定感で開幕5連勝、23日早慶戦は全勝対決となる。
▲ 前半7分、スクラムからの華麗なBKオープン攻撃でトライを取りきるWTB早田健二主将

■  10/31 早稲田大 6-3 帝京大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

対抗戦序盤戦のヤマ、帝京戦は相手のキック中心のゲームメイクにお付き合いする形を強いられて序盤は静かな立ち上がり。SO山中亮平のキックが乱れ、又不運なワンタッチが続いて、エリアを取れない時間帯が続く。均衡が破れたのは24分、右ラインアウトからSO山中亮平のリターンパス→ブラインドから顔を出したWTB早田健二主将がキレイにブレイク、一気に敵陣深く攻め込むと帝京が溜まらず犯したペナルティからFB田邊秀樹がPGを決めて先制する。しかし、この後は帝京のブレイクダウンの激しさに後手を踏み、ペナルティ、ターンオーバー、そして攻撃権こそ失わないまでもテンポを作り出せないコマ切れのアタックの繰り返し…とワセダにとっては苦しい展開。後半5分に自陣での反則からPGを決められて同点とされると、25分には自陣ゴール前での相手ボールラインアウト…相手の射程圏内に持ち込まれるこの日最大のピンチ。それでもショートサイドディフェンスを早く低いタックルで耐えしのぐと相手のキーマン・ツイの突進にFL山下昂大、FB田邊秀樹らが次々と襲い掛かってターンオーバー。絶体絶命のピンチを乗り切ると、逆に後半32分、SO山中亮平のビッグゲインで敵陣深く侵入し、攻め続けると38分ついに相手のペナルティでPGを引き出し勝ち越しに成功。この後も終始、敵陣で試合を進めると5分近くのロスタイムの後、最後はSO山中亮平がタッチに大きく蹴りだして逃げ切り勝利。昨年度の対抗戦敗戦のリベンジこそ果たしたものの、ノートライ、圧倒されたブレイクダウンと引き上げてくる選手に笑顔はなかった。
▲ 後半終了間際、外のスペースをゲインしてゴール目前まで迫るWTB中濱寛造

■ 10/17 早稲田大 50-5 筑波大 @熊谷ラグビー場 【写真館】

対抗戦3戦目、筑波大と熊谷で対戦。立ち上がり、キックを中心とした相手の組み立ての前に蹴り負け、更にペナルティ、キック処理の乱れと重なり、自陣に釘付けとなる。それでも相手の詰めの甘さに助けられてゴールラインを割らせる事なく時間だけが過ぎていく展開。均衡が破れたのは前半27分、中央スクラムから右に展開、SO山中亮平からのシザースパスを受けたCTB村田大志がブレイク、そのまま独走トライ。更に前半38分、こぼれ球のセービング(CTB村田大志)から素早く攻守のスイッチを切り替えると左サイドをWTB中濱寛造が走りきってトライ、前半を12-0で折り返す。後半に入ると一気に早稲田の流れへ。SO山中亮平の好キックで敵陣に攻め入ると4分、左ラインアウトから右にラックを連取、最後はタッチライン際をPR瀧澤直-SO山中亮平と繋いでトライ。更に10分、こぼれ球に反応したFL村木俊貴のセービングを起点に狭いサイドをWTB早田健二がゲイン、最後はサポートのSO山中亮平へと繋ぎトライ、更に直後の13分、筑波のキックオフがダイレクトとなり迎えた中央スクラムから繋いで最後はSH榎本光祐がノーホイッスルトライ、筑波を突き放しにかかる。26分、左ラインアウトからSO山中亮平が内に返すとブラインドサイドから走りこんできたWTB中濱寛造がブレイク→途中出場のFL武田佳明が走りきってトライ、31分にも左ラインアウトからFWでゴール前ラックを重ねて最後はアウトサイドCTBに回っていた中濱寛造がトライ、34分にモールから1トライを奪われ完封こそ逃したものの42分ペナルティから素早く仕掛けて最後はFB井上隼一がダメ押しのトライ、筑波のブレイクダウンの激しさに試合を通じて苦しみながらも終わってみれば50-5の大勝で開幕3連勝とした。
▲ 前半27分、重苦しいムードを吹き飛ばす快走で先制トライをあげるCTB村田大志

■ 10/4 早稲田大 94-5 立教大 @熊谷ラグビー場 【写真館】

対抗戦2戦目、熊谷で立教大と対戦した早稲田は開始2分、ゴール前右ラインアウトからモールを押し込み、最後はサイドをHO有田隆平が突いて先制トライ。続く9分、タテ続けの立教のペナルティからゴール前中央スクラムを選択、左へ右へと振って最後はWTB早田健二主将がトライ、16分にも同じくゴール前スクラムから左に振るとCTB坂井克行があっさりと抜けてトライ、着々と加点する。更に26分(SO山中亮平が抜け出てNo.8大島佐利)、31分(ペナルティから速攻でFB田邊秀樹)、37分(ゴール前ラックサイドをHO有田隆平)、39分(自陣カウンターからCTB坂井克行が独走)と4トライを追加、前半を49-0で折り返す。後半立ち上がり、単発ながらも立教にゲインを許すシーンが続くと5分に落とし穴。ラインアウトから一発でキレイに余られた形を作られてトライを献上してしまう。それでも10分過ぎから持ち直して再びペースを引き寄せると14分、スクラムターンオーバーから素早く右に振ってWTB早田健二主将がトライ。更に19分、相手ゴール前スクラムから十分にプレッシャーをかけてNo.8大島佐利が悠々とトライ、24分相手ゴール前スクラムからCTB坂井克行が起点を作ると猛然と突っ込んできたLO中田英里がトライ、更に28分(ゴール前No.8大島佐利がタテ)、35分(スクラムから順目、順目で最後は右サイドをPR和田卓也のタテ)、38分(ラインアウトからNo.8大島佐利が中央突破)、42分(WTB中隆彰のビッグゲインから外に振ってCTB村田賢史)と後半も7トライを追加、立教の低く粘り強いタックルに苦しみながらも終わってみれば14トライ94得点の猛攻で大勝した。
▲ 後半38分、一次攻撃で中央突破。この日自身4コ目のトライをあげるNo.8大島佐利

■ 9/13 早稲田大 106-0 成蹊大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

対抗戦開幕戦、成蹊大と対戦した早稲田は開始からグラウンドを広く使う展開ラグビーで成蹊を振り回しにかかると5分、相手陣ペナルティから素早く仕掛けて(ラック連取から)最後はSO山中亮平が抜け出て先制トライ。このトライで猛攻の口火を切ると8分、10分とキックオフから切り返して連続ノーホイッスルトライ(10分のトライはキックオフボールを取ったWTB中濱寛造が1人で切り返す離れ業!)と畳み掛ける。更に19分、CTB村田大志がディフェンスのギャップを突いて一発で抜け出てトライをあげると(惚れ惚れするようなランニングセンス、この日4トライ!)、23分にはラインアウトからNo.8大島佐利がタテ一閃。個人技でトライを積み重ねると25分にはラインアウトモールを電車道で押し込み、この後も2トライを追加、54-0で前半を折り返す。後半に入り1分、カウンターから繋いでFB田邊秀樹がノーホイッスルトライをあげ幸先良いスタートを切るものの、この後ペナルティ、ラインアウトでのミスが連鎖する時間帯…課題がチラリ顔を覗かせる。それでも22分、29分のSO山中亮平の連続トライ(5トライの荒稼ぎ!)で猛攻再開すると、35分、37分、39分とトライを重ねて着々と100点にスコアを近づけると、後半ロスタイムの41分相手スクラムをターンオーバーするとこの日あわせて9トライのホットライン、SO山中亮平-CTB村田大志のコンビで大台に乗せるダメ押しトライ(SO山中のキックパスにCTB村田大が反応)、ディフェンスでも単発で突破を許す場面こそあれど、決定的に崩される場面はなく106-0で圧勝スタートを切った。
▲ 前半19分、ディフェンスのギャップをスピードで振り切りトライをあげるCTB村田大志

■ 2/15 早稲田 20-59 サントリー @秩父宮ラグビー場 【写真館】

日本選手権2回戦、清宮前監督率いるサントリーと対戦した早稲田はいきなり手痛い洗礼を浴びる。開始51秒、カウンターを潰されターンオーバーを許すとワイドに振られてノーホイッスルトライ、出鼻をくじかれると7分にもPGで加点を許し、0-10のビハインドを背負う。10分、この試合終始劣勢に立たされたスクラム戦でこの試合唯一のターンオーバー、更にFB田邊秀樹のスペースを突いた有効なキックで敵陣に攻め入る機会を得ると、サントリーのハンドリングエラーも重なって何度か秩父宮を沸かせるアタックを披露、前半のうちにPGを2本返して6-24で折り返す。後半に入っても、前に出るディフェンスを嘲笑うかのようにその背後をキックで攻め立てられ(スクリュー気味のハイパントには何度となく手を焼き…)、トライを献上し点差を離される。それでも前へと出続けるは早稲田は、18分自陣でのSO山中亮平のインターセプトからチャンスを掴むとビッグゲインをフォローしたNo.8豊田将万-SH榎本光祐と繋いでトライ、更に30分にもNo.8豊田将万主将がインターセプトで独走、一人で走りきってトライと反撃と秩父宮がこの日一番の盛り上がり。それでもワセダの焦点を巧みに外すサントリーの老練な試合運びの前に20-59で完敗。整列し、いつもより長く頭を下げる豊田組にいつもより長く温かい拍手が送られた。
▲ 後半30分、思い切りの良い飛び出しから並み居るサントリーの快足BK陣を振り切ってトライをあげるNo.8豊田将万主将

■ 2/7 早稲田大 55-13 タマリバク @秩父宮ラグビー場 【写真館】

日本選手権緒戦でタマリバクラブと対戦した早稲田は選手権決勝からスタメン6人を入替えての再始動。開始2分、ゴール前ペナルティからルーキーFL山下昂大が速攻を仕掛けると、そのまま相手ディフェンスの網をくぐり抜けて先制トライ。続く8分、ゴール前中央スクラムから左を攻めてラックを重ねた後、右へ展開、No.8豊田将万主将がディフェンス網を突破してトライ、試合の主導権を握る。ラインアウトはことごとくスチール、スクラムは圧倒(25分にはスクラムトライ)、セットプレーを完全に制圧して力の差を見せ付ける一方で、20分過ぎからはペナルティ、ミスが増え自陣に押し込められる場面も。前半31分にはパスミスを相手に拾われて逆襲からトライを献上するなど、点差は離れず19-5で前半を折り返す。後半も開始から早稲田ペース。3分、SO山中亮平のディフェンス裏へのキックをCTB坂井克行が相手に競り勝ち、そのままインゴールへ持ち込むと8分、ラックから持ち出したSH櫻井朋広がビッグゲイン、CTB村田大志(前半は右WTB)-WTB中濱寛造と繋いでトライ。更に18分、ゴール前スクラムで十分にプレッシャーをかけた後、SO山中亮平が悠々インゴールへ。この後もタマリバの前に出るディフェンスに苦しみながらも、28分、36分、40分とトライを重ねて55-13でノーサイドの笛。試験期間も重なり動機付けの難しい一戦を乗り越えて、次週いよいよ清宮サントリーと激突する。
▲ 前半8分、相手ディフェンスを豪快に破ってチーム2つめのトライをあげるNo.8豊田将万主将

■ 1/10 早稲田大 20-10 帝京大 @国立競技場 【写真館】

対抗戦のリベンジマッチとなった決勝・帝京戦。序盤は早稲田にペナルティが続き、自陣での戦いを強いられ、5分先制PGを献上する。10分、自陣からWTB早田健二がこの試合初のビッグゲイン、国立を沸かせるとここから流れは早稲田へ。終始敵陣でテンポ良くボールを散らして攻め立てる。帝京の激しいディフェンスの前にトライこそ奪えないものの、30分に中央PGをFB田邊秀樹が決めて試合を振り出しに戻すと前半40分、この試合のハイライトシーンへ。ゴール前帝京ペナルティでスクラムを選択すると、シンビンで相手防御が薄くなったスクラムサイドをNo.8豊田将万主将が8単で抜け出してついに帝京インゴールを陥れる。対抗戦から再三跳ね返されてきたゴール前スクラムがようやく得点に繋がり、最高の形で前半を折り返す。風下の後半、自陣から積極的に仕掛けてWTB早田健二、No.8豊田将万主将らがビッグゲイン、試合を早稲田のテンポで進めると、20分ハイタックルで得たPGをFB田邊秀樹がキッチリと決めて、得点を刻むと23分、ラインアウトを起点にFWで仕掛け、最後はラックサイドをNo.8豊田将万がボールを拾い上げて突破、そのまま相手ディフェンスを引きずりながらトライ、”荒ぶる”をグッと引き寄せると、30分過ぎからの帝京の捨て身のアタックの前に1トライこそ献上するものの、20-10で迎えた40分、ターンオーバーしたボールをSO山中亮平がタッチに蹴りだして、この瞬間にノーサイドの笛。対抗戦2敗から這い上がった豊田組、歓喜の”荒ぶる”が国立の青空に吸い込まれた。

▲ 
前半40分、スクラムから8単を仕掛けて勝ち越しとなるトライをあげるNo.8豊田将万主将。この日自由に暴れて2トライ。

■ 1/2 早稲田大 36-12 東海大 @国立競技場 【写真館】

快晴の国立での準決勝、リーグ戦覇者の東海大との一戦は開始9分、相手の中途半端なキックをチャージして逆襲に転ずると大外でWTB中濱寛造が粘って3人抜き、最後は内にサポートについたFB田邊秀樹へと繋いで先制する。この日のワセダは関東戦同様にディフェンスで前に出てプレッシャーをかけて東海自慢のパスワークに乱れを生じさせると、要所のブレイクダウンでしつこく攻め立ててターンオーバーするなど相手に流れを渡さない素晴らしいゲーム運び。前半32分には相手ラインアウトのこぼれ球を拾って前進、ラックからNo.8豊田将万-HO有田隆平とロングパスが通ると(東福岡ホットライン!)、そのまま有田が4人を弾いてインゴールへ。前半ロスタイムにも相手陣深くでしつこくモールに絡んでマイボールスクラムとすると、そこを起点に攻めてSO山中亮平が豪快に飛び込んでトライ、貴重な時間帯にトライを重ねて前半を19-0で折り返す。風下に立った後半、一進一退の序盤を経て試合の流れを引き寄せるビッグプレーは11分、東海陣深くでの相手キックをチャージ、こぼれ球をPR瀧澤直が拾ってインゴールへダイブ。この後も攻め込まれながらもここぞの局面でターンオーバー、東海にトライを許さず迎えた31分、スクラムを起点としたアタックからCTB宮澤正利が抜け出してダメ押しのトライ、この後終了間際に2トライを返されたものの前に出るディフェンスで終始東海を圧倒して36-12で快勝、8年連続の決勝進出を決め、「荒ぶる」まであと1勝と迫った。

▲ 
前半32分、ロングパスを受けライン際を爆走、次々迫る相手ディフェンスを跳ね除けてトライをあげるHO有田隆平

■ 12/28 早稲田大 59-25 筑波大 @瑞穂ラグビー場 【写真館】

選手権2回戦は筑波大と名古屋・瑞穂ラグビー場で対戦。キックオフから敵陣に居座り、左右にリズム良くボールを散らしてペースを掴んだ早稲田は4分、敵陣ゴール前ラインアウトから展開、LO橋本樹が綺麗に抜け出て先制トライをあげる。直後の7分にハイパントを処理し損ねたところを拾われアンラッキーな形で同点とされるものの11分、FB田邊秀樹が自らのハイパントをキャッチしてチャンスを作ると左右に散らして最後はHO有田隆平がトライ、更に17分にもラック連取からFL小峰徹也-WTB中濱寛造と繋いでトライと筑波を突き放しにかかる。流れるようなパスワークに瑞穂の観客からはタメ息まじりの声があがる一方で、ペナルティも多く自陣に戻されてはPGで筑波に得点を許す格好となり前半は21-13と小差で折り返す。後半、いきなりFB田邊秀樹をシンビンで欠く苦しい展開。それでも2分、ターンオーバーからFL中村拓樹-No.8豊田将万と繋いで一気に相手ゴール前まで迫るとPR瀧澤直が弾丸のように飛び込んでトライ、10分にも相手ゴール前ラインアウトを起点にSO山中亮平がインゴールへ飛び込みトライと逆に2トライを上げて流れに乗ると18分CTB長尾岳人(SO山中亮平の絶妙オフロードパス!)、23分SO山中亮平(相手ディフェンスのギャップを的確に攻略!)、36分CTB坂井克行、39分WTB中濱寛造とBK陣が爆発、5連続トライで筑波を圧倒して59-25で勝利した。筑波の攻撃的なディフェンスの前に苦戦、ディフェンスでも3トライ献上とノーサイド後の選手に笑顔なし、厳しい表情のまま瑞穂を後にした。

▲ 
後半2分、故郷に錦を飾る凱旋トライをあげるPR瀧澤直。後半のトライラッシュの口火を切る。

■ 12/20 早稲田大 21-5 関東学院大 @熊谷ラグビー場 【写真館】
2年ぶりの関東学院戦、試合前アップから気合十分の早稲田は前に出るディフェンスからリズムを掴む。13分、CTB長尾岳人のタックルでターンオーバーに成功するとそこから関東のペナルティを誘いPGで3点を先制する。続く14分にも相手のカウンターをFL中村拓樹が仰向けに倒してターンオーバー、一気に逆襲に転じてFL小峰徹也がトライと試合の主導権を握る。この後、ペナルティが重なって自陣での戦いが続くもののNo.8豊田将万主将、CTB宮澤正利らが随所に激しいタックルで熊谷を沸かせて流れは早稲田のまま。30分過ぎから再び敵陣で試合を進めると40分、相手ゴール前正面でパスを受けたFB田邊秀樹がドロップゴール(好判断!)を決めて11-0として前半を折り返す。後半に入ってもキックで確実に敵陣に入って試合を進めると24分、左スクラムからブラインドサイドから顔を出したWTB中濱寛造がSO山中亮平の脇を抜け出し、相手防御の裏に出ると、タテに入り込んできたFB田邊秀樹にドンピシャのパス、そのまま田邊が走りきって待望の追加点となるトライをあげる。この後、関東の個々の強さを生かしたアタックにゲインこそ切られど、エリアを完全に支配していた為大事には至らず。逆に36分にもペナルティゴールを確実にFB田邊秀樹が決めて21-0、ロスタイムに関東に1トライを返されるものの21-5で完勝。プレッシャーをかけられ続けたラインアウトや仕留めどころでハンドリングに精度を欠く場面…等細かい点を見れば、課題も残ったものの、前に出るディフェンスは確実に相手のボールコントロールを乱し、接点の攻防でも度々ターンオーバーするなど、最も拘ってきた部分で関東を上回り、ゲームは完全支配。会心の勝利に試合後、選手たちの笑顔が弾けた。ワセダ、大きな大きな一勝で「荒ぶる」への第一歩。

▲ 前半14分、ターンオーバーから一気の速攻、最後はFL小峰徹也がディフェンスを振り切ってトライをあげる

■ 12/13 早稲田大B 31-20 慶應義塾大B @秩父宮ラグビー場 【写真館】

Jr選手権決勝、ファーストジャージに身を包んだ慶応と対戦した早稲田。序盤は細かいハンドリングエラーが相次いで流れを掴めず、自陣での戦いを強いられると11分には先制PGを許す。早稲田に流れを呼び込んだのはWTB大島佐利の力強いラン、16分左ラインアウトを起点としたアタックから順目に攻めて大外で大島勝負…ディフェンスを突破するとそのまま相手の追走を振り切って逆転のトライをあげる。この後もWTB大島、CTB坂井克行らのフィジカルの強さを生かして接点を押し上げるとチームは一気に勢いに乗る。26分、ラックをテンポよく重ねると相手ディフェンスに出来た穴をSO井上隼一が見逃さずに突いてトライ。更に31分、自陣で前に出るタックルでターンオーバー、ディフェンス裏に蹴って再びラッシュで再びターンオーバー、胸のすくようなプレーの連続で一気に敵陣深くまで攻め込み、最後はLO岩井哲史がトライ。更に38分、キック処理から果敢にカウンターを仕掛けたWTB井口剛志が起点となり相手ディフェンスの裏に出ると、FB飯田貴也-LO土屋鷹一郎と繋いでトライ。15分過ぎから一方的にゲームを支配して前半を24-3で折り返す。一気に勝負を決めたい後半…しかし立ち上がり53秒、キック処理を味方同士で競り合い、こぼれたところを慶応に突かれてトライを献上すると、ペナルティ、ハンドリングエラー、ダイレクトタッチ…とミスを重ねて自陣から出られず、6分、17分と着々と点を返されて気づけば24-20の4点差に。重苦しい流れを変えたのは4年生のここという場面での集中力。26分、後半最初のチャンスとなった敵陣22mライン付近でのラインアウトからラックを重ねるとブラインドサイドをSH清水智文-SO掛井雄馬-FL上田一貴-FB佐藤晴紀と4年生で繋いでゴール前に迫ると最後は再びFL上田一貴がインゴールへ。ワンチャンスをしっかりモノにして31-20の安全圏に逃げ込みこのままノーサイドの笛、一足早くアカクロ”予備軍”が連覇を達成した。

▲ 
前半38分、カウンターアタックから最後はLO土屋鷹一郎が独走。チーム4連続トライで波に乗る。

■ 12/7 早稲田大 22-24 明治大 @国立競技場 【写真館】

12月の第一日曜日、伝統の早明戦が国立競技場で行われた。既に両校順位の決まった消化試合に観客の入りは寂しい結果となったが試合は大接戦に。前半8分、左ラインアウトからSO山中亮平→タテに走りこんできたCTB宮澤正利でキレイに(指一本触れられずに)抜け出るとそのままポスト右に先制トライ、しかしこの後は明治の執拗な接点での絡みの前にテンポが上がらず、攻め手を失うと27分にはゴール前スクラムからトライを奪われ(ゴール成功)逆転される。明治の粘り強い防御の前にチャンスは作れど要所でハンドリングエラーを連発、41分、43分と比較的易しい位置のPGを立て続けに外し重苦しい流れでハーフタイムを迎える。仕切りなおしの後半、一番大事な立ち上がりの時間帯に立て続けに明治のタテ突進の前にディフェンスを割られ0分、8分と連続トライを献上、この後16分にはPGも追加されて5-24と19点のビハインド。絶体絶命のワセダの反撃は20分過ぎから。23分、中央ラックからFW陣が繋いで最後はWTB田中渉太がインゴールへ飛び込むと36分、ゴール前スクラムからブラインドサイドをNo.8豊田将万→FL上田一貴と繋ぎ、7点差。そしてロスタイムのラストチャンス、SO山中亮平が絶妙の間合いで放ったパスからCTB田邊秀樹がビッグゲイン、最後はWTB坂井克行が右隅に滑り込んでついに2点差。右隅の難しい位置からCTB田邊秀樹が蹴ったコンバージョンは一直線にゴールに向かうものの無情にもポストを叩いて、ここでノーサイド。終盤の猛追及ばず9年ぶりの早明戦敗戦、00年シーズン以来の対抗戦2敗となった。

▲ メイジの分厚いディフェンスの前になかなか思うように突破できず…。写真はCTB長尾岳人

■ 11/23 早稲田大 34-17 慶應義塾大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

11.23秩父宮、伝統の早慶戦が2万を超える観衆が見守る中で行われた。1分慶応のPGで先制を許すものの4分、カウンターを起点としたアタックからラック連取、最後はCTB宮澤正利のロングパスが大外で待つWTB田中渉太に渡ってトライ、試合を引っくり返す。ブレイクダウンで優勢に立つ早稲田はこの後20分にPGで加点するものの、タッチキック、ラインアウトで細かいミスを繰り返して自陣での戦いを強いられると27分に慶応BKにギャップを突かれてトライを献上、36分にもPGを与えて10-11とリードを許し前半を折り返す。後半立ち上がり4分にカウンターからWTB田中渉太が抜群のコース取りで相手ディフェンスを振り切り、独走トライで再逆転。慶応の小刻みなPGで後半19分に17-17と追いつかれるものの、直後の20分、キックオフボール確保からラック連取、SO山中亮平→HO有田隆平でノーホイッスルトライ(SO山中亮平が迷いながらもブラインドサイドに流れた事が結果的に相手ディフェンスを混乱させる事に成功!)。この後、この試合苦しんでいたラインアウトで24分、32分とスチールに成功すると流れは早稲田。32分、CTB長尾岳人のロングパスが再び大外のWTB田中渉太に渡ると、最後は相手タックルで一度は倒れながらも再び立ち上がってインゴールへダイブ、慶応を突き放すと42分、ターンオーバーからSO山中亮平がビッグゲイン、最後はWTB中濱寛造へ託してダメ押しのトライでノーサイド。スクラム、ブレイクダウンで優勢に立った早稲田は接戦に慌てることなく、勝負所できっちりと3トライを叩き込んで快勝、春に敗れた慶応にリベンジを果たした。
▲ 後半32分、一度は倒されながらもすぐさま起き上がってインゴールへダイブするWTB田中渉太。この日3トライの大爆発

■ 11/9 早稲田大 84-8 日本体育大 @熊谷ラグビー場 【写真館】

帝京戦の敗戦から1週間、豊田組のリスタートとなった日体戦が熊谷で行われた。試合は7分、スクラムからの一次攻撃で初スタメンのCTB坂井克行がブレイク、その後相手に捕まりながらも援護に来たCTB宮澤正利・FL上田一樹らと一丸となってインゴールになだれ込み先制する。この後は、まるで猛攻開始の合図…号砲のようにドーンという打ち上がるSO山中亮平のハイパントをきっかけにトライラッシュ。15分、21分、24分と落下地点に次々とアカクロジャージが殺到、一気にターンオーバー、そこからトライが生まれるという最高の形で一気に波に乗ると、27分にもチーム一とも言える持ち前のタテへの強さで抜け出るCTB坂井克行の突破からチャンスを掴み、SO山中亮平がトライ。32分にもゴール前スクラムからブラインドサイドで”中濱勝負”、WTB中濱寛造が1対1を制してトライと前半だけで7トライ、41-3とリードして折り返すと後半も交替出場のWTB大島佐利が相手を跳ね返す強さとスピードを武器に暴れまわれば(後半39分にはド派手なダイビングトライも!)、もう一人のWTB田中渉太も走り切る決定力の高さと粘り強さ(後半32分には3人抜きトライ!)を見せつける。FW陣も熊谷名物(?)PR瀧澤”さん”の突進、HO有田隆平・LO中田英里の相手を宙に舞わせるハードタックル…とそれぞれに見せ場を作って日体を文字通り「圧倒」。84-8で大勝、次なる舞台はいよいよ11.23伝統の早慶戦。勢いを取り戻した豊田組のシーズンは佳境へと突入していく。
▲ 後半0分、相手ディフェンスにジャージを掴まれながらも強引にインゴールまで持っていくWTB中濱寛造

■ 11/1 早稲田大 7-18 帝京大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

対抗戦無敗対決となった帝京戦が快晴の秩父宮で行われた。1分、ファーストアタック、ラックでの攻防で帝京の圧力を受けていきなりのペナルティを喫すると、この後も帝京の接点での執拗な絡みと、スクラムでの帝京FWの力強いプレッシャーに苦しめられアタックのリズムを作れない時間帯が続く。試合は帝京ペースで進み17分、ゴール前ラインアウトからFW、FWで来られてトライを献上すると、33分にもPGで追加点を許す。ワセダの反撃は前半終了間際の40分、自陣ゴール前ターンオーバーから一気の逆襲、WTB中濱寛造が80メートル独走トライをあげて7-8として、後半に望みを繋ぐ。しかし後半に入ってもスクラム、ブレイクダウンの攻防で終始劣勢のワセダは15分にPG、23分には前半と同じような形でFWに力で押し込まれてトライを献上、7-18と苦しい展開。25分過ぎからようやく連続攻撃で反撃に転じ、帝京のペナルティも挟みながら10分近く敵陣で過ごすと、ラインアウトモールでゴール前に何度も迫る。しかし、あと1メートルゴールラインが遠く、ついには2分のロスタイムの後、対抗戦8年ぶりの敗戦を告げるノーサイドの笛。ダイナミックチャレンジを掲げる今季、ハイリスク・ハイリターンは覚悟の上、豊田組の本当の挑戦がここから始まる。
▲  後半、 一度は倒れながらもすぐさま起き上がり気迫の前進を見せるHO有田隆平

■ 10/12 早稲田大 60-0 成蹊大 @高崎・浜川陸上競技場 【写真館】

対抗戦2戦目は高崎での成蹊大戦。開始1分、相手ラインアウトのこぼれ球を拾ってファーストアタック、CTB村田大志が一発でキレイに抜け出して独走、先制トライをあげると続く10分、相手ゴール前でのファーストスクラムを制してターンオーバー、FW陣のラッシュでゴール前まで迫るとSO山中亮平-(ブラインドサイドから)WTB田中渉太と繋いでトライ(スクラムはこの試合、再三のターンオーバー。力の差を見せ付けました)。更に22分、ペナルティからすばやく仕掛けると必要十分なスペースを得たWTB田中渉太がキレキレのランでインゴールへ。29分には自陣から攻め立てて、SH櫻井朋広-No.8豊田将万と繋いで独走トライ。34分、ペナルティからスクラム選択。磐石のスクラムを起点に、一次攻撃で難なくインゴールを陥れる(WTB田中渉太)と38分にもスクラムからSO山中亮平がブレイク(パスダミー、キックダミーを自由自在!)-No.8豊田将万が続いて相手ディフェンスを崩しきると、大外に一気に振ってWTB中濱寛造がトライ、成蹊の執拗な接点でのブローにいらだちを見せる場面こそあれど、要所でトライを重ねて38-0とリードして折り返す。後半も3分、8分とトライを重ねて(SO山中亮平、CTB村田大志)、一方的な試合展開になりながらも後半12分にSO山中亮平がシンビン、終盤には相手選手に突っかけてペナルティを受けるなど、闘志がやや空回り…。絶えず吹き付ける風にハイパントも思うようなところに落とせず、思い通りのゲーム運びとは行かず後半は4トライと失速。それでも相手のキックパス主体のアタックにも動じず、危なげなく完封、60-0で完勝した。
▲  成蹊大の低いディフェンスに手を焼くも10トライをあげて対抗戦連勝発進、チームを牽引するNo.8豊田将万主将

■ 9/13 早稲田大 83-12 立教大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

いよいよ豊田組の公式戦開幕。対抗戦初戦で立教と対戦した早稲田は序盤からロケットスタート!2分、相手ラインアウトをLO中田英里がターンオーバー、そこから順目、順目へと展開し最後はWTB田中渉太のリターンパスを受けたHO有田隆平が右隅にトライで先制すると5分、左ラインアウトから展開、中央ラックから今度は逆目を攻めてWTB中濱寛造がトライ。この後も磐石のスクラム、ラインアウトを起点にSO山中亮平のロングパス、フロントスリーの流れるようなパスワークと次々に立教ディフェンス網を嘲笑うかのように面白いように崩し切って、最後はWTB中濱寛造がインゴールに到達(7分、9分、14分、17分…となんと中濱寛造の5連続トライ!)。21分にはFKのチャンスからNo.8豊田将万主将、PR橋本樹を絡めた2度のループ→CTB村田大志のロングパス→WTB田中渉太の決定力と見所満載のビューティフルトライでこの時点で41-0、早々と勝負を決めた。後半に入ると15分すぎからFL村木俊貴をSHに起用するなど(その村木は24分、ラックサイドを抜けて独走トライ!)今後の戦いを見据えた布陣もテスト、6トライを追加して83-12で圧勝した。大勝の一方で重ねたペナルティは立教の4倍の16コ、前半20分過ぎからの停滞の大きな要因になり、今後の反省材料も残した。
▲  後半24分、独走トライをあげるFL村木俊貴。後半途中にはSHを務めるなどユーティリティぶりを発揮。

■ 7/6 早稲田大 0-27 フランス大学選抜 @国立競技場 【写真館】

日仏交流150周年ラグビーと銘打たれたフランス大学選抜戦。圧倒的な体格差の相手を向こうに回してのワセダのDNAが試される一戦は序盤からスクラム、ラインアウトでプレッシャーをかけられると、密集戦でも相手の激しい絡みの前に完全に後手を踏む苦しい展開。12分、ターンオーバーから一気の切り返しで先制トライを献上すると、19分右ラインアウトモールからトライ、更に23分にはペナルティゴールと0-15とリードを許す。ワセダもこの直後からゴール前ラインアウトモールなどで相手ゴールラインを脅かすなど攻め立てるものの決定打が出ず…フランスの速くて強いディフェンス網を打ち破れず前半を0-20で折り返す。後半に入るとワセダの低いディフェンスが相手のボールコントロールを乱し、また攻めてもワイドに振ってBK勝負と両CTB長尾岳人、宮澤正利らが度々ゴールラインに迫る。24分に1トライを追加されるものの後半はこの1トライのみ、トライこそ奪えなかったものの格上相手に最後まで食い下がり春最終戦を終了。U20日本代表組がチームを離れたものの代わりの選手が台頭した08年度春シーズン、しばしの充電期間を経てU20組も含めた熾烈なポジション争いが夏・菅平で始まる。
▲  東芝戦を思い出させる低いプレーで攻守に奮闘したCTB宮澤正利

■ 6/28 全早稲田大 40-33 全慶応義塾大 @三ツ沢球技場 【写真館】

全早慶明対抗最終戦、全慶応義塾大戦が三ツ沢球技場で行われた。試合は序盤から全早稲田が「'08ワセダ」のようにペナルティからでも積極的にボールを動かし続けて慶応を攻め立てる。10分、慶応ゴール前スクラムからNo.8高野貴司(この日が引退試合!)が8単で前へ、ここを起点に右に大きく展開、最後はWTB菅野朋幸が余裕を持ってグラウンディング。12分、中央スクラムからCTB村田大志がブレイクし、追走を振り切ってトライ(切り札・FB五郎丸歩を配置した右サイドへの8-9のモーションから一転、No.8高野貴司が左サイドへ。この時点で勝負あり!)。16分、ターンオーバーから左サイドをWTB首藤甲子郎がゲイン、現役FW陣が繋いで右へ大きく展開、相手FBとの1対1を制したWTB菅野朋幸がトライ。22分、相手ゴール前ラックからSO沼田一樹が切り込んでトライ。あっという間の4連続トライで26-0とリードを奪うと、ディフェンスでも激しいコンタクトで相手のハンドリングエラーを誘い無失点で前半を折り返す。ところが後半、2分相手FBにあっさりと独走を許すと続く4分にもノーホイッスルで繋がれてトライを献上、相手を完全に勢いづかせてしまうと、ファーストタックルが甘く、全慶応のイケイケモード(自陣からもタッチに蹴りださず…)を完全に受けてしまう格好。この後も7分、12分とトライを許しあっという間に前半の貯金を使い果たしてしまう(この後、互いに1トライを追加)。苦しい展開を打開したのはWTB首藤甲子郎。後半32分、相変わらずの足腰の粘り強さでビッグゲイン、一気に慶応陣深くまで攻め入りペナルティを誘うと、この先輩が築いたチャンスから、現役勢がクイックで仕掛けてCTB内山竜輔(ラック)→LO奥野耕輔でトライ、流れが激しく入れ替わる乱戦にケリをつけた。
▲ 前半12分、スクラムからのサインプレーで抜けたCTB村田大志が走り切って左隅にトライをあげる


■ 6/14 全早稲田大 40-43 全明治大 @江戸川陸上競技場 【写真館】

毎年恒例の全早慶明シリーズが開幕(今年は前年度シーズン長期化の影響で6月開催)、第一戦は全明治大と対戦。序盤全早稲田は敵陣で試合を優位に進めながらもノットリリース、アクシデンタルオフサイドなどでチャンスを逸し、更には前半20分に先制トライを献上してしまう。それでも29分、ゴール前ラインアウトから大きく展開(WTB谷口拓郎の超ロングパス!)、最後はWTB山崎弘樹が左隅に飛び込んでトライ(ゴール)、追いつくと前半37分、WTB谷口拓郎が相手へタックルに入るとそのままボールが胸に収まり(インターセプトのような形に…)右サイドを独走、追いすがる相手を振り切って勝ち越しのトライをあげ、前半をリードして折り返す(14-12)。後半開始50秒、FL小山陽平のトライで全明治を突き放しにかかると、7分FB五郎丸歩のビッグゲイン(この日再三のビッグゲイン!キックも含めて全早稲田のアタックの仕掛けの殆どが彼!)から最後はLO桑江崇行が相手との1対1を制してトライ(28-12)。この後11分、14分と全明治。18分(右ラインアウトモールを押し込みFL中村拓樹)、23分(FB五郎丸歩のビッグゲインからラック重ねSH清水智文)と全早稲田。更に25分、35分と全明治。目まぐるしく攻撃、防御が入れ替わり40-38で迎えた38分、キックオフから全明治にノーホイッスルで繋がれ逆転を許すと、ロスタイムも全明治の巧みなボールキープの前に反撃の機会なくノーサイドの笛、昨年に引き続き全明治に敗戦を喫した。
▲ キック、ラン、全早稲田の攻撃の起点に80分間なり続けたFB五郎丸歩(H20年卒)。やっぱりアカクロが良く似合う!

■ 5/25 早稲田大 19-24 慶應義塾大 @山梨・小瀬スポーツ公園陸上競技場 【写真館】

天候も回復し、蒸し暑ささえ感じさせる甲府で行われた恒例の春早慶戦。9分、ファーストスクラムでいきなりペナルティを取られると、この後もスクラムが組んでは崩れ、組んでは崩れ…最終的にはワセダにペナルティの笛。ラインアウトも安定せず起点を失うと、必然的に慶應ペースへ。20分、相手BKを警戒したところで逆を突かれて(ラックサイドを相手SHが突破)先制を許すと27分にも慶應に綺麗に繋がれて連続トライを献上。ワセダも33分、ペナルティから根気良く攻め続け、最後はSO村田賢史のゴロパントを拾ったWTB田中渉太が最後は相手を引き付けて内へ返し、FL上田一貴がトライ、反撃の狼煙を上げる(39分、慶應にPGを決められ結局、7-17で折り返し)。後半開始のキックオフを怒涛のラッシュでモノにすると、3分ペナルティ→左ラインアウトモール×2で、最後はFL中村拓樹が抑えて詰め寄ると、続く6分にも途中出場のSO井上隼一のビッグゲインからFW/BK一体となった繋ぎを見せて最後は大外のFL上田一貴→LO丹下聡→FB飯田貴也でトライ、逆転に成功する。これで流れに乗るかと思われたが、逆に16分ペナルティからの相手の速攻に対応できず、再逆転を許し19-24とされると、このまま互いに決め手を欠いてロスタイムへ。ワセダは慶應のタテ続けのペナルティからFWに拘ってラインアウトモール→サイドゴリゴリで残り数メートルのアタックを5分近く仕掛け続けるものの慶應のディフェンスは堅く、逆に辛抱しきれずにBK展開したところで痛恨のノックオン…、そして無情のノーサイドの笛が響き、抱き合う慶應に崩れるワセダ…ワセダは春早慶2年ぶりの黒星となった。
▲ 力強い突破で相手タックルを引き摺りながら前に出る副将CTB長尾岳人

■5/5 東日本大学セブンズ @秩父宮ラグビー場 【写真館】

1回戦 ○33-0 武蔵工業大
準々決勝 ○29-12 大東文化大
準決勝 ●7-19 東海大


GW恒例の東日本大学セブンズ。必勝を期したワセダは初戦で武蔵工業大と対戦。開始50秒、スペースのないところでの1対1を田中渉太が格の違いを見せ付けて抜ききり、ダイビングトライで先制すると3分にもアングルを変えて走り込んで独走トライ、今大会の主将の連続トライで主導権を握ると6分にも瀧澤直を軸とした強力スクラムから相手にプレッシャをかけて相手のパスミスを誘うと飯田貴也-井上隼一と繋いでトライ。後半もスクラムを起点に2分に村田大志、5分に井上隼一と畳み掛けて33-0で完勝した。チャンピオンシップトーナメントに駒を進めたワセダの相手はYC&ACで敗れた大東文化大。試合はエース田中渉太が大活躍。1分にチャンスメイクで櫻井朋広のトライを引き出すと、2分岸本大路のビッグヒットでターンオーバーしたボールを右隅に運ぶ。更に5分には躍動感溢れる彼らしい走りで中央を切り裂きド派手にダイビングトライ、スタンドで見守る部員とともにイッキに勢いに乗ると前半ロスタイムに宮澤正利、後半開始20秒に掛井雄馬のトライと大事な時間帯に畳み掛けて勝負を決めると、その後の大東文化の反撃を2トライに抑えて29-12で快勝した。続く準決勝の相手は東海大。1分、ペナルティからの速攻で先制トライを奪われるとこの後も終始東海大のペース、ワセダは敵陣に殆ど入れぬまま、更にはロスタイムに痛恨のトライを喫して前半を折り返す。勝負の後半、キックオフをミスして、ここからまた自陣に釘付けの展開になると、ワセダの反撃は1トライを追加された後の4分過ぎから。上田一貴のトライで反撃の狼煙を上げるものの時既に遅し…。7-19と終始東海大に陣地を支配されて完敗、2年連続で準決勝での敗退となった。
▲ 大東文化大戦前半5分、ダイビングトライをあげる田中渉太

■3/23 早稲田大 35-12 九州代表 @レベルファイブスタジアム 【写真館】

権丈組ラストゲームではなく新生豊田組の第一歩と位置づけられた(選手入場の先頭は豊田将万新主将!)朝日招待ラグビーが雨の福岡・レベルファイブスタジアム(博多の森球技場)で行われた。試合は開始早々1分、連合軍とはいえ九州のトップリーガーを揃えた九州代表にいきなりFWサイドを突き抜かれて先制を許す(佐々木組・松本允は変わらず激しくファイトしてました)。この日の早稲田は雨の日とはいえ積極的にボールを動かす攻撃的なラグビーを披露。5分、ラックを重ねてSO山中亮平(絶妙のタメ!)-FB五郎丸歩のタテでトライ、ゴールも決まってあっさり逆転に成功すると9分、モールを起点にFW、両CTBでラックを丁寧に重ね、HB団の素早いパスアウトを経由して最後はFB五郎丸歩-WTB田中渉太(リターンパス)-WTB早田健二のバックスリーで左隅にトライ、鮮やかなトライに観客から大きな拍手が送られる。この後も21分カウンターアタックからFB五郎丸歩(トップリーガー相手にも抜群のキープ力!)-WTB早田健二-CTB田邊秀樹-CTB宮澤正利とパスを繋ぎ最後は内へ返したところをFL小峰徹也が受けてトライ、32分にはNO.8豊田将万主将のゲインからSO山中亮平がパスダミー一閃、相手の裏を取ってダイビングトライ、前半は完全に早稲田ペースで28-5で折り返す。今季を支えてきた4年生を次々と入替えた後半(BKも田邊秀樹をFBに回す来季仕様(?)へ…)はやや失速、それでもHO有田隆平の激しいタックル(見守る4年生も「うわっ(スゲー)」の声…)やCTB坂井克行の粘り腰(後半38分には相手キックをキャッチし、そのままディフェンスをかいくぐってトライ!)など明日のワセダを担う若手の活躍もあり、35-12の快勝。権丈組の力を借りながら、新生豊田組の「Dynamic Challenge」が始まった。
▲  前半32分、パスダミーから相手をかわして左中間にトライをあげるSO山中亮平

■3/1 早稲田大 24-47 東芝 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

権丈ワセダの集大成、日本選手権2回戦でトップリーグ東芝と対戦。3分FB五郎丸歩の超ロングキックから相手陣5mラインアウトを得ると、拘りのモールを一気に押し込んで右隅にトライ(No.8豊田将万)、2年前の対戦では完封された相手に幸先よく先制する。この後、スピード、パワーを兼ね備えた相手のアタックに少しずつ対応が遅れるとその綻びから、13分、18分、22分とタテ続けにトライを献上。それでも相手ラインアウトをことごとくターンオーバー、ディフェンスでも前に出て度々接点を押し戻すなど観客を沸かせ、ゲームを壊さない。5-21で前半を折り返すと、後半は相手の執拗なモールに3トライを許すものの早稲田も堂々たる打ち合いを演じる。6分、ラインアウトモールを今度もキレイに押し込んでトライを奪うと、35分ターンオーバーからスペースに大きくキック、快足WTB田中渉太がこのボールを拾ってインゴールに倒れこみながらも到達、ロスタイムにもラックからブラインドサイドをNO.8豊田将万が突いてトライと見せ場を何度も作った。最終スコア24-47の敗戦ではあったが、ラストプレーには観客から「ワセダ、ワセダ」の大合唱、試合後の整列にも鳴り止まない拍手が送られた。権丈組ラストゲームもまたファンの心を掴む好ゲームだった。
▲ 後半35分、キックボールを拾ったWTB田中渉太が相手を振り切ってトライをあげる


■2/23 早稲田大 48-0 タマリバク @秩父宮ラグビー場 【写真館】

荒ぶる奪回から1ヶ月、権丈ワセダのリスタートは年間で何度も下位チームが練習試合を行うタマリバクラブとの対戦。出だしのキックオフでつまずく(ダイレクトタッチ)と全員モールの奇襲、よくワセダを研究したラインアウト、人数をかけて対応してくるブレイクダウン…とタマリバの「本気」の前にペースを掴めない時間帯が続く。11分、クイックスローを起点にグラウンド横幅いっぱいに使った展開、最後はFL覺來弦が左隅に飛び込んで先制するとここからは終始タマリバ陣での試合展開。得点パターンであるはずのラインアウトモールがやや精度を欠きながらも34分、ラインアウトから一発でトライを取りきる(右WTB田中渉太がスペースのないところをスピードで振り切る)と38分、ゴール前スクラムからスクラムトライ(NO.8豊田将万)と前半を19-0で折り返す。後半に入ると2分、相手ラインアウトのこぼれ球を拾うとFB五郎丸歩が豪快にタテへと突き破ってトライ、11分にも左ラインアウトを起点にバックスリーで繋いでWTB田中渉太がトライ(FB五郎丸歩がディフェンスを一身に引き付けてラストパス!)とタマリバを突き放しにかかる。22人のメンバー全員が出場したこの試合、リザーブメンバーも躍動、アカクロデビュー戦となったCTB坂井克行はコンタクトの強さを見せ付けるなど持ち味を発揮、35分にはSO山中亮平のショートパントを拾って初トライを記録。SH櫻井朋広もテンポの良い捌きと積極的な前への仕掛け(後半37分には相手の追走を振り切ってトライも記録)でしっかりアピール。結局48-0でタマリバに完勝、荒ぶるの次なるターゲット”打倒、トップリーグ”への挑戦権を獲得した。
▲ 前半34分、右サイドで2人をかわしてトライをあげるスピードスターWTB田中渉太

■1/12 早稲田大 26-6 慶応義塾大 @国立競技場 【写真館】 【写真館2】 【写真館3】

雨の国立、荒ぶる奪還を目指す権丈ワセダが宿敵慶応と対戦。序盤から慶応、早稲田ともに雨の日らしくキック中心の組み立て、13分相手陣でラインアウトをNO.8豊田将万(突破に空中戦に大活躍!)がスチール、ここを起点に優位に立つFWを前面に押し出す。必死の抵抗を見せる慶応のペナルティを挟みながら、モールを2回、スクラムを2回、そして3回目のスクラムを押し込み最後はNO.8豊田将万がトライ、先制する。この後、慶応も風上の優位を生かしハイパントなどで早稲田陣に入り込む(早稲田もダイレクトタッチが重なるなどなかなか敵陣に進めず…)とPGを2度選択(27分、37分)、うち37分のPGを成功させ前半を7-3、僅差で折り返す。勝負の後半、立て続けにゴール前ラインアウトモールでトライを奪いにいくも6分オブストラクション(一枚岩となってLO権丈太郎主将が飛び込んだかに見えたが…)、13分タッチライン(慶応に巧みに押し出される…)と仕留めきれず。重苦しい空気を打ち破ったのは16分のビッグプレー。スクラムからNO.8豊田将万-SH三井大祐-CTB長尾岳人と繋いでトライ。相手BKを完全に崩しきる見事なサインプレーでスコア上の膠着を打ち破ると、27分今季のチームの絶対的な形、ゴール前ラインアウトモールがついに慶応インゴールを陥れて(最後はHO臼井陽亮)慶応を突き放す。トドメは35分、自陣深くから仕掛ける相手に対して、HO臼井陽亮が激しくプレッシャーをかけるとLO橋本樹が相手ノックオンボールをそのまま奪いダメ押しのトライ。前に激しく出る今季のディフェンスを、そして強力FWを支えた前5人の強さ、機動力を象徴するような形でトライを上げると3分のロスタイムの後、歓喜のノーサイドの笛。屈辱の1.13から365日め、ちょうど丸1年間権丈ワセダが求め続けた来た「荒ぶる」が国立に響いた。
▲ 後半、先制トライをあげるなど激しく前に出続けたNO.8豊田将万(右から3人目)を両FLが
サポートする。

■1/2 早稲田大 12-5 帝京大 @国立競技場 【写真館】

お正月の国立での準決勝。対抗戦では圧倒した帝京との再戦は相手のブレイクダウンの強さ、ディフェンスでの粘り強さの前に大苦戦。前半11分、LO橋本樹のチャージから(橋本はこの後の球出しにも絡む働き!)素早く展開、最後はCTB田邊秀樹が余裕を持って左中間に滑り込み先制する(ゴール成功)。序盤は優位に進めるも16分、ラインアウトモールの好機をオブストラクションで潰すなど風上の利点を生かせず得点をあげられず。逆に28分、帝京のキーマンNO.8堀江主将の突破からBK展開され(ディフェンスの足並みが乱れ…)トライを許す。前半ロスタイムにはSO山中亮平がDGを狙うなど(チャージされ失敗)、活路を見出そうするものの結局7-5での折り返しとなる。後半、風下の早稲田は帝京の猛攻を受ける苦しい展開。それでも機を見てしく絡んではターンオーバーとゴールラインはガッチリ死守。17分、右ラインアウトモールをFW陣が一気に押し込んで帝京を突き放すとこの後は互いの我慢比べ。27分帝京、33分早稲田とゴール前ラインアウトモールでトライを奪いにかかるものの互いにディフェンスが譲らず、このままノーサイドの笛。FB五郎丸歩という支柱を欠きながらも安定したディフェンスで勝利を手繰り寄せて7年連続決勝進出。いよいよ”荒ぶる”奪回へ王手をかけた。
▲ 後半17分、帝京を突き放す貴重なトライはFW陣が一丸となったドライビングモールで。

■12/23 早稲田大 39-7 法政大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

選手権2回戦はリーグ戦の伝統校、法政大と秩父宮で対戦。開始5分、相手ゴール前5mスクラムからスクラムを電車道、最後はNO.8豊田将万が抑えてスクラムトライで幸先良く先制する。法政の果敢に挑んでくるアタックに対し、やや受け身に回るものの(ペナルティを含む)キックで敵陣深く攻め入り、ラインアウトモールで取りきる形がこの日の絶対的武器となり、12分、17分とHO臼井陽亮がタテ続けにインゴールに飛び込む。更に26分にはセンターライン付近ラックからサイドをPR畠山健介が抜け出すと、最後は巧みにダミーを織り交ぜながらFBをかわして50mを走り切ってトライ。33分にもラインアウトモールからトライを取りきり(PR瀧澤直)着々と加点、法政BKのスピードの前に1トライを献上するものの前半を29-7で折り返した。畳み掛けたい後半であったが、20分までは法政ペース。ペナルティも重なり自陣を脱する術を失ってしまう、それでもこの時間帯を我慢すると20分過ぎからは再び早稲田の流れに、法政の粘り強いディフェンスに苦しみながらも29分、またもラインアウトモールでトライを取りきると36分には左ラインアウトを基点にLO権丈太郎がタテ突破、ラックから右に大きく振って(SO山中亮平からの超ロングパスをトップスピードで受けて)WTB早田健二がトライしてダメ押し。攻守にチャレンジングなラグビーを見せた法政に苦戦しながらも磐石のセットプレー(ラインアウトもLO覺來弦が再三ターンオーバー!)で勝敗に関する心配は全くなし。最終決戦の舞台となる国立へと駒を進めた。
▲ 後半、ラックサイドを抜け出しインゴールへ迫るNO.8豊田将万

■12/16 早稲田大 50-7 中央大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

2年ぶりの頂点へ。権丈組最終章、大学選手権がいよいよ開幕、初戦で関東大学リーグ戦6位の中央大と対戦。キックオフ、中央大はいきなりグラバーキック、早稲田に対する抵抗を予感させる。序盤、早稲田はリズム良く攻めながらも、粘り強く激しく向かってくる中央ディフェンスの前にハンドリングエラー、ペナルティと攻撃権を失う展開。それでも要所でトライを重ね、試合そのものの優位性は全く動かない…11分、ラック連取からSO山中亮平-WTB中濱寛造のホットラインでブレイク、最後はFL覺來弦へと繋いで先制する。19分にラインアウトモールを起点にNO.8豊田将万のトライで加点すると、更に25分、ラック連取からSO山中亮平が目の前のスペースを見逃さず体を滑り込ませると内に寄ってきたディフェンスを嘲笑うかのように頭越しに超ロングパス、WTB早田健二がインゴールへ滑り込む。41分にもカウンターからLO権丈太郎主将がブレイク(この日再三ゲイン!)、最後は大きく余った右サイドで余裕のトライと前半を24-0で折り返す。後半に入っても中央の闘志は衰えず、一方的に攻めつつも密集でファイトしてくる相手に苦戦、7分にSO山中亮平-FB五郎丸歩(SO山中、絶妙のタメ!)でビッグゲイン、最後は五郎丸得意のバックハンドでWTB早田健二へと繋ぎ、突き放しにかかると26分にはペナルティから速攻→ラック連取→SO山中亮平-HO有田隆平(再び絶妙のタメ)でトライ、32分、39分にはラインアウトモールを電車道で押し込んで連続トライでダメ押し。中央の切れないディフェンスに苦戦も終ってみれば50得点、地力の違いを見せ付けて1回戦を突破した。

▲  相手ディフェンスの穴を見抜き、射抜く技術の高さは一級品、スーパールーキーSO山中亮平

■12/9 早稲田大B 51-19 東海大B @秩父宮ラグビー場 【写真館】

Jr選手権決勝、2年ぶりの王座返り咲きを狙う早稲田Bは4分、相手ペナルティからの左ラインアウトからタテ長の綺麗なモールを形成、一気に押し込み幸先よく先制する(ゴール失敗)。ここから試合はトライの度にリードが入替わるシーソゲームに…、19分東海、27分早稲田(ラインアウトモール→ラック→密集サイドをPR山下高範が力でこじあけトライ)、35分東海、38分早稲田(WTB坂井克行のカウンター→2人外して→ディフェンス裏にショートパント→CTB井上隼一が抑えてトライ)。19-14で迎えた前半ロスタイム、ついに法則が崩れる。FL上田一貴のジャッカル&ラン(見事なステップワーク!)から一気にチャンスを掴むと左サイドで十分FWでプレッシャーを与えた後、右オープン展開、WTB大野雄也が持ち込んだラックから近場を崩して最後はSH櫻井朋広が潜り込んでトライ、24-14として前半を折り返す。勝負の後半、序盤こそペナルティを連発し、東海にラインアウトモールでトライを奪われたものの、お返しとばかりに11分、ラインアウトモール(この日安定感抜群!)でトライを返して落ち着きを取り戻すとここから先は激しく絡んでのターンオーバー連発、一列の選手までもがよく走ってディフェンスで相手にプレッシャーをかけ続けるなど完全に早稲田ペース。13分NO.8小峰徹也の独走トライ、24分左ラインアウトからモールでトライ、26分にはペナルティからの速攻でWTB坂井克行が相手の追走を振り切ってトライ、37分にはスクラムからの8単からラックを連取、最後は短いパスをリズム良く紡いで途中出場のWTB牛房佑輔が左隅に飛び込んでトライこの日のベストトライでダメ押しして51-19でノーサイドの笛。2年ぶりのJr王座奪還で来週から始まる大学選手権に弾みをつけた。
▲  後半13分、ターンオーバーから一気の独走トライをあげるNO.8小峰徹也

■12/2 早稲田大 71-7 明治大 @国立競技場 【写真館】

伝統の早明戦、13年ぶりの無敗対決となった一戦は序盤、明治のFWタテ突進に近場のディフェンスが緩くなったところを突かれて明治ペース(11分には先制トライを献上)。重苦しいムードを打破したのはCTB田邊秀樹。今年の特徴である、前にアップするディフェンスから、相手との間合いを一気に詰めるとそのまま相手パスをインターセプトして独走トライ、同点に追いつく。更に28分にはデコイランを巧みに織り交ぜるサインプレーからWTB中濱寛造がディフェンスを抜け出し勝ち越しトライ、流れを引き戻した早稲田は38分にも左オープンに展開、最後はFB五郎丸歩が懐の深い走りで左サイドを駆け抜けて19-7として前半を折り返す。勝負の後半、キックオフのこぼれ球をHO臼井陽亮が拾ってそのままアタックを仕掛けると怒涛のトライラッシュの幕が上がる。7分、NO.8豊田将万がスクラムからの8単でそのままディフェンスを突き抜けトライをあげるとルーキーSO山中亮平のキックダミー→突破、超ロングパスと自在のタクトに操られてBK陣が躍動。10分CTB宮澤正利、13分と21分にはWTB中濱寛造、19分CTB田邊秀樹、39分WTB早田健二と下級生TB陣がトライを量産。トドメは43分、スクラムからの8単でNO.8豊田将万がポスト真下にトライ。後半だけで8トライを畳み掛けて71-7で圧勝、早明戦史上最多得点、最多得点差で対抗戦V7、通算50連勝に花を添えた。
▲  前半28分、スピードに乗ってパスを受けたWTB中濱寛造がディフェンスを突破し勝ち越しトライ。この日3トライとラッキーボーイ的存在に。

■11/23 早稲田大 40-0 慶応義塾大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

24,000人を超える大観衆が詰め掛けた秩父宮ラグビー場で行われた伝統の早慶戦。キックオフから相手FWにそしてBKにと猛然とプレッシャーをかけて機先を制すると13分、スクラム→8単を起点として、素晴らしいスピードで走りこんできてCTB田邊秀樹がディフェンスラインを鮮やかに突破、そのままポスト下へと走り切って先制のトライ。更に16分にはグラウンドを横幅いっぱいに使った”らしい”展開から最後は左サイドでWTB中濱寛造→FB五郎丸歩→再びWTB中濱寛造と繋ぎ、その中濱が防御をかいくぐって左中間にトライ、主導権を握る。この後32分には右ラインアウトモールからHO臼井陽亮がトライ、前半を21-0とリードして折り返す。後半開始直後は我慢の展開、慶應のアタックを受ける時間帯が続く。それでも要所で前に出て慶應にプレッシャーをかけてミスを誘い、ゴールラインを割らせず凌ぎきると24分、SO山中亮平→WTB中濱寛造のホットラインでディフェンスラインを切り裂くと最後はサポートについたHO有田隆平がトライ、このトライで勝利をグッと手元に引き寄せると37分、自陣でのターンオーバーからWTB早田健二の2度の快走で一気に相手陣ゴール前まで迫ると手薄になったラックサイドをSH三井大祐が突いてトライ、更には41分にも左ラインアウトモールを押し込んでトライ(LO権丈太郎)をあげ40得点。ディフェンスでも最後まで集中力を切らさず、完封。しかも相手に一度もターンオーバーを許さなかったという結果は22人が一つ一つの局面に80分間こだわり続けたことの何よりの証明となった。
▲  ディフェンスに囲まれながらも一人で局面を打開したスーパートライに加えて慶應WTB山田から会心のターンオーバーを奪うなど大活躍のルーキーWTB中濱寛造

■10/21 早稲田大 33-21 筑波大 @三ツ沢球技場 【写真館】

三ツ沢で筑波大と対戦した早稲田は序盤、筑波のキック主体の組み立てにお付き合いしてスローな試合の入り。9分、FL豊田将万の力強いタックルで相手ペナルティを誘い、ようやく敵陣深く攻め入ると13分、LO権丈太郎、HO臼井陽亮らFW陣がタテへタテへと力強く楔を打ち込みラックを連取、連続攻撃で出来たミスマッチをSO山中亮平が的確に突いて裏に出ると相手FBをひきつけ絶妙のラストパス、FB五郎丸歩がインゴールへと滑り込み先制する。この後も筑波の力強い密集サイドの攻防に苦戦を強いられるものの少ないチャンスを確実に得点に結びつけ(23分、33分とともに右ラインアウトモールを起点にトライ。スコアラーはHO臼井陽亮、FL有田幸平)、前半を19-0で折り返す。後半に入ると4分、ターンオーバーから一気の大外展開。自陣から繋いでWTB田中渉太が爆発的なスピードで相手ディフェンスを翻弄、一気に走り切って先手を奪う。流れに乗りたい早稲田であったが、自陣でのキック処理ミス、キックミス、ペナルティと地域戦で後手を踏むと筑波の束になって押し込んでいるFW、そして巧みにひきつけてからパスを通すBKにと翻弄されて、7分、34分とトライを与えると、45分にもラックサイドで押し込まれるこの日を象徴するような形で失トライ…と後半だけで3トライを献上。早稲田も21分に相手ゴール前でSO山中亮平が思い切りよく飛び込んでトライをあげたものの、後半10分以降は殆ど相手にペースを握られたままの展開に、試合後選手達に笑顔はなく足早にロッカールームへと引き上げた。
▲  ボールキャリアへの素早い寄り、局地戦で際立つコンタクトの強さ、攻守に欠かせぬFL有田幸平

■9/24 早稲田大 102-5 青山学院大 @熊谷ラグビー場 【写真館】

対抗戦2戦目、青山学院と熊谷と対戦した早稲田は開始1分、立っての繋ぎ、ラックで継続と柔軟に使い分けて最後はWTB田中渉太、快足を飛ばして左隅に飛び込み猛攻の口火を切る。更に4分、8分とグラウンドを横幅いっぱいに使った展開でWTB田中渉太、NO.8小峰徹也と次々に左隅へと飛び込む。13分、今度は一転力勝負。右ラインアウトからLO権丈太郎が持ち出し(この形が再三キレイに決まってました…)ゲイン、更にPR畠山健介、FL豊田将万とタテ、タテへと畳み掛けて中央へトライ。自在な攻撃を見せる早稲田は20分にもスクラム→8単→ループ…とボールを繋ぎ、最後は余った状態でWTB田中渉太が三度左隅へ、この時点で29-0とし、相手に攻撃の時間を満足に与えない完璧なスタートダッシュ。が、落とし穴が25分。青山学院に右ラインアウトからBKに展開され一発でトライまで持っていかれてしまう。この後、PR畠山健介の爆走2トライなどで4トライを追加、前半を57-5で折り返す。後半も開始2分、ゴール前スクラム(スクラム、ラインアウトは相手を圧倒)から、NO.8小峰徹也の8単→ラック→FL豊田将万のタテであっさりとインゴールを陥れると11分、18分、23分と着々と加点。この後、前日の練習から意識を高めていた最後の10分でラストスパート。38分、ペナルティから速攻を仕掛けてCTB井上隼一−FL豊田将万でトライ。41分には相手ゴール前スクラムでプレッシャーをかけこぼれたところをSH三井大祐がタップ気味に捌いてWTB中濱寛造の公式戦初トライを演出すれば、締めはFB五郎丸歩。ターンオーバーからWTB中濱寛造がタッチライン際で相手に捕まりながらも折り返したボールを、FB五郎丸歩が独走でインゴールまで運び100点ゲームとして圧勝した。
▲ パスに、ランに、ぶちかましに…数々の見せ場を作ったPR畠山健介

■9/16 早稲田大 47-19 ケンブリッジ大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

日英対抗ケンブリッジ大を秩父宮に迎えての一戦、早稲田ボールのキックオフ、落下地点目掛けて一気のラッシュでマイボールとすると大きくそして早く展開して、WTB田中渉太へ。目の前に拓けたスペースを走り切る。開始19秒、鮮やかな先制トライで流れを掴むと9分、右ラインアウトモールを押し込んでトライ(HO臼井陽亮)。11分にキックオフボールの制御が乱れたところを突かれてノーホイッスルトライを献上するも、15分左ラインアウトモールを起点に右展開、FB五郎丸歩-WTB大島佐利でゴール前まで迫るとラックサイドをLO橋本樹が突き抜けてトライ、更に17分センタースクラムから見事なサインプレーでCTB田邊秀樹がブレイク、最後はWTB田中渉太へと繋いでケンブリッジを突き放しにかかると31分、40分とラインアウトモールでケンブリッジを圧倒、PR畠山健介、FL有田幸平が立て続けにインゴールを陥れ、前半を40-7で折り返す。後半も立ち上がり5分、ペナルティから仕掛けてLO権丈太郎-FL有田幸平-FL豊田将万と裏へ出ながらキレイに繋ぐと最後はこの日キレキレのWTB田中渉太、ステップ一閃相手を置き去りにして独走トライ。このまま一気に畳み掛けたい早稲田であったが、12分個々の強さの前に接点を一つずつ押し込まれトライを許すと、この後も風下で不利な状況にラインアウトでのミス、不用意なペナルティと重なって、完全に自陣から脱する術を失ってしまう。結局ロスタイムにもトライを奪われるなど後半は完全に失速。晴れのち曇り、47-19の大勝にも課題を残す一戦となった。
▲ 後半5分、この日絶好調のWTB田中渉太が相手を置き去りにして自身3コ目のトライ

■9/8 早稲田大 108-5 成蹊大 @秩父宮ラグビー場 【写真館】

対抗戦開幕は秩父宮でのナイトゲーム、対抗戦Bからの昇格した成蹊大と対戦(両校アカクロの為、セカンドジャージを着用)。試合はキックオフボールをマイボールとするとそこからいきなりの猛攻。2分、左ラインアウトからモールを一気に押し込み先制(抑えたのはFL有田幸平)すると、7分ラック連取から最後はWTB大島佐利がディフェンスラインを突破、そのまま独走トライ、14-0として主導権を握る。この後も相手の前に出てくるディフェンスをかわすかのようにSH三井大祐がディフェンス裏へのキックを織り交ぜるなど冷静に対処、またFWの力強いタテ突破も次々と成蹊ディフェンスをブレイク、結局前半だけで9トライ61-0と大量リードを奪う展開となった。後半に入っても4分、圧倒的優位に立ったスクラムを起点に、FL豊田将万(攻撃時はNO.8に。)が8単を仕掛けて独走トライ。この後、トライを奪えない時間が続くもののLO権丈太郎主将、SH三井大祐らが声でチームを引き締めると再び16分のスクラムトライを皮切りにトライラッシュ。FWが立って繋ぐ意志の十分に感じられるプレーでチームを引っ張るとCTB田邊秀樹の3トライなど計5トライを追加して108点(対抗戦開幕戦の100点ゲームは5年ぶり!)。このまま相手を零封したいところであったが、後半31分ラックのターンオーバーからブレイクを許し、最後はキックパスを通されてトライを献上、選手達も肩を落とした。
▲ 後半4分、スクラムサイドを独走してトライをあげるFL豊田将万。この日4トライの活躍

■8/26 早稲田大 73-3 法政大 @菅平・サニアパーク 【写真館】

早稲田大B 61-19 法政大B 【写真館】

早稲田大学125周年記念ラグビーマッチとして行われた法政との夏合宿Aチームのラストゲーム。試合は序盤からワセダのFW陣が力の差を見せ付ける展開に。7分、ペナルティから素早く仕掛けて2次攻撃でNO.8小峰徹也があっさりと近場を破って先制トライ。12分にも左ラインアウトを起点にグラウンドをボールが横に一往復、左サイドに残っていたHO臼井陽亮-PR橋本樹と繋ぎ、その橋本が巧みなステップで相手をかわし、最後はSH三井大祐-LO寺廻健太とパスを繋いで追加点を奪うと、27分相手ラインアウトがこぼれたところをLO権丈太郎が拾ってビッグゲイン、ラックから最後はFL豊田将万が飛び込んでトライ、更に32分、40分にもペナルティ→ラインアウト→モールというリプレーを見るかのような展開からFL有田幸平が連続トライ、走ってヨシ、押してヨシのFW陣で全トライを叩き出すとディフェンスでも相手DGによる3点のみに封じ、33-3で折り返す。後半4分、NO.8豊田将万(後半から小峰徹也とポジションチェンジ)のチャージからLO権丈太郎が足にかけてインゴールで自ら押さえ込み、後半の猛攻の口火をきると、12分にもラインアウトを奪い取り、連続攻撃。ブラインドサイドを2度攻め、一転、オープンに大きく振ったかと思えば、今度は中央のスペースに見事なチェンジアングルで入ってきたLO権丈太郎が突破、ゴール前まで迫ると最後はFB五郎丸歩がトライ…相手の防御を崩しきってトライを追加すると、この後もFB五郎丸歩が高原の風にも乗せてロングキックを連発(観客もタメ息まじりのスーパーキック)し、敵陣で試合を優位に進める。終盤の25分、31分には相手スクラムを破壊、25分はCTB田邊秀樹、31分はNO.8豊田将万と連続トライでダメを押すと、トドメは36分、LO権丈太郎の突進(この日はスローガン「ぺネトレート」そのままに相手ディフェンスを突き抜け続けました)を起点にタテ、タテと勢い良く前に出て最後はFB五郎丸歩、後半も6トライを追加して73点を奪うとディフェンスでも、終盤法政BKのスピードに乗ったアタックに何度かラインを破られたものの最後の一線は越えさせず(ラストプレーも法政がインゴールに飛び込んだかに見えたが、WTB中濱寛造がくらいついてノックオンを誘う…)、ノートライに相手を封じ込み、快勝した。また先立って行われたBチームマッチでは、序盤法政の攻守に前に出る圧力に押され15分モールからFW、FWで近場を崩され先制トライを許す。直後のキックオフ、ボールがこぼれたところをHO有田隆平(攻守によくボールへの働きかけが抜群です!)が好セービング。右へ振ってCTB井上隼一が裏に出たところで勝負あり、最後はWTB三原拓郎が右隅に飛び込んで、難しいコンバージョンもSO飯田貴也が決めてすぐさま同点に追いつく。この後もCTB井上隼一らの力強いタックルからのターンオーバー、誰彼ともなくルーズボールに飛び込んでマイボールとするなど流れはワセダ。26分、ラックでPR山下高範がターンオーバーに成功すると、右へ振ってCTB坂井克行がキレキレのランで法政ディフェンスを切り裂き、勝ち越しトライ。CTB坂井は更に29分に自陣からブレイク(FB佐藤晴紀-WTB大島佐利と繋いでトライ)、33分にも抜群のチェンジアングルから抜け出す(FL中村拓樹へ繋いでトライ)など観客も感嘆の声をあげるほどに暴れまわり、法政を一気に突き放す。38分にもゴール前ラインアウトモールからFWがキレイに押し込みトライ(最後はHO有田隆平)、苦戦の序盤も終わってみれば33-7とゲームの主導権を握って折り返す。後半に入っても、10分のラインアウトモールからのトライ(HO小沼智彦)を皮切りに途中出場のWTB大野雄也が17分、38分と巧みなステップワークを見せつけ2トライをあげる(35分にはSO飯田貴也の絶妙のオープンスペースへのキックを追ってインゴールに飛び込むも惜しくもインゴールノックオンでハットトリックならず…)など4トライを追加、61-19で快勝した。

▲ 前半27分、相手防御をかわしてトライをあげるFL豊田将万。前半5トライは全てFWによるもの

■8/19 早稲田大 19-10 関東学院大 @菅平・サニアパーク 【写真館】

早稲田大B 45-7 関東学院大B 【写真館】

夏の大一番、関東学院戦が菅平・サニアパークで行われた。序盤から互いにペナルティを重ねたスクラム戦に加えて9分、15分と立て続けにゴール前ラインアウトの好機を確保できず…とセットプレーが安定しないまま前半17分、先制トライを献上する。それでも早稲田はすぐさま反撃、直後のキックオフを両FLを中心に猛然とラッシュ、マイボールとすると左へ大きく振ってWTB田中渉太が相手タックラーを引き摺りながら左隅へ同点トライ(前年度決勝の首藤甲子郎ばりの粘り腰!)。更に38分、スクラムから狭いサイドをFB五郎丸歩がぶち抜いてビッグゲイン、最後は冷静に相手をひきつけてラストパス。WTB田中渉太が快足を飛ばしてインゴールへ滑り込み、勝ち越しに成功、12-5で前半を折り返す。後半開始早々、立て続けにゴール前ラインアウトのチャンスを得るもここも仕留めきれずに逃すと、敵陣ペナルティから選択したスクラムでもホイールされるなど攻撃の起点を完全に失ってしまう苦しい展開。それでもディフェンスで激しく前に出て相手の攻撃の芽も素早く摘んで、両チーム得点のないまま30分を経過。ようやく31分、左ラインアウトからループを挟んで右サイドのFB五郎丸歩へ。ここで抜群のキープ力を見せた五郎丸が持ち込んだボールを今度は左に大きく展開。ラインアウトで残っていたFW陣を経由したボールがWTB田中渉太へ渡るとその田中が相手をひきずりながらダメ押しのトライ。この後関東の反撃を1トライに抑え19-10で春に続いて連勝。それでも苦戦を強いられた早稲田の選手に笑顔はなく、重苦しい空気が流れていた。
またこの一戦の前に行われたBマッチは早稲田Bが序盤から敵陣でテンポよくボールを繋ぐ。前半4分、右ラインアウトモールを押し込んでから最後はHO小沼智彦が持ち出して右隅にトライ、先制する。24分にも外のスペースで余ったLO寺廻健太が持ち込んでトライを重ねると27分、WTB三原拓郎のカウンターから左へ大きく振ってWTB中濱寛造がトライ、更に40分にもWTB三原拓郎の好セービングから相手が犯したペナルティを着実にPGでの3点に結びつけ前半を24-0で折り返す。後半に入っても早稲田の流れは変わらず、14分自陣ターンオーバーからCTB坂井克行がステップ一閃、相手を置き去りにするとWTB中濱寛造-CTB成田伸明と繋いでトライ、20分HO有田隆平の快走からWTB三原拓郎、28分スクラムから逆サイドに回っていたWTB中濱寛造がスピードで突きぬけダメ押し。ディフェンスでも思い切りの良く詰めたWTB三原拓郎、ハードヒットに加えて懸命のカバーリングを見せたCTB井上隼一を中心に危なげなく関東を封じ込めて(ロスタイムに失トライしたものの…)快勝した。

▲ 前半19分、トライを取られた直後、WTB田中渉太のノーホイッスルトライで反撃開始

■8/18 早稲田大C 39-14 関東学院大C @菅平・サニアパーク 【写真館】

早稲田大D 19-28 関東学院大D 【写真館】
早稲田大E 31-19 中京大 【写真館】

早関夏の陣、今年は2日に分けての試合開催となりこの日は細川明彦コーチ率いるジュニア(CD)がカントーと対戦。Cチームは前半4分、FB大野雄也のカウンターアタックを起点に最後はHO塚原一喜-WTB柿本義典と繋いで左隅に先制トライをあげる。この後も圧倒的優位に立ったFW陣が力でトライラッシュ。9分、31分、36分といずれもペナルティ→ゴール前ラインアウト→モールという形で3度インゴールを陥れると、40分にはゴール前スクラムをお手本のように真っ直ぐ押し込んでNO.8岩井哲史がスクラムトライ(岩井は14分にも裏へ抜け出たFB大野を抜群のコース取りでサポート→独走トライとアタックセンスを存分に披露!)、前半だけで34-7と大量リードを奪う。後半も押し気味に試合を進めるもここぞのペナルティキックが直接インゴールへ行ってしまったり…と乗り切れず33分にPR横谷祐紀がラックサイドをこじあけた1トライのみ、それでも前半の貯金が十分で39-14で快勝した。
またDチームは開始からディフェンスがよく前に出てペースを掴むと8分にSH中川雄太がラックサイドを抜けて先制トライ。直後の11分、トライを奪われ同点とされると、攻め込んでのハンドリングエラー、ペナルティと得点を上げられない時間帯が続く。スクラムも劣勢を強いられ、結局前半27分にトライを献上したワセダは7-14で前半を折り返す。後半に入ってもペナルティなどでなかなか自陣を脱出できないワセダは逆にカントーに常に先手、先手とトライを許す苦しい展開。21分、スクラムを起点に最後はPR和田卓也。41分、ペナルティからの連続攻撃を仕掛け最後はSO掛井雄馬。と反撃上げるものの時既に遅し…19-28での完敗となった。
また関東連戦の前に行われたEチームの試合は8分、10分、17分とモールで2トライ、4人余った形で繋がれて1トライといきなり19点のビハインド。それでもワセダは30分、FKから速攻を仕掛けたSO吉谷吾郎が相手タックルを引き摺りながら執念でインゴールまで到達、反撃を開始する。相手がメンバーをごっそり入替えた後半は反対にワセダのペース。3分、スクラムからの一次攻撃からFB岩澤慶吾が中央突破して追撃の狼煙をあげると16分、ディフェンス裏に蹴り込んだボールをLO大川秀平が好セービング、フォローしたWTB黒澤健がトライをあげ同点とする。更に30分にもBKで繋いで最後はWTB伊東健が勝ち越しトライ、この後ロスタイムにも1トライを追加したワセダが31-19で逆転勝利を収めた。

▲ 前半4分、カウンターアタックを起点に最後は左WTB柿本義典が左隅に先制トライ

■7/1 早稲田大 38-0 関東学院大 @三ツ沢球技場 【写真館】

春シーズンの集大成、因縁の春カントーが三ツ沢球技場のナイターで行われた。早稲田のキックオフボール、関東学院が処理をし損なって跳ねたバウンドを早稲田が手に入れて敵陣に入り込む。ラインアウトの獲得失敗、ハンドリングエラーとミスを重ねつつも、圧倒的な力関係の差を示したスクラムと、ディフェンスで見せた前への圧力から、すぐさまボールを奪い返し、終始敵陣で試合が進む。均衡が破れたのは14分、スクラムからCTB長尾岳人がタテへ切り込み、倒れたところをサポートしたNO.8豊田将万へと繋いで中央に先制トライ。更に敵陣で試合を進める早稲田は23分、相手スクラムからのサイドアタックにしっかり対応すると、ボールがこぼれたところをCTB長尾岳人が拾って逆襲、最後はSO山中亮平がダミーを効かせてから右中間にダイブ、点差を広げにかかる。この後もFB五郎丸歩のロングキックなどで敵陣へ入り込むと、多少のミスは全てスクラムで挽回。前半37分にはゴール前中央PGを決めるなど、したたかに加点、前半を完璧なゲームプランで17-0で折り返す。後半立ち上がり、ペナルティが重なり、自陣深くに押し込められると悪い流れ。これを打破したのはCTB長尾岳人とFL有田幸平のダブルタックル。強烈なタックルでターンオーバーに成功しLO橋本樹がビッグゲイン、これで敵陣に入り込むとこの後は前半のように終始敵陣で時間を過ごす危なげない展開。11分スクラムからブラインドサイドへ立つFB五郎丸歩へ渡るとその五郎丸が走り切って左隅にトライ。(スクラムからブラインドサイドに五郎丸-田中を立たせるオプションはワセダ一の強さと速さを十分に生かすワクワク感たっぷりのもの!)更に15分過ぎからはワセダのスクラムの破壊力を十分を見せ付ける展開。19分にはゴール前スクラムから十分にプレッシャーをかけ最後はFB五郎丸歩が決定力の高さを見せつけてトライ、そしてスクラムトライを狙う事6度目、33分には関東スクラムが崩壊したところで認定トライまでもぎとり、ダメ押し。ディフェンスでも相手エース中園に何度かカウンターで走られるも、終始敵陣で試合を進めていた為大事には至らず前に出るディフェンスが関東のミスを誘い続けた80分、試合途中から早稲田の”ホーム”と化していた三ツ沢が38-0と完勝を告げるノーサイドの笛を万雷の拍手で包み込んだ。
▲ 前半、ゴール前スクラムからの8単、相手を蹴散らして豪快にインゴールへと迫る気合十分のNO.8豊田将万

■5/20 早稲田大 54-12 慶応義塾大 @栃木グリーンスタジアム 【写真館】

開始早々、キックオフボールに対していきなりのラッシュ、ターンオーバーに成功するとそこから敵陣で試合を進める展開。9分、ゴール前中央ラックからモールを構築、そのまま時間をかけてじっくりと押し込んでポスト左にトライ、昨年までなかった新しい形で幸先良く先制すると15分、FL有田幸平のハードタックルからターンオーバーに成功、素早くSH三井大祐、PR畠山健介のコンビで右にループパス、更に右へ展開して最後はNO.8豊田将万が2対1の状況から相手を置き去りにしてトライ、更には19分、33分とラインアウトモールからFWが押し切ってモールで連続トライ、28-0とリードを広げる。1トライ返された直後の40分にはターンオーバーからSO田邊秀樹がオープンスペースに絶妙のキック、追いかけたWTB早田健二が落ち着いてボールを拾い上げてインゴールへダイブ、接点で圧倒した早稲田が35-7とリードして前半を折り返す。後半に入ると序盤は早稲田がペナルティを連発(特にラインオフサイドは前半から何度となくペナルティを取られ…)、結果的に自らのリズムを悪くする。それでも15分過ぎから再び流れを引き寄せた早稲田は16分、スクラムから左へ、タテ、タテと使って一転逆目に振ってWTB早田健二が右隅にトライ、30分にもラインアウトからLO権丈太郎がラインブレイク、右へまわしてWTB早田健二、38分にもターンオーバーからWTB早田健二と早田一人で3連続トライ(合計4トライの大活躍に地元のちびっ子達の人気もFB五郎丸歩に次ぐほど…)とダメを押して昨年度のつまづきの始まりとなった春早慶に快勝した。
▲ 後半38分、ターンオーバーからWTB早田健二が走り切ってダメ押しトライ。この日4トライの大活躍

■5/6 東日本大学セブンズ @秩父宮ラグビー場 【写真館】

1回戦 ○26-10 中央大
2回戦 △12-12 明治大(抽選勝ち)
準々決勝 ○21-0 東海大
準決勝 ●12-28 拓殖大


中央大との1回戦、序盤相手に自陣深く押し込められるもペナルティから一気の反攻、田中渉太がスピードで振り切って独走トライで先制する。更に4分、5分とターンオーバーから田中渉太、田邊秀樹とトライを重ねると後半立ち上がり30秒にも瀧澤直が素晴らしいスピードで裏に抜け出して(部員席もヤンヤの大喝采でした!)井上隼一へと繋いでトライ、4連続トライで勝負を決定付けて2回戦へと駒を進めた。2回戦は宿敵明治大との対戦。1分、相手の力強い絡みからターンオーバーを許し先制される。前半終了間際にペナルティから素早く攻め立てて井上隼一がトライ、同点に追いつく。後半5分にこぼれ球を拾った田邊秀樹(大会を通じて足技が冴えていました!)が勝ち越しトライをあげるものの後半ロスタイムに左タッチライン際を走りきられ同点とされ、ここでノーサイド、この後行われた抽選により辛くも準々決勝進出を果たした。準々決勝は質の高いセブンズを見せ付けて勝ち上がってきた東海大が対戦相手。2分、長尾岳人が先制トライをあげると続くキックオフを小峰徹也が体を張ってマイボールに、ここから繋いで(見事な繋ぎに他校部員からも歓声が!)最後は井上隼一、会心のトライで流れを引き寄せると後半にも相手のスクラムの乱れに乗じて櫻井朋広がトライ。ディフェンスでも相手を完封するこれ以上ない完勝(ルーキー有田隆平のジャッカルに先輩部員からも感嘆の声…)で準決勝進出を果たした。準決勝は拓殖大。相手のスピード溢れるアタックに常に先手を奪われる苦しい展開。ワセダもキックボールをインゴールで抑えた中濱寛造、見事なランニングスキルでトライを奪った有田隆平らルーキーの活躍で追いすがるものの追撃及ばず、12-28で敗戦、細川明彦(セブンズ)監督が「(グラウンドの)中で(戦いながら)強くなっている」と評したチームは頂点には届かなかったものの見るものにワクワク感を与えた事、整列時のスタンドからの拍手がそれを示していた。
▲ 体も分厚くなり2年目飛躍の年としたい田邊秀樹