映画 「5等になりたい」        ’03.3.28 NHK BS

「5等になりたい」                               2003.3.28 NHK BS2
何年前の映画だったっけ?とパンフを探す。1995年、そうかそんな前か・・・
確か まだGOROFUNのお友達も居なくて 一人で観に行った。よみうりホールじゃなかったっけ?
それがやっとTVに登場。留守録して翌日ゆっくり見た。。。。

小学校に入学した律子は 赤ちゃんの頃の病気のせいで 足が悪い。片足引きずって歩く。
でも沢山のお友達が出来ると小学校に行くのを楽しみにしていた。
ところが 歩くのが遅いことや 母親や先生が気を使いすぎることが原因で 
いじめられることになる。その残酷ないじめは 目を覆うほどだ。
まだ律子が小さい時に ギブスをはめて ギクシャク歩くのを ロボットだと言ったのは 
悪気じゃなかった。でも教室の中で 律子のそばがいやだと言ったり 雛人形を壊しちゃったり 
体育館の倉庫でボールぶつけたりくつや傘を隠したり。。。あんまりにも残酷だ・・・
ふと思う 現実にはもっとひどかったりするのだろうか?

そんな律子を励まし勇気づけたのが 目の見えないマッサージ師の石橋先生(これがGOROさん)
なんとも 優しい声で語る石橋先生はGOROさんにぴったり。
クラスメートの前では 泣かない律子も石橋先生の前だと わぁわぁ泣いてしまう。
「わたしが 泣かないから いじめても いいって 言うんだよ」。。。
すると 石橋先生「そりゃそうだよ 律子は小さい時ぜーんぶ涙流しちまったもん」といって
初めて 診療所に来たときの 大泣きしているテープを聞かせる。そして全身映る鏡の前に立って
他の子と違うって言うことを自覚させる。石橋先生自身も目が見えない為に いじめられたと言う。
「からかわれて 悔しかった、随分泣いたよ。この目が見えないかってごしごしこすったりもした」
「だけど そんなことしたって見えるようになんかならない。
自分は誰から見ても目の見えない人なんだ。それを素直に認めようと思ったんだ。
人と違っていいんだってね。そしたら心がうーーんと軽くなったんだよ」
「先生には 目は見えないけど よおく見える耳があるんだ」 
「人はどっかにハンディを持ってるとおもわないか?目の悪い人、入れ歯がないと食べられない人、
先生と律子はたまたま ハンディが人からよく目につくところにあっただけなんだよ」
「人をいじめ楽しんだりそれを見て笑ってる子たちは 心のハンディを持っているってネ」
・・・・それを 聞いて律子は 元気づけられる。

いじめっこの省吾は機嫌がいい。。。
お母さんが 勤めていて甘えられない。いつも母親と一緒に歩いている 律子が羨ましかった。
そんな 気持ちがいじめになっていた。。ちゃんといけないことだってわかってる。
それを班ノートに書いたら 先生から母親あてに手紙が渡され母親と夜散歩に出て楽しかったって。
省吾も さみしい心の持ち主だったんだね。

体育館。。。またへんな歩き方と まねされバカにされる律子。でも今度は 黙ってない。
「わたし そんな歩き方してないよ、省吾君 みんなに見せてあげて」と 
幼い頃やったロボット歩きを二人でする。なにかが 変わってきた。
昼休み 外で縄跳びをする女子達。律子は勇気を振り絞って「入れて 私もいれて!」
いじめっこ 咲子ちゃんもいる 「だめだよ 律子ちゃん飛べないもん」「私 持つ人になるから」
・・・・律子は自分の力で 友達つくっていけるね。

そして 班ノートが律子の番になって 省吾の気持ちを知る律子。
律子が ノートに書いたのは「わたし 五等になりたい」だった
「わたしが 歩いたときお父さんも お母さんも 石橋先生も泣きました。私はそのとき涙には
2つ有ると知りました。嬉しい時と 悲しいとき。運動会で走ったとき どんなに頑張っても
びりの6等になってしまう。私の夢は5等になって ざあざあと嬉しい涙をながしてみたい」
って 先生がクラスみんなの前で読み上げた。すると クラスの子達が次々とあやまる
もうまねっこしない いじめない。咲子もやっと心をひらく 「いつも1番じゃないとママにおこられる」
って すると律子「私もみんなのこと いじめっ子で憎らしいって 意地悪な心でいた」

運動会では 班対抗リレーがある。
省吾も 咲子もいる班だ・・・そして やっぱり律子がいると ぺけになっちゃうって話。
HRで話し合う。すると 「ハンディをつければいい」という意見。
すると省吾が「律子が70m にすればいいんだ」って「俺が 130m走る!」って
先生は嬉しそうに 「では先生は職員会議で話すね」 

さぁ運動会当日。
いろんな競技中 律子は緊張してる。「大丈夫だよ」っていう 咲子
さぁ 本番!!
なんと 律子の赤チームは 1位だ!アンカーの律子は懸命に走る
クラスメート 先生 両親。そして 木の影にいた 石橋先生。
なんと 律子は 1位のまま ゴール!!!!
思わず 前に出て応援していた石橋先生に抱きついて ざあざあと嬉しい涙をながす律子。
そして 石橋先生に背中をおされ クラスメートの元へ。。。

私もおかげさまで ざあざあ 泣いちゃったよ(笑)
五等の夢を みんなで1位にまで実現しちゃったね。
やっぱり 仲間っていいなぁ って思った。
結局 いじめなんて心を開きあえば なくなるんだよね。

律子は 幸せだなって思ったことが 2つある。
ひとつはもちろん 石橋先生の存在。病院の先生でここまで頼りになる人物がいたこと。
GOROさんのソフトな声がまた ぴったりマッチ。「みてごらん」とか「ダンマリお姫サマかい」
なんて 声だけで腰砕け・・・・・(*^^*)  おっと話しそれた。
親以外に大人の存在で 相談できる相手がいるって大きいと思う。
その点では 三年生の担任田中先生も 直接ふれなくてもきちんと見てくれてる存在だったよね。
学校の先生はこうあるべきだなって思う。生徒全員が同じであるという姿勢。
1年生の担任は甘かったよね・・・だから“ひいき”って思われちゃう。
また 田中先生の声が壇ふみさんで きりりとした声がまたぴったりだった。

もう ひとつは クラス全員がいじめに走らなかったこと。
体育館で いじめられたときに 「いけないんだよ」と言った子がいたり
飛びかかって行った しのぶちゃんの存在。ともすると一団となっていじめに走り勝ちな中
いけないことだと 言える子供もいたってことは大きいよね。
律子のいる場所は 少なくともあるって思えるもん。子供同士の問題ってそこでしか
解決できないこともあると思うんだよな。

実際のいじめ問題ってこんな簡単なことじゃないんだろうな って思う。
それでも いまの子供たちに観てもらいたい映画だと思う。

この映画で使われた「少女よ」
もちろん大好きな1曲。なにせ詩がいい。それがGOROさんの優しい声にぴったりあって
まるで風景が見えてくるようだ。地球の美しい姿までもが浮かんでくる。
そして今こんな時代に この曲を聴いたのは切なさも増し さらに涙がでてしまった。


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