個人山行報告書
<日程> 2015/2/14~16
<山域> 南アルプス 塩見岳
<メンバー> 鈴木(こ)、福田、池田
<コースタイム>
2/14
1:00頃 塩川ゲート
5:00 起床
6:45 出発
7:40 塩川小屋
10:00 谷筋と尾根の分岐(急登手前)
12:50 2200m付近(先行パーティ幕営地跡)
17:00 三伏峠小屋

2/15
5:00 起床
7:45 出発@三伏峠小屋
9:30 三伏山
11:15 本谷山
12:15 2608m付近(Uターン開始)
14:50 三伏山
15:15 三伏峠小屋

2/16
5:00 起床
7:20 出発@三伏峠小屋
10:10 谷筋と尾根の分岐(急登手前)
11:30 塩川小屋
12:20 塩川ゲート

2/14
前日は到着が少し遅く、2:00就寝。しかしゲートには車があり、トレースに期待が高まる。
5:00起床の3時間睡眠。そして今回はハーネス等が装備にあるということもあってか、ザックが重い。
天気は曇り。少し風があり、ときおり樹木に積もった雪が舞う。
ゲートから谷筋はずっと平坦かゆるやかな登り。先行パーティのトレースがあり、快適に進む。
しかし、9:00頃にUターンしてきた先行パーティに出会い、敗退してきたことを聞く。
この時間に帰ってこられているということは三伏小屋くらいまでしかトレースがないかも、と当初の楽観的な気持ちが消える。
ルートが塩川から少し離れてまた近づくと、そこから急登が続く。最初はトレースがあったため、比較的楽だった。
かなり登ったかな、と思っていたところで先行パーティのテント場を発見。ここからラッセル(膝くらい)が始まる。
もうすぐ小屋なのでは、というこうへいくんの5年前の記憶だが、ここからが意外と長かった。樹林帯が続きなかなか稜線に出ない。
漸く稜線に出ると風が強く、雪が頬に当たって痛い。三伏峠小屋に着いたのは17時頃。
当初は、本谷山まで行けなければ三伏峠で荷物を降ろしてトレースをつけに行くことも考えていたが、時間的にも体力的にも厳しく、この日は小屋内で幕営して寝る。
小屋は大きなものが三つあり、一番奥の青緑の小屋が冬季小屋。ゴザが敷いてあり、綺麗な小屋だった。
みんなかなり消耗していた。

2/15
5時起床だが、みんな昨日の疲れで動きが鈍い。昨夜の風と雪でトレースが少し消えかかっている。空もどんよりとしていて、晴れない。
小屋から尾根に出るまでは赤テープがなかなか見つからず、低い樹林の中を体をひっかけながら進む。
そうしているうちにテープを発見、稜線に出る。膝〜膝上ラッセルが続き、3時間半くらいで本谷山に到着。
こうへいくんに「登頂は難しいがまだ進みたいか、13時までなら進むことは可能」と聞かれる。
登頂こそできなさそうなものの今回は体力トレーニングではなく本番なのでここで引き返すのも早い気がして、もう少し進むことにする。
そうしているうちに、太陽が出ては隠れ始め、昼前には青空が見える。風も凪いだ。
そのときちょうど本谷山のあとのコルを越えて小高くなったところ(2608m付近)にいたのだが、雲が晴れて右手に塩見岳が現れた。遠い。
これはもう1日ないと今の自分では厳しい、と実感する。岩の山ということで綺麗にとんがっていて、山頂をアイゼンで歩いてみたかったなーと残念に思う。
こうへいくんもいつになく、未練あり気だ。
晴れて、塩見岳も見られたので満足し、リミットの13時には早いが12時すぎにUターン開始する。数時間前のラッセル跡はかなり消えていた。
このあと、ずっと空は晴れ続け、夜は満天の星空。しかし疲れで星が少しかすんで見えた。

2/16
5時起床。よく寝たので昨日よりはみんな動きが早い。夜、私は寒かったけれど、こうへいくんと福田さんは暑かったとのこと。
出発の頃には日も出ていて朝の気温も高い。これから引き返すにもかかわらず気持ちのよい朝。
一昨日たどったルートは少し遠回りなのでは、ということで最短ルートの尾根を探す。
尾根を一本西に行き過ぎたかな、ということはあったが大きな迷いはなく赤テープのあるルートに合流。
ここで、最新の国土地理院地図では古いものと三伏峠付近の塩川へ向かうルートが少し変更になっていることに気づく。
旧ルートは小屋から北北西の尾根をすっと降りるが、新しいルートでは一旦北西の尾根に入ってから豊口山へ向かうルートとの分岐で北北西の尾根に入っていく。
ときどき雪の下の木にひっかかったり深みにはまったりしながらも下りは快調。
トレースは雪に覆われてしまってときどき見失ったが、最初の尾根選びのあとは大きな迷いはない。
天気も良く、日向は特に暑い。沢筋の道では、日向の雪が溶けてきており、斜面は落ち葉が見えているところもあった。
ゲートにはお昼過ぎにつき、天気もよいので装備を乾かしつつ日向ぼっこ。車の周りの雪はない。

二日続けてフルで12時間行動を続ければ、ギリギリ行けないこともない、とのお二人のお言葉だったが、
2月の雪が一番深い時期に二泊三日で塩見岳は結構厳しい、ということがわかった。

また、冬は登頂達成の如何が夏よりずっと天候に左右されるし、ルート選びも難しいのでトレースの有無も大きいことを実感。
この冬5回目の冬山にして、(まだまだ知らないことがあるものの)基本的なところはひととおり分かってきた気がしている。
また、これまでは慣れるのに精一杯だったが、ここにきてできれば登頂したいという欲が出てきている。

反省: テントの入り口を開けるとき入り口が垂れて火の上に落ちそうになった、干してある福田さんの手袋を落として焦がしてしまった
できるようになったこと: ラッセル少し(福田さんにもほめてもえた!)、歩いていてもわかんがあまり緩まなくなった、テント生活の流れが分かってきて指示される前に動けるようになってきた。