尿失禁の基本は、上記の膀胱頚部の落ち込みや、開きを改善することにあります。もともと、膀胱頚部挙上術は、AIのみの適応でした。この手術は、膣から手術することもありましたし、おなかからすることもありました。ただ、どの程度持ち上げればいいのかがむずかいいものでした。また、固定が固まるまで数日かかって寝ていただいてました。
TVT法とここで書きましたが、もともとの発想は、スリングという手術です。この手術は挿入するのが難しかったけど、TVTが普及してからは楽になりました。このTVTなら慎重な正確の先生ならまず上手く手術できます。
尿道周囲注入は、コラーゲンというのを入れるのですが、どの程度いれるかがわかりにくいです。針でさして注入するだけなのだから、数多い施設の先生なら大丈夫です。
一般にTVTは一度ですんで、コラーゲンはTVTほど長持ちしないが、さらに体に負担がないとされる文献があります。が、結局は先生の慎重さがあれば、体の負担というのは気になるものでなく、局所麻酔で実施し、その日に結果がわかります。かなり楽です。
コラーゲン注入
TVT法
膀胱頚部挙上術
尿道が開いてしまっています。
膀胱頚部が落ちています。
尿道過可動タイプ 内因性活約筋不全タイプ
(特徴)腹圧をかけると膀胱頚部が下降します。 (特徴)立位で膀胱頚部の開大が著しい
膀胱頚部挙上術
TVT法
尿道周囲注入法
TVT法
尿道周囲注入法
3大手術の模式図

 さて、尿失禁の手術には、膀胱頚部挙上術、TVT法、尿道周囲注入法の3つがよく行われます。
この理屈は、尿道または膀胱頚部をどんなふうに持ち上げるかもしくはゆるんでいるのを締めるかです。
尿失禁の手術について説明しましょう。
尿失禁の手術は、膀胱の位置関係できまります。膀胱の出口である膀胱頚部はロートのように開いていますから、この開きをなんとかしてキュとしめるのです。
下図では、この膀胱の位置関係と手術について説明してみました。

まず、腹圧性尿失禁のモデルをだします。
尿失禁手術の基本