Net-SNMP


   SNMP(Simple Network Management Protocol)とは、ネットワークを管理するためのプロトコルで、RFC(The Request for Comments)にその内容が記載されています。SNMPは、SNMPエージェントとSNMPマネージャの二つの要素からなります。SNMPエージェントが「管理される側」、SNMPマネージャが「管理する側」となります。SNMPマネージャはSNMPエージェントから送られてきた情報をもとにネットワークの状態を監視します。
 ここでは、SNMPエージェントのソフトウェアの開発において、動作確認の際に必要となるフリーのSNMPパッケージ(Net-SNMP)について紹介します。
 
■The Net-SNMP Projectの公式サイト(英文)
http://net-snmp.sourceforge.net/
(ソースコードのダウンロード:http://sourceforge.net/project/showfiles.php?group_id=12694
※)Net-SNMPは、以前はucd-snmpという名称でした。

■Net-SNMPのインストール方法
 Net-SNMPの公式サイト(http://net-snmp.sourceforge.net/)から任意のディレクトリ(ここでは、$HOME/TOOL)にソースコードのアーカイブ(net-snmp-x.x.x.tar.gz)をダウンロードする。
 
 
$ cd $HOME/TOOL # ダウンロードしたディレクトリに移動
$ tar xzvf net-snmp-x.x.x.tar.gz # ファイルの解凍・展開
net-snmp-x.x.xというディレクトリが生成され配下にファイルが展開される)
$ cd net-snmp-x.x.x # 展開してできたディレクトリに移動
$ ./configure # 環境設定
$ make # コンパイル
$ su # スーパーユーザに変更
Password: (パスワード)  
# make install # インストール
# exit #一般ユーザに戻る
$  
 

■Net-SNMPの使用方法
 Net-SNMPの機能は非常にたくさんありますが、その中で私が使用したことのある機能についての使用方法を紹介します。SNMPエージェントからトラップを受信するには、スーパーユーザの権限が必要となります。

1. MIB(Management Information Base)ツリーの照会

 
$ snmptranslate [options] [<objectID>]
 

   パラメータを何も付けずに実行するとオプションの説明が表示される。

2. MIBの特定コミュニティ配下のオブジェクトIDの照会

 
$ snmpwalk [options...] <IP address> <community> [<objectID>]
 

   パラメータを何も付けずに実行するとオプションの説明が表示される。

3. MIBの特定オブジェクトIDの照会

 
$ snmpget [-Cf] [options...] <IP address> {<community>} [<objectID> ...]
 

    パラメータを何も付けずに実行するとオプションの説明が表示される。

4. トラップの受信
   スーパーユーザの権限が必要となります。

 
$ su # スーパーユーザに変更
Password: (パスワード)  
# /usr/local/sbin/snmptrapd -P # SNMPトラップ受信サーバの起動
パラメータを何も付けずに実行するとオプションの説明が表示される。
(停止させる場合は、Ctrl+Cを押す。)
 

※)snmptrapdには様々なオプションがありますが、SNMPエージェントからのSNMPトラップの受信を確認するだけの場合は、-Pのみで十分です。
  【オプションの意味】
   P:標準エラー出力

 より詳細なパケットの内容を参照したい場合は、Etherealを併用すると全てのパケット情報を解析することができます。

 


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