個人山行報告書
<日程> 2013/11/1~5
<山域>九州クライミングツアー in宮崎
<メンバー>山田、高山(東海支部青年部)
☆1日 豊田天下峰~セントレア(18時発)~鹿児島空港(19時半着)~竜石ナイトボルダー~青山家周辺バンガロー泊
※ クライミンググレードはトポのもの
今回の九州ツアーの目的は宮崎の比叡山でマルチクライミングをすること。
その中でも比叡山Ⅲ峰の白亜スラブ(11-,5p)と比叡山Ⅰ峰Bピークのムササビファミリールート(10d,5p)がお目当て。
白亜スラブの核心は豊田天下峰の雨蛙ダイレクト(11a)と似たムーヴということで、急いで出発当日に登ってきた。
無事RPすることができ、準備万端でパートナーの高山くんと合流しテイクオフ。
鹿児島空港について迎えに来てくれた青山さんと再会を果たし、いきなりナイトボルダーに連れていかれる。
相変わらずで少し笑えてきた。着いたエリアは竜石というエリアで一つの巨岩に数課題あり楽しめた。
青山さんのボルダー仲間の方々と一緒に夜12時位まで登って、青山さんの地元バンガローへ移動する。
林さんという女性が差し入れてくれた鹿児島名物の「鳥さし」をつまみに宴会してから就寝。
※ 鳥さしは鳥のさしみ。にんにくしょうゆで頂き美味。
☆2日 バンガロー~比叡山・ニードル左岩稜~日之影公民館
2日、3日は青山さんは仕事なので、林さん(通称姉さん)という女性が宮崎まで案内してくれることになった。
朝ゆっくり目覚め、バンガローに隣接する温泉に浸かってから出発。青山さんの地元は霧島という地域で温泉街なのだ。羨ましい。
のんびり道の駅に寄ったりしながら比叡山に到着したのは14時頃。
天気は怪しいが、高山くんと二人でニードル左岩稜(5.9,3p)を登りに行く。
林さんはマルチは登らないそうで、駐車場からアプローチ5分で取り付き着。
1P目からいきなりワイドフレークをレイバック登りするのでかなりしんどかった。
2p目、3p目は快適なクラック登りで終了。岩もすっきり、高度感抜群で素晴らしいルートだった。
ニードルの頭から反対側へ懸垂1pで地上へ。
明日は雨予報ということで雨でも登れるという福岡・日向神へ転進することに決めたので、宮崎名物のチキン南蛮を食べてから日之影公民館へ移動し、泊まる。
日之影には有名なボルダーエリアがあり、そこを開拓中の小山田大がいた。
☆3日 日之影公民館~福岡・日向神~熊本城~熊本ボルダージム~比叡山公民館
予報通りの雨の為、日向神に3時間かけて移動。日向神も車道の目の前に大岩壁が聳え立つすごいエリアだった。
そこの愛のエリアはどしゃぶりでも登れるというようなので行ってみたのだが、たしかに壁は濡れていない所もあるが、ビレイヤーは濡れるし、荷物を置くところもないということで悩んで撤退!!
青山さん頼みますよ。まじで。。
やることがなくなってしまったので、とりあえず比叡山方面に戻りがてら熊本観光をすることにした。
熊本はいたるところにくまもんがいる。熊本城でくまもんステッカーを購入し、大満足。
その後、九州で一番人気があるらしい「ランチ」というボルダージムで軽く登る。おしゃれで登りやすいジムだった。
夜は居酒屋で名物の「豚足」と「からしレンコン」、「馬刺し」を食べ、宮崎へ移動した。
姉さんは今日で鹿児島に帰ってしまうので、途中のスーパーで姉さんと別れ、代わりに青山さんの車に乗り換えて比叡山の公民館へ行き泊まる。
☆4日 公民館~比叡山ニードル・上野クラック(10b)~中央フリーウェイ(10d,2p)~Ⅰ峰Bピーク・ムササビファミリールート(10d,5p目)~公民館
朝起きると雨は止んでいる。御在所みたく岩の乾きはいいようなので楽しみだ。
一緒に公民館に泊まっていた九州の山岳会系クライマーの方々に朝食をご馳走になる。
九州の人は本当にみんな親切で素敵だ。ありがとうございました。
朝飯を腹いっぱい食べ、いよいよクライミング開始。
本日の目標のムササビファミリーは北面で乾きが悪そうなので、ニードルの上野クラック(10b)~中央フリーウェイ(10d,2p)を登る。
上野クラック(トシリード)は出だしがワイドクラックでまたまたレイバックスタートから快適なハンドクラック。
アップにしては辛かったが、岩は完璧に乾いており無事OS。2P目10+のフェース(トシリード)ルーファイあり、バランスが微妙なクロスムーヴあり、マントルありで高内容。
これまたOS。3P目10dのシンハンドクラック(青山さんリード)。出だしが核心でジャムするのに苦労していたが、さすがの青山さん安定したクライミングでOS。
最初の数手のシンハンドをいかに足でごまかせるかという感じで短いながらいいクラックだった。
クラックからニードル左岩稜と合流し頭で終了。急いで懸垂してそのままBピークへ向かいムササビに取り付く。
●1P目10b(高山のちトシリード)、ムササビファミリーはほとんど登られた形跡がなく1P目の出だしはこけこけでいまいちパッとしない。
高山君がリードし核心部分まで奮闘するもそこが超えられず、ロアーダウンしてリード交代。
たしかに核心のワンムーヴはいやらしいバランスクライミングで難しかった。なんとかOS。
●2P目10Cのダブルクラック~ルーフ越え(青山リード)ダブルクラックは問題なく登っていったがルーフに突き当たった所で左に行くか直登するか迷っていた。
初めは左へトラバースしたがプロテクションが取れないらしく、戻ってきて直登を試みる。
その瞬間足ブラになり「おおさすがボルダラー」と高山君と顔を見合わせた。
後で話しを聞いたら、ムーヴを起こして足ブラになったのではなく、ただ足が滑って足ブラになったらしく本人はめちゃ焦ってたらしい。
ルーフを越えた所で、ギアが足りなくなり途中でピッチを切っていた。アンカーは 微妙なチョックストーン二つとキャメ3番。
●3P目クラックトラバース10C?体感11-(青山リード)クラックを少し登り、ルーフ下に走っている横クラックをパーミングしながらトラバース。
リードの青山さんも怖いと言っていたが、トラバースはフォローも怖い。一番難しく感じたピッチ。トラバースからテラスに上がりピッチを切る。
●4P目フェース10b(トシリード)高度感のあるフェースをナチュプロで登っていく。上部はマントル3連発。OS。
●5P目右のリッジへエスケープⅣ級(トシリード)日暮れが迫っていたので、正規のフェース直上(10d核心ピッチ)を諦め、右のリッジへエスケープ。
ノープロで50mいっぱいを登りBピークの頭へ出て終了。AピークとBピークの間のルンゼを懸垂下降。
2pで地上へ降り立ちヘッデンで下山。平日ということもあり、公民館は貸切。畳の部屋で暖房をつけ宴会。知らない間に寝ていた。。。
☆5日 Ⅲ峰白亜スラブ(11-,5p)~鹿児島空港~セントレア
九州ツアーもいよいよ最終日。
5日間の休暇ってなんて短いの!?まだまだここで登りたいルートはたくさんあるのに。と嘆いても仕方ないので今回の目標「白亜スラブをオンサイト」に集中しよう。
白亜スラブは白いスラブ壁に走るクラックを登る。クラッカーなら是非登ってみたい1本だ。結果はいかに。
●1p目4級(高山リード)御在所1壁みたいなフェースを登る。
●2p目10b(トシリード)フレークを使いながらフェース。プロテクションが取り辛いので慎重にルーファイしながらのフェースクライミング。OS。
●3P目白亜スラブ10c,(トシリード)核心のピッチ。出だしは二歩上がらないとプロテクションが取れない。しかも出だしむずい。左から登り1ピン目になんとかクリップ。
クライムダウンしてクライミング開始。核心のフィンガークラックまではフェースに空いたポケットを使いながらのスラブ登り。
九州に来てスラブらしいスラブを登ってなかったし、ボルトも古いRCCなので無性に怖い。落ちないと自分に言い聞かせて登る。
高度を上げるにしたがって落ちついてくるのが判る。フィンガーセクションに到達しもう一度気を引き締める。
昔の名残でクラックの脇にRCCが連打されている。それは意地でも使いたくない。
手持ちのプロテクションと相談しながら慎重に登った。クラックが途切れた所でRCCにクリップしたが、まあ許容範囲?なくてもいけたが。
そんな感じでクラック自体は特に難しく感じずOSでき一安心。去年よりも安定登れるようになり上達を教えてくれた。
●4P目 11-(トシリード)
引き続きリードさせてもらう。全ピッチOSしたい。青山さん曰く白亜スラブよりは簡単らしく上を見ても簡単そうだ。あまり気負いなく登り始める。
ルートはコーナークラックからハング超えそしてハンドクラックを辿る。
宮崎にきてからここまでフレークをレイバック、スタンスにハイステップ、クラックにジャム、マントリングと似たような花崗岩ムーヴを何度もしてきたので全てのムーヴに違和感がない。
ただ、楽しく気持ちいいだけ。11はないんだろうけどRCCが連打された壁をナチュプロだけで登りOS。
●5P目 5.8(高山リード)
最終ピッチは高山くんに任せる。なんなく登っていきフォローする。石舞台と呼ばれる展望最高のテラスで終了。
飛行機の時間があったので急いで下降。下降中に開拓できそうな岩がゴロゴロしていてとても残念に思った。
是非また宮崎に行きたい。今度は開拓するために!!