◆ルイジアナ州の雑学(トリビア)
- 「ルイジアナ」の名前は、フランス王ルイ14世にちなむもの。ニューオリンズ(New
Orleans)も、フランスのオルレアン公に由来する。
- 1803年、アメリカ大統領トーマス・ジェファーソンは、フランスから1500万ドルでミシシッピ川以西のルイジアナを購入した。これは、現在のルイジアナ州に限らず、カナダ国境に至る極めて広大な土地(13州分)。フランスは、ナポレオン統治下で周辺国との戦費調達の必要があったため、アメリカに売却した。これにより、当時のアメリカの領土は約2倍になった。
- ルイジアナが「ペリカンの州」と呼ばれるようになったのは、初代ルイジアナ・テリトリー総督のウィリアム・クレイボーン( William C.C. Claiborne)が、周辺に生息するペリカンが、飢えた自分の子のために自らの肉を裂いて餌として与えているのを見て感動し、公文書にペリカンをシンボルとして採用したことによる。
- ルイジアナの多数を占める「ケイジャン(Cajuns)」は、18世紀にカナダから移住してきたフランス系の住民の子孫。1763年のパリ条約でケベック地方がフランス領からイギリス領となったが、一部の人々はイギリス王への忠誠を拒み、南部へ移住してきた。彼らは最初、自分達をアカディアン(Acadians:アカディア地方から来た人)と呼んだが、この英語読みがアケイディアン、後に先頭のAが取れてCadians、さらにCajunsとなった。
なお、彼らのルーツである「アカディア」の名前は、メイン州のアカディア(アケーディア)国立公園などに見ることができる。
- ルイジアナの郷土料理(ケイジャン料理)の1つにザリガニ料理があり、ブローブリッジ(Breaux Bridge)は「ザリガニの都」と呼ばれている。
- フランス系住民(アカディアン)が移住してきた18世紀後半、ルイジアナはスペインの統治下にあり、現地政府が入植者を歓迎する政策を採っていた。彼らは、アフリカ系のクレオール、アメリカンインディアン、フランス以外からのヨーロッパ系植民者と共存関係にあった。
- 19世紀のルイジアナは、奴隷労働を前提としたプランテーションが数多く作られ、ミシシッピ川周辺にプランテーションを経営者の豪邸がいくつか現存しており、観光スポットとなっている。
- ルイジアナ州は、アメリカ50州で唯一、「カウンティ(郡)」をもたない。州内の行政区分は「パリッシュ(parish)」と呼ばれる。
- 全米最大の祭り「マルディ・グラ」(Mardi Gras)は、毎年2月下旬から3月上旬にニューオリンズで開催される。もともと、南ヨーロッパの古い習慣に起源があり、カトリック教徒がイースター(復活祭)前40日間に肉食を断つレント(祈りと犠牲の期間)がはじまる前日、盛大に食べ、楽しむ祭り。この、「謝肉祭」の日にマルディ・グラは最高の盛り上がりを見せるが、その前約1ヶ月から、街中では仮装した人々や山車(だし)による盛大なパレードが行われる。
- ニューオリンズ北部にあるポントチャートレイン湖・コーズウェー(The Lake Pontchartrain causeway)は、世界で一番長い橋。湖の南北両岸を結んでおり、全長38km。
- ニューオリンズで走る市電(セント・チャールズ線:The Saint Charles streetcar line)は、現存する中では世界最古の市電。
- 1812年、アメリカはイギリスと戦争したが(米英戦争)、両国が講和したものの、通信事情が悪いため実際に戦っている場所に終戦の知らせが届くまで非常に時間がかかった。このため、ニューオリンズでは講和後2週間経ってからアメリカ・イギリス両国が戦った(ニューオリンズの戦い)。「戦争は終わった」という知らせが現地に届いたのは、さらに1ヶ月後。
- ニューオリンズはジャズの本場。伝説のトランペット奏者、ルイ・アームストロング(Louis
Armstrong)もニューオリンズの出身。
- ニューオリンズにあるスーパードームは、鉄製の支柱が建物の真ん中にない建物としては、世界最大。高さ82.3m、ドームの直径210m、総床面積 (82,342平方メート
- バトンルージュにある州議事堂は、アメリカの州議事堂で最も高層。高さ約150mで34階建て。
- ルイジアナ州は現在も、州法の中でナポレオン法典を引用している。
- ルイジアナの法律では、誰かに自分の歯で噛み付くことは単純な暴行罪となるが、入れ歯で噛み付くと「加重暴行罪」とされ罪が重い。
- アメリカの墓地はどれも南北を向いていないが、レイン(Rayne)にあるセント・ジョセフ墓地は唯一、南北を向いている。この町は、「カエルの都(The Frog Capital of the World)」として知られている。
- グエイダン(Gueydan)には水鳥が多く生息しており、アヒルの都(Duck Capital of America)として知られている。
- ジャン・ラフィット(Jean Lafitte)には、かつて海賊の隠れアジトがあった。
- チャーチ・ポイントは、バギーの都(The Buggy Capital of the World)として知られており、毎年6月最初の第一週の週末に、バギー祭りが開催される。
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