個人山行報告書
<日程> 2013/12/21~23
<山域>南アルプス 甲斐駒ケ岳
<メンバー>山田、鈴木

21日 5:00猫屋敷集合 10:00駐車場着 10:30黒戸尾根アプローチ
17:30 7丈小屋着

明日からの登攀に備えて本日はエコモードでアプローチ。
でも今まで3人で持ってた荷物を二人で持つ+アイスのギア+トシはアイス用のアイゼン(つまり二つ持参)+アイス用の替えピックを持っていったのでフラフラ。
スティーブハウス戦法(1時間に1回の小休止)で頑張ってコースタイムくらいで7丈小屋着。八合目までいこうと思ったが、断念。
甲府の夜景は最高。明日に向け極上プレミアムビールで乾杯して就寝

22日 4:00起床 5:30出発 8:00中央稜登り始め 12:00 2P目終了 15:00 4P目終了 19:00 登攀終了 20:00 7丈小屋着

8合目あたりで明るくなり始め、8合目の岩小屋から奥壁に向けて下降する。
取り付きまでは一昨日までに降った雪が深く、雪の層はできていないものの気温が高くなると全層雪崩が起きそうな感じで少し気持ち悪かった。
取り付きはコウヘイが知っているので問題なし。顕著なワイドクラックからスタート。

1P目 コウヘイリード 
今回リードは空荷、フォローが全装備を背負うタクティクス。べっとり雪が付いたワイドクラック~傾斜の強いスラブ。
コウヘイのカッコいいクライミング(写真見てちょ)で途中、アクシデントが多々起きるも(私は書けないので本人に聞いて下さい)完登。
コウヘイの真剣な顔が拝めました。

2P目 以下トシ全てリード 
ルーファイに迷うも基本ブッシュをつなぎ60mいっぱいで3P目基部まで。なんとこの時点で12時間際!!かなり焦る。
アクシデントがあったにせよ、冬季登攀に慣れていないことを痛感してしまう。とりあえず明るい内に下部を抜けなくては。

3P目 Ⅳ級、A0
ど垂直のフェースを大胆なムーブで乗越し、雪の乗った悪いスラブのトラバース~凹角。
雪の乗ったスラブはプロテクション取れないし激コワ。ルーファイムむずし。
このピッチの途中から右ルンゼを登ってきたつよつよパーティーと合流。

4P目 Ⅳ級、A0
ワイドクラック~スラブ~ブッシュ。
出だしのワイドクラックはオフィズスサイズ。このためにトライカムを買ったのに家に忘れてきたので、クラックの上部まではノープロで行くしかない。
出だしのフレークにスリングを掛けスタート。一旦登りだすもガチガチに凍った手袋では登れず、薄手になって登る。
何度かスタート地点までずるずる落ちるも。クラック内の左手のホールドと左足の微妙なスタンスを見つけたら案外あっさり登れた。
アルパインでもムーブを事前に固めてから取り付かなきゃいけないこと。手ではなく足が重要だということに改めてきづかされた。

クラックが終わって恐怖のスラブ。
雪の付いたスラブ特有の岩なのかベルグラなのか草つきなのか一体何にアイゼンの爪が引っかかっているのかわかんないけど、それを信じてムーブを起こすあの緊張感がやばかった。
先行パーティーのホールドを探した後があったがそれでも恐ろしかった。こういう所を自信を持ってリードできるようになりたい。

最後はブッシュを繋いで下部終了。コウヘイがフォローで上がってきて一つのアクシデントを乗り越え(これも本人に聞いてください)15時。
小休止の後、明るいうちに抜けれるんじゃない?なんて淡い期待を抱いてノーロープで登りだす。

ブッシュ帯は先行パーティーのありがたいトレースに助けられぐいぐい登る。
ブッシュ帯といえど何箇所か悪いスラブを登る箇所があり気が抜けない。結局最上部3P分ロープを出した。
今日も相変わらず夜景がきれいで寒いけど夜間登攀もいいなと思ってしまった。
19時に黒戸尾根に出て登攀終了。尾根上は風も強かったし疲れていたので頂上へは行かずに7丈小屋へ下る。
とりあえずビバークせずに済んでめでたしめでたし。

23日 5:30起床 7:00出発 7:30 6合目付近 7丈瀑下降点 10:00 7丈瀑取り付き 14:00終了 15:00 7丈瀑下降点 19:00 駐車場

今日は7丈瀑を登るだけなのでのんびり出発。しかし本日もアクシデント発生。
下降点で荷物をデポして快適なアイスクライミングを楽しむ為にアックスのピックをはずして新しいのに取り替えようとしたらネジ山がつぶれていて取り付けれない(泣き)
1時間くらいあーでもないこーでもないとネジをこねこねしたけどダメでした。もう諦めようかと思ったけどここまで来たのに諦めれないので二人で3本のアックスで行くことに決定。
7丈瀑まではラッセルしながらガンガン下って30分弱で到着。でかいが思ったより傾斜がなかった。
左のカンテ状と右の凹角状が登れそう。傾斜が強そうな左のカンテ目指してコウヘのアックスを借りトシリードで取り付く。

下部は滑滝30mで上部基部まで。スクリュー二本でビレイ。コウヘイはアックス1本でフォロー。ごめんね。
下を見ると昨日中央稜で一緒だったパーティが取り付きにいた。
いよいよ上段の登攀。出だし5m90°でその上15mが80°~85°、残り25mが70°くらい。最近肩の調子がイマイチなので少し緊張。
登って見ると氷質は最悪。表面は凍っていそうなのにぐさぐさでなかなかピックが決まらない。スクリューもすかすかで絶対に落ちられないクライミングだった。
一度アックスが抜けてやばかったけどもう片方が効いていて持ちこたえる。
その後はめちゃくちゃ慎重にアックスを刺し、レストしながらなんとかフリーで登りきれた。これからはもっと慎重にアックスの刺さり具合を確認しよう。
そして氷結状態を見極められるようになろうと思った。

上からコウヘイのアックスをロープに繋いで下ろうとしたが回収できず、結局トップロープにして2P目でだしへ懸垂。
下からコウヘイをビレイした。コウヘイが登ってから懸垂1Pで取り付きへ降りる。1本しか登ってないのにすげえ疲れた。
でも無事に登れて良かった。コウヘイのおかげです。ありがとう。

後はデポ地に戻ってパッキングしてくそ重たい荷物を背負って夜景を楽しみながら下山しました。