Midwest (アメリカ中西部・大平原地帯)
よく、アメリカ大陸横断をされた方の旅行記などに、「中西部は見るものはない。景色も同じだし、一日中走って終わった」といった記述を見ます。確かに、国立公園が連続するグランドサークルや、東海岸の都市圏に比べれば、日本で名を知られた有名観光地が少ないのは事実です。しかし、きちんと情報収集すれば、「何もない」ことはありえません。実際、私は1日2箇所以上のスポットを見て回りました。

ただ、中西部を横断するときは、ルート選定が重要だと思います。マウントラシュモアやバッドランズ国立公園がある、サウスダコタ州の「ブラックヒルズ」周辺を外して、カンザス州やネブラスカ州を横断するルートを選択すると、確かに見るものが少ないかも知れません。 

 

評 価

★★★★★
★★★★
★★★
★★
★   
このために日本から行く価値あり!
周辺に行くなら外せない
訪れる価値あり
人によって好き嫌いが分かれるか
私はあまりオススメしません…。

 

(写真をクリックすると拡大されます)

 

Mount Rushmore
マウント・ラシュモア
サウスダコタ州
★★★
アメリカ史上4人の「偉人」
どこにあるかは知らないが、誰もが1度は見たことがある、断崖に彫られた大統領の顔です。モデルは、建国の父ワシントン、憲法の父ジェファーソン、奴隷解放の父リンカーン、そしてテディベアの父(笑)セオドア・ルーズベルトの4名です。入場無料ですが、駐車料金がかかります。夏は毎晩ライトアップされ、ステージでアメリカの”偉大な”発展の歴史に関する映像が放映されますが、すごい人出でした。写真はライトアップ終了後に撮影したので暗くなっています。近隣には、対抗してインディアンの英雄「クレイジーホース」が彫られた同じような岩山もあります。
763_Wind_Cave_Ntnl_Park.jpg (50614 バイト) Wind Cave
ウィンドケーブ国立公園
ホットスプリング
サウスダコタ州
★★
ボックスフォーメーション
マウントラシュモアから車で30分ほど南にあります。「風の洞窟」の名は、気圧差のために洞窟の小さな穴から常に外へ風が吹いていることに由来したものです。内部は、レンジャーの案内によるツアー(ナショナルパークパスとは別料金)でのみ見ることができます。この洞窟に鍾乳石はなく、左の写真にあるような、「ボックスフォーメーション」と呼ばれる、茶色い箱を横に並べたような組成が特徴です。世界的にも珍しいそうですが、個人的な感想としては、美しい鍾乳洞と比べると見劣りすると言わざるを得ず、期待が大きかった分、ちょっと「がっかりスポット」でした。ただ、公園外にプレーリードッグの一大営巣地があり、これは一見の価値ありです。
midwes1.jpg (11990 バイト) Rapid City
ラピッドシティ
サウスダコタ州
★★★
大平原に沈む夕陽
モンタナ・ワイオミング州西部から、サウスダコタ、ミネソタ州にかけては、ひたすら大平原が続きます。特に、サウスダコタ州西部は背の高い穀物が植えられた農地も少ないので、文字通り、かなり先(方向によっては地平線)まで見渡せる状態です。確かに、これを毎日見ると飽きるのかも知れませんが、慣れていない日本人にとってこの夕陽のシーンは感動的でした。また、ラピッドシティには国立公園の集客力を狙って、クマ牧場はじめ民営の観光スポットが数多くあります(私は1つも行っていませんが…)
778_Wall_Drug_Store.jpg (30685 バイト) Wall Drugstore
ウォール・ドラッグストア
ウォール
サウスダコタ州
★★★
荒野に唐突な御土産屋
ラピッドシティの東、バッドランド国立公園近くに、ウォール(Wall)という小さな町があります。最寄りはI-90のExit110ですが、高速沿いに嫌というほど看板があるので見逃すことはないでしょう。コーヒー1杯1セント、飲み水1杯がタダ(当たり前?)というのが売りのこの複合ショップ、ウェスタンブーツやカウボーイハットなどが並ぶ、巨大なお土産屋さんが主体です。アメリカ最大のスーパー、ウォールマート(Wal-Mart)とは関係ないようです。
midwes2.jpg (35808 バイト) Pinnacles, Badlands
ピナクルズ入口付近
バッドランズ国立公園
サウスダコタ州
★★★★
色とりどりの地層
バッドランズは、周辺ではマウントラシュモアと並ぶ見所です。道路沿いに点在する展望台から、険しい岩山と、浸食された地層の色のコントラストを楽しむことができます。この手のものは、アリゾナ州の化石の森国立公園やカナダのドラムヘラーにもありますが、色の変化や岩の造形美などの点で、ここが最も素晴らしいと感じました。下の方は、地層に含まれる鉱物の関係で黄色くなっており、「イエローマウンド」と呼ばれています。また、化石も多く見つかるので、その一部を展示するトレイル(Fossil Exhibit Trail)もあります(国立公園なので、一般人の化石持出しは厳禁です)。
786cornpalace.jpg (31041 バイト)
Corn Palace
コーンパレス
ミッチェル
サウスダコタ州
★★
バカバカしくもすごい…
バッドランズから東へ車で約3時間、ミッチェルという小さな町にある「名産のとうもろこしで出来た城」です。建物本体はレンガ作りですが、壁一面、すべてとうもろこしを貼り付けてあります。建設は1892年で、100年以上、毎年図柄を入れ替えつつ、外壁のとうもろこしを張り替えています。「世界でここしかないコーンパレス」というのがアピールポイント(…)ですが、太平洋戦争中も張り替えていたというから、国力の差を思い知らされます。内部はこの城の「歴史」に関する博物館になっています。 
787_Pipestone_N.M._MN.jpg (50625 バイト)  Pipestone
パイプストーン国定公園
パイプストーン
ミネソタ州

インディアンの工芸品
ミネソタ州南西端にあり、インディアンが数百年間作ってきた石造りのパイプにちなんだ公園です。映画「ダンス・ウィズ・ウルブズ」のラストシーンで、ケビン・コスナーがインディアンと交換したものです(下の写真)。博物館に、赤茶色の柔らかい石からパイプを製作する過程が展示されており、その裏の短いトレイルが石切場(写真左)で、今もインディアンの人々が手作りでパイプを製作しているとのこと。遺跡でもなく、ちょっと物足りなく感じられます。
De Smet
開拓農地
デ・スメット
サウスダコタ州
★★
まさに「大草原の小さな家」
サウスダコタ州東部にあるデ・スメットは、日本でもテレビ放映された「大草原の小さな家」の作者、ローラ・インガルス・ワイルダーが約15年間住んだ町で、「父さんの家」やローラの両親の墓など、ゆかりのスポットが数多くあります。それぞれの建物はまさに「小さな家」なのですが、小説やドラマに思い入れのある方には楽しいスポットだと思います。写真は、チャールズ(父さん)が耕作していた開拓農地で、夏の週末の夜、野外劇が行われる前に、馬車に乗ることができます。
De Smet
野外劇
デ・スメット
サウスダコタ州
★★
ローラVSネリー
開拓農地の一角で、初夏の週末のみ行われる野外劇(ペイジェント)のワンシーンです。学校内でローラとネリーが火花を散らしています。劇のあらすじ(小説のどの部分を再現するか)は毎年変わるようです。キャストはすべて地元の子供や住民達なので、レベルの高い演技を期待してはちょっと酷でしょう。なお、野外劇は下で触れているミネソタ州ウォールナットグローブでも、同時期に行われます。蚊がいるので虫除けが必要です。
Brookings
ブルッキングス周辺
サウスダコタ州
★★★
これが世に言う「同じ景色」
サウスダコタ州東部からミネソタ州にかけては、大穀倉地帯であり、見渡す限り、小麦やとうもろこしなどの耕作地が続きます。やや南の、アイオワ州やカンザス・ネブラスカ州も同様です。最初は「すごい!」と思いますが、確かに1日中続くと飽きるかも。でも、アメリカ大陸の広さを実感できる景色です。
Walnut Grove
ウォールナットグローブ
ミネソタ州
★★
テレビドラマの舞台
小説「大草原の小さな家」でローラが7歳から12歳までを過ごした村です。ローラの子供時代を中心にしているテレビドラマを見た方には、最もなじみのある土地だと思います。写真左は記念館の一部で、当時の教会を再現したものです。デ・スメットにある学校もそうですが、ドラマに出てくる施設に比べると、実際のものはかなり小さいようです。村はずれには、ローラがよく遊んだ小川(プラムクリーク)もありますが、これはお世辞にも「清流」ではありませんでした。
Sculpture Garden
彫刻庭園
ミネアポリス
ミネソタ州
★★★
ミネアポリスのシンボル
市中心部からやや南西にあります。庭園の中には前衛的な彫刻、オブジェが数多くあります。この、サクランボとスプーンの噴水(サクランボの柄の先から水が出ている)は、絵葉書の図案などにも採用されているので、ご存知の方も多いと思います。バックの高層ビル街との対比がなんともシュールです。
Downtown Minneapolis
ダウンタウン・ミネアポリス
ミネソタ州
★★★
意外と大規模な高層ビル街
ミネアポリスは人口約35万人で減少傾向にありますが、もともと、ミシシッピ川流域の河港として穀物の集散地として発展しました。そのような拠点都市なので、人口の割には「都会」に感じられる街並みです。冬は非常に厳しい寒さなので、外に出ないで歩けるよう、ビル同士をつなぐ連絡通路が発達しています。
Mississippi River
ミシシッピ河畔
ミネアポリス
ミネソタ州
★★★
ギリシア・ローマの遺跡?
上の写真の左下側を撮影したものです。ミネアポリスでは19世紀後半、中心部を流れるミシシッピ川(川幅は広くありません)の水力を利用して、川沿いに製粉所が多く建てられました。1880年から1930年頃まで、ミネアポリスは「世界の小麦粉製造工場」と呼ばれていました。新鋭の製粉所が別の場所に立地し、競争力を失った工場は20世紀半ばには閉鎖されたのですが、1991年に工場跡地が火事に見舞われた結果、現在は基礎や骨組のみ残した遺跡のごとき状況となっています。
809_Minneapolis_MS_river.jpg (36560 バイト) Saint Anthony Fall
セントアンソニー滝
ミネアポリス
ミネソタ州
★★★
ミシシッピの滝
大河ミシシッピで唯一の滝・セント・アンソニー滝は、現在は製粉所ではなく水力発電施設として使われています。滝の横には水位の上下で船が通れるようにした水門があります。写真はミシシッピ川クルーズの遊覧船で、水門を見下ろす展望台から撮影しました。目の前で大きな船がどんどんせり上がる様子を見るのはなかなか楽しいです。
811_LucletiaRembhlant_Minneapolis_Institute_of_Art.jpg (27616 バイト) Minneapolis Museum
ミネアポリス美術館
ミネアポリス
ミネソタ州
★★★★
実は充実した美術館
アメリカの美術館といえば、メトロポリタン、ナショナルギャラリー、ボストンあたりが有名ですが、ここミネアポリスの美術館もかなり充実しています。モネをはじめとした印象派の作品がかなり多く、レンブラントの名画「ルクレチア」(写真)も常時展示されています。しかも、この美術館の常設展は無料(任意の寄付)ですから、行かない手はないでしょう。
820_State_Capitol_St._Paul_MN.jpg (26204 バイト) Minnesota Capitol
ミネソタ州議事堂
セントポール
ミネソタ州
★★★
知事は元プロレスラー
ミネアポリスとはミシシッピ川を挟んでツインシティ(双子の都市)と呼ばれるセントポールにある州議事堂です。ミネアポリスが商業の中心なのに対し、セントポールはミネソタ州の州都であり、行政の中心という位置づけです。大理石をふんだんに使った議事堂内部は無料ツアーで見学できます。ミネソタは南北戦争直前に州に昇格したのですが、南北戦争ではいち早く北軍の一員として参加したことに誇りを持っているとのこと。写真は、屋上からセントポールの街を見渡したものです。
818_Cathedoral_of_St._Paul.jpg (19883 バイト) Saint Paul Cathedral
セントポール大聖堂
セントポール
ミネソタ州
★★★
巨大ドームを持つ聖堂
上と同じく、議事堂屋上から町の名のと同じセントポール大聖堂を望んだものです。1915年建立と古くはありませんが、ドームの高さは約50mあり、規模の面ではアメリカ屈指です。内部は鮮やかな青のステンドグラスが印象的でした。
823_mallAmerica.jpg (38774 バイト) Mall of America
モール・オブ・アメリカ
ミネアポリス郊外
ミネソタ州
★★★★
全米最大のモール
アメリカで一番大きいインドアのショッピングモールで、総面積39万平方メートル、デパート4軒、店舗約520軒、水族館などがすべて1つの建物の中に入っています。吹き抜けの中心部にはスヌーピーのテーマパーク(ナッツ・キャンプ・スヌーピー)があります。ちなみに、世界一大きなモールは中国の北京、第2位はカナダのエドモントンにあります。


 ←観光情報トップへ  

 

 


アメリカ大陸30000km

アメリカ大陸30000km
↑↑
トップページへ戻る
(c) 2003-2006 Taihaku, All Rights Reserved.