ねえ、どうしたの?
実は出産以来、尿失禁があるし、それに、あしの付け根がへんなの?
なら、お医者様にいったら?
でも、ものすごくはずかしくて、いちど医院にいたけど、逃げ帰っちゃった。
骨盤底の解剖(かいぼう) にすすむ
骨盤のイメージ

例えば、骨盤という言葉は、医学用語でいう骨盤壁のことをイメージされますね。
ガイコツの標本の骨盤骨をイメージされるのではないでしょうか?

でも、骨盤というのは、医学用語では
骨盤壁で囲まれた、膀胱、尿道などの尿路、子宮や膣などの生殖器、直腸や肛門などの消化器がある通路のことなんです。
骨盤底とは、この骨盤をささえる底辺の部分のことなのです。




なぜ、恥ずかしいか?

やはり、骨盤底のことは、排尿や性行為など秘密にしたい部分のことなのでしょうと思います。
ですが、最近は、「尿失禁を恥ずかしがらないで!」とする主張がよく見られて、尿失禁の方も病院にこられるようになりました。
けれど、まだまだ偏見はつよいです。




医学用語すらこころを傷つける

以前わたくしは、医学界新聞という新聞に在宅診療についての記事をかきました。この時のために、患者さんたちから医学用語で嫌いなものや、傷ついたものをさがしました。
すると、
子宮脱
尿失禁
といった単語はその上位にあげられました。どうしてかの理由をきくと
「脱」という言葉に、「女性」としてのおわりのような否定的なイメージがあるのだそうです。
確かに、男性ではインポというのは侮辱する際にも使うことばで、このためにEDという言葉をひろめたぐらいです。骨盤底の認識がなかなかすすまないのは、このような背景も関係していることでしょう。
(参考文献   医学書院 医学界新聞 看護版8月号 奥井識仁)




日本ではなかなか知られないのはどうしてでしょうか?