Grand Circle (グランドサークル=アリゾナ・コロラド・ユタ)
アリゾナ州北部、ユタ州にコロラド州の一部を含む地域は「グランドサークル」と呼ばれ、グランドキャニオンをはじめとする国立公園が集中するとともに、素晴らしい自然景観が楽しめるエリアとして有名です。メジャーなルートは、ラスベガスからザイオン、ブライスキャニオン、アーチーズ、キャニオンランズ、モニュメントバレー、グランドキャニオンを回ってラスベガスに戻るルートですが、日程の余裕に応じて、メサベルデ、キャニオンデシェイ、化石の森などの国立公園を加えることもできます。ユタ州にあるキャピトルリーフ国立公園も素晴らしいと話を聞きますが、アクセスが悪いのがネックです。

特にお勧めなのは、グランドキャニオン、キャニオンランズ、モニュメントバレーです。ほとんどの国立公園は、赤茶色の岩石が織り成す造形美ですので、飽きっぽい方はある程度数を絞って訪問した方がいいかも知れません。

 

評 価

★★★★★
★★★★
★★★
★★
★   
このために日本から行く価値あり!
周辺に行くなら外せない
訪れる価値あり
人によって好き嫌いが分かれるか
私はあまりオススメしません…。

 

(写真をクリックすると拡大されます)

248_Tucson_Saguaro_Ntnl_Park.jpg (401800 バイト) Saguaro National Park
サワロ国立公園
ツーソン郊外
アリゾナ州
★★★
巨大サボテン群生地
典型的なサボテンの絵は、トゲトゲの太い幹にニョキっと腕のように生えた枝、場合によっては顔まで書いてありますが、このイメージの元となっているのが、世界最大のサボテン、サワロです。アリゾナ州とメキシコ・ソノラ州の砂漠地帯にしか生えない、このサボテン、そこら中に生えていますが、ツーソンの西と東の郊外計2箇所の群生地が、国立公園に指定されています。写真は東園で撮影したものです。キツツキが巣穴を開けた跡のために、本当に顔のように見えるサボテンもありまし。5月頃に訪れれば、可憐な花を観察することができます。
247_Biosphere2.jpg (32160 バイト) Biosphere 2
バイオスフィア2
オラクル
アリゾナ州
★★
外界と遮断されて2年間…
ツーソンから77号線を北へ20マイル、Oracle Junctionを右折して更に77号を進むと、荒涼とした台地に近代的な建物が現れます。ここは、れっきとしたコロンビア大学の実験施設で、宇宙空間のような閉鎖空間で人間がいかに生存していくかを研究しています。1991年から丸2年間、8人の研究者が外界と完全に遮断された建物(空気も建物内での循環のみ)で生活した実績があります。体験を含めてそのコンセプトを学べる科学館風の施設なのですが、私が訪問したときはすでに営業時間終了後でした…。
252_arizona.jpg (12138 バイト) Arizona Route #79
アリゾナ79号線
ツーソン−フェニックス間
アリゾナ州
★★★
サボテン街道に沈む夕陽
ツーソンからフェニックスへ向かう際には、高速道路(インターステート10号線)を使わず、アリゾナハイウェイ79号線(一般道)のドライブをお勧めします。サガロ国立公園に行く時間がない方でも、ドライブしながら巨大サボテンの群生を見ることができます。特に、夕暮れ時の景色は息をのむ美しさです。
Dog Racing, Phoenix
ドッグレース場
フェニックス
アリゾナ州
★★
アメリカ最大の犬レース場
フェニックスは人口増加と開発の著しい成長都市で、ダウンタウンのピカピカのビル街は一見の価値があると思いますが、ここでは若干アナ場、フェニックスの空港北側にあるドッグレース場をご紹介します。アメリカ各地に存在するドッグレース場ですが、ここは最大規模で、ほぼ毎日(夜)開催しているとのこと。なお、これはれっきとしたギャンブル場ですので、よいこの皆さんは「犬券」(というのでしょうか…)は購入できません。私はスケジュールが合わなかったので、残念ながら中は見ていません。
Sedona
セドナ
アリゾナ州
★★
赤色巨岩地帯
フェニックスから北へ、フラッグスタッフの手前に位置しますが、ここは国立公園ではありません。アリゾナからユタに至る、赤茶色の岩山の南端部にあたります。もし、あなたがグランドサークルを1周して、最後にここを通るなら、すでに食傷気味の貴方は立ち寄る必要はないと思います。あえて言うなら、ここのトレイルを歩くと、赤茶色の岩山とクリーク沿いの緑というコントラストが楽しめますが…。セドナは芸術の街としても知られており、中心部には現代美術や伝統工芸品を扱うギャラリーやショップが並んでいます。
270_petrified.jpg (47415 バイト)
Petrified Forest
化石の森国立公園
アリゾナ州
★★★
化石がごろごろしてると思ったら…
アリゾナ州フラッグスタッフから、東へ車で2〜3時間のところにあります。「地球の歩き方」などのガイドブックでは「化石の森」と訳されているのですが、"Petrified"とは「石化した」という意味で、 "Fossilized" (化石化した)とは違います。ここで見られるのは巨大な「珪化木」で、アンモナイトや三葉虫の化石がその辺に転がっているわけではありません。写真の場所はペインテッド・デザートと言い、露出した色も硬さも違う地層が浸食されて、デコボコになった、文字通り、画で描かれたような場所です。似たような景色を、サウスダコタ州のバッドランズ国立公園でも見ることができます。
(※さかしたさんの掲示板でのご指摘を受けて一部訂正)

Walnut Canyon
ウォールナットキャニオン
国定公園
アリゾナ州
★★★
絶壁のインディアン集落跡
ここは、12〜13世紀のインディアンの遺跡です。★3つとしましたが、個人的には結構お勧めです。グランドキャニオンへの入口となるフラッグスタッフから近く、アクセスも容易です。隣の国定公園であるサンセットクレーターが1064年噴火し、ちょうどその頃、シナグア族のインディアンが太平洋岸から移住してきたと考えられています。彼らは絶壁の石灰岩のすき間を利用し、柔らかい岩を掘るような形で、天然の屋根つきの住居を作り上げました。13世紀半ばには他所へ移住・集落は放棄されましたが、一説によるとホピ族と同化したとのこと。なお、英語のTOEFLを受験した経験がある方には、長文読解の例題に描写されたインディアンの遺跡の現物です、といえば分かるでしょうか…。トレイルは長くはありませんが、最初と最後は断崖を登り降りする階段なので、ちょっと疲れるかも知れません。 
Route 66
ルート66
ウィリアムス
アリゾナ州
★★★
「古き良きアメリカ」の面影
シカゴとロサンゼルスを結ぶかつての大動脈、ルート66。現在は日本の高速道路に相当するインターステートに取って代わられ、ほとんどは現存しませんが、一部区間が今も残っています。ここウィリアムスも、その1つで、アメリカを象徴した街道のノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。この街はまた、グランドキャニオンへ向かう蒸気機関車の起点でもあります。偶然、ハーレーに乗った軍団に出くわしたのでパチリ。
Mather Point
マーサーポイント
グランドキャニオン国立公園
サウスリム
アリゾナ州
★★★★★
あまりにも有名な観光地
あまりにも有名な世界的観光地です。いくつかのビューポイントがあり、ここ"Mather"(マーサー)とは、初代の国立公園局長の名前です。下のHopi Pointの写真と比べると一目瞭然ですが、昼間の日の高い時は陰が少なく、ややのっぺりとした印象を受けます。トレイルは、夏の昼間は日差しがきついので水を大目に持つことが絶対条件です。折角なので、谷の途中まででも降りてみてはいかがでしょうか。私は、1.5マイル地点:標高差300mで引き返してきましたが…。   
310_HOPI_POINT.jpg (27759 バイト) Hopi Point, Grand Canyon
ホピ・ポイント
グランドキャニオン国立公園
サウスリム
アリゾナ州
★★★★★
夕焼けのコロラド川
こちらは、サウスリムの西側(ウェストリム)に位置するホピ・ポイント。キャニオンに沈む夕陽を観賞する絶好のポイントです。ただ、あまりにも人が多いので、ちょっと東側のポイントの方がお勧めです。なお、サウスリムは交通アクセスが良いため観光客が多く、大気汚染問題解決のため車両の流入規制が強められており、2003年夏はホピ・ポイントを含むウェスト・リムへはシャトルバス(天然ガス車)でしか立ち入りができない状態でした。今後は、公園の外に車を止めてシャトルバスでアクセスする形になります。
Monument Valley
モニュメントバレー
アリゾナ州
★★★★
映画の舞台
ここもかなり有名な観光地です。グランドキャニオンの北東、ナバホ・インディアン地区に所在するモニュメント・バレーは、古くは映画「駅馬車」、比較的新しいところでは「バック・トュー・ザ・フューチャー3」の舞台となりました。国立公園ではないため、ナショナルパークパスは使用できません。比較的平坦な地形に、赤茶けたビュート(残丘)がぽつぽつと立っています。風が強く、細かい砂が舞うのでコンタクトに注意。個人的には、公園の中だとあまりに近いので、写真のように、公園外の道路から遠巻きに見た方がむしろきれいなような。あっ、でも、ビジターセンター内のレストランで頼んだナバホのサンドイッチは美味しかったです。
328_Mexican_Hat.jpg (21454 バイト) Mexican Hat
メキシカンハット
アリゾナ州
★★★
言われてみれば帽子の形?
モニュメントバレーから北に車で約20分、ユタ州に入って少し行った163号線沿いにあります。不安定な「バランスロック」はアーチーズ国立公園にもありますが(3つ下の写真参照)、ここの岩は心なしか愛嬌があります。モニュメントバレーのついでに立ち寄ってはいかが?
Four Corners
フォーコーナーズ
アリゾナ州・ユタ州ほか
★★
4つの州の境界
モニュメントバレーから160号線を東へ2時間。アメリカで唯一(世界で唯一?)、4つの州(ユタ・コロラド・アリゾナ・ニューメキシコ)の境界が1点で交わる点です。境界線が引かれたモニュメントがあるだけなので、地図上の珍しい点に興味が無い方にはお勧めできません。私はメサベルデへの道を急いでいて時間がなかったので、中には入っていません。これは入口の看板です。
Messa Verde
メサベルデ国立公園
コロラド州
★★★
米唯一の非自然世界遺産
コロラド州南西端に位置する、世界遺産指定のインディアンの遺跡(7世紀〜14世紀)です。写真のように遺跡を遠くから眺めるだけなら自由(セルフガイドツアー)ですが、遺跡の中を歩こうとすると、レンジャー引率のツアーに参加する必要があります。ここの最大の欠点は、とにかくアクセスが悪い(遠い)こと。モニュメントバレーから車で3時間、公園に入ってから更に1時間近く走る必要があり、ここを見るだけで1日がかりです。時間に余裕が無く効率的に回りたい方は、他を優先された方がよいかと思います。
Balance Rock, Arches
バランスロック
アーチーズ国立公園
ユタ州
★★★★
メキシカンハットに続き…
「安定感のなさそうな岩」シリーズ第2弾です。アーチーズ国立公園内の道路沿いから見ることができます。もともと2つあったのが、1つは崩れ落ちてしまったのだとか…。
Landscape Arch
ランドスケープアーチ
アーチーズ国立公園
ユタ州
★★★★
世界一長いアーチ
全長89m。スケールも大きいので個人的にはデリケートアーチよりお勧めです。駐車場からトレイルを20分ほど歩くと到達できます。なお、1991年にアーチの一部(中央やや右の岩が薄い部分)が崩落したため、アーチの真下まで近づけるトレイルは現在閉鎖されています。
Window Section
ウィンドウセクション
アーチーズ国立公園
★★★
アーチーズ ウィンドウズ
これは、アーチの卵で、まだまだ穴が開き始めといった岩です。ところで、アーチーズといえばユタ州のナンバープレートのデザインにもなっている「デリケートアーチ」が最も有名なのですが、近くに行くには山道のトレイルを片道1時間近くかかるので、結局遠くから眺めるだけにしてしまいました。
Grand View Point
グランドビューポイント
キャニオンランズ国立公園
ユタ州
★★★★★
グランドキャニオン以上の絶景! オススメ!
ここの景色(写真)は、私のアメリカ1周旅行中最も印象に残ったものの1つです。展望台からの視界が開けているので、景色だけならグランドキャニオンをも凌ぐと思いました。アーチーズから車で1時間半ほどなので、絶対に見ておくべきだと思います。ここは、国立公園にもかかわらずオフロードの聖地になっており、写真では見下ろしている断崖を、ハマーをはじめとする4WDの車をレンタルしてガンガン走ることが出来るそうです。
372_Bryce_Canyon_Inspiration_Point.jpg (58134 バイト) Inspiration Point
インスピレーションポイント
ブライスキャニオン国立公園
ユタ州
★★★★
何に見えますか?
ブライスキャニオンでは、地層の弱いところが集中的に削られた結果、写真のような尖塔群(フードゥー)が形成されています。グランドキャニオン、モニュメントバレーと合わせて「グランドサークルの赤茶色三兄弟」といったところでしょうか。「インスピレーション」の名を持つ展望台ですが、私は「コーラの瓶」しか連想できませんでした。ザイオン国立公園とはそれほど離れていないので、少し急げば両方を1日で回ることも可能です。
376_ZION_VISITOR_CENTER.JPG (29117 バイト) Zion
ザイオン国立公園
ユタ州
★★★
ビジターセンター前より
切り立った岩山が印象的な国立公園です。アメリカ人には非常に人気があり、毎年200万人を超える人が訪れるため、公園入口に車を止めてシャトルバスで回ることになります。ただ、私の個人的評価は高くありません。緑が豊富なため、日本の渓谷のスケールを大きくした感じで、イマイチ独自性が感じられないからです。公園北端の"The Narrows"では、岩山の間を流れる川に入って遡っていきますが、子供なら喜ぶでしょうが、何となく"So What?"という感じでしたし…。野生動物が多いとのことで、確かにシカは見かけましたが、動物に関してはカナディアンロッキーやイエローストーンの方が圧倒的に上です。


 ←観光情報トップへ 

 

 


アメリカ大陸30000km

アメリカ大陸30000km
↑↑
トップページへ戻る
(c) 2003-2006 Taihaku, All Rights Reserved.