個人山行報告書
<日程> 2014/1/24~25
<山域>御嶽山系の阿寺山地にある標高1,982 mの小秀山:乙女渓谷
<メンバー>山口、三浦
<山行記録>
1月24日(金)午後9時間半に名古屋を出発し、中央高速道路で中津川〜国道275号線で加子母へ向かった。
国道から「乙女渓谷」の看板のある林道に入り森の中に入る。林道に積雪があり、所々凍結していたので慎重に運転する必要があった。
午後11時間45分ごろに乙女渓谷駐車場に到着しテントを設営した。周囲の積雪は10cm程度。満天の星空。
空気が澄み切って一つ一つの星の輝きが冴えて美しい。
寒いことを覚悟して厚着で準備をしたけれども、テントに入ってコンロに火をつければ、中ではシャツ一枚にならないと汗が出るほど暑い。
山口さんはビールを片手に、小生は赤ワインでカシューナッツとチーズをつまみながら夜話がはずむ。
「ミーティングの時間に十分に話をするのが難しい。テントに泊まって、ゆっくり山仲間と話せるのがいい。御在所でも、前夜泊できれば、テント生活の練習にもなってとてもいいと思う。」
と山口さんは言う。
1月25日(土)午前7時起床。異常に暖かい!という印象だ。
湯を湧かし、即席麺の朝飯を食べる。
9: 30 乙女渓谷の木道を歩き始める。階段が凍結して滑りそうで怖い。
11:00 夫婦滝着:積雪50cm位
11:30 夫婦滝(男滝)登攀開始
遠くから見ると夫婦滝は男滝と女滝の滝は二筋の青い氷瀑として光っている。近くでよく観察すると氷柱の先から水が垂れ落ちている。
バイルが凍結せずに水滴がつくので気温は氷点下ではないことが分かる。
氷の下から、水が流れる谷川の音がする。アイスバイルでアイスを叩くと「ガサ!」と鈍い響きがする。中が空洞である。
氷を打ち抜いたら滝壺に落ちる可能性もある。慎重にアイスの状態をよく観察していたら、突然、上方から柱が壊れて砕けながら轟音と共に落ちてきた。
「だから温かい日にアイスは嫌なんだな~」とYamaguchiさんはボヤく。
氷柱が落ちそうな左岸側は避けて、右岸側のやや傾斜の緩いアイス部分にルート工作をすることにして山口さんは登り始めた。
25 mほど登った所で、「この辺で今日は止めていい?」という声が聞こえてきた。もちろん私は異存はない。「いいですよ!」と応えた。
これだけアイスが融ける情況では無理しない方がいい。「アンカーを作って、トップロープで練習しましょう」。
その場所にちょうど岩に残置ハーケンを見つけて、懸垂下降の支点として使えると判断したのである。
14:30 夫婦滝アイスクライミング終了
15:00 夫婦滝から下山開始
15:45 乙女渓谷駐車場着
失敗談:滝壺から一般道に戻るトレースで雪を踏み抜いて両足とも水深30-40cmの谷川に落ちてしまった。
幸いにもネオプレン素材の防水靴下を履いていたおかげで、足は冷たさは感じなかったけれども靴は浸水してしまった。
「アイスクライミングには付き物」らしい。「ケロなんて、胸まで浸かって泳いだことがある。」とのことだ。
上には上があったが、下には下がなかった。雪の下は落とし穴が空いていた。
装備(試着):オーストラリア製のYowie(オーストラリア方言で雪男)というスノーシューをステラの西野さんの薦めで使ってみた。
単純な一枚のプラスチック製の板で、薄っぺらに作られている。薄いが故にキックステップで雪の斜面に足を蹴り込んで登ることができる。
これはワカンやパイプフレームのスノーシューに難しい芸当である。山口さんの愛用のスノーシューで、てっきりオーストリア製だと信じていたようだ
。登山用品はヨーロッパ製が多いので、間違えるのも無理はない。私も知る限り唯一のオーストラリア製の登山用品である。