夏山合宿報告書
<日程> 2013/8/15~17
<山域>馬場島~池ノ谷~剣尾根~池ノ谷~馬場島
<メンバー>百武、鶴田

<行動時間>8/15(木)7H、16(金)15H、17(土)6H
8/14(水) 晴れ
02:00 馬場島荘P着後、軒下にアライⅡを幕営
03:00 事前情報、関西人のブログ(トポ)「塾長の山行記録(2012.07.28)」
と計画書で3日間を再確認し、就寝

8/15(木) 晴れ、アプローチ日
07:00 起床、テント撤収
08:00 馬場島荘出発
08:40 白萩川取水口
    ・最初の高巻急登と二つの峠を越える
09:30 鳥岩
    ・雷岩○赤ペンキの20M位上部が白萩川の渡渉ポイント
10:00 白萩川
    ・膝下位の浅瀬で靴を脱ぎ、冷たい川水を裸足で渡る
11:00 小窓乗越登山道取り付き
    ・小窓尾根の取り付きは徒渉ポイントのすぐ近く
    ・取り付きは草が生え、草が無くなるまで道は分かり難い
    ・小窓尾根の急登を延々と登る(冬靴が重くバテバテ、後悔)
    ・尾根の登り半分で、向こう側にある池ノ谷の水音が聞こえる
    ・百武さんにロープ1本を持って貰い、多少は楽になったが、
    ・バテバテの結果、コースタイム1.5倍の時間を要してしまった
14:00 小窓尾根1,600M地点
    ・尾根の下り半分過ぎると、張ってある
    ・ロープが見え、小さな沢を超えると、間もなく池ノ谷
15:30 池ノ谷
    ・関西の山岳会パーティー3名のテント1張あり
    ・アイゼン装着、緩い斜面を登る
17:00 二俣
    ・二俣の50M位下部、斜面上の狭い平地にアライⅡを幕営
    ・水場もすぐ上にあり便利
19:00 ・ビビンバ丼2杯ずつ明日の腹ごしらえ、外は満天の星空
    ・ラジオでは富山の天気は流れず、おそらく晴れ
    ・明日のアタック緊張の影響かお酒が喉を通り難い
21:00 ・就寝

8/16(金) 晴れ、アタック日
03:00 起床
    ・五目ご飯1杯ずつ、アタック装備を準備
04:00 出発
    ・シュルントも空いておらず、涼しく登る
    ・左俣の途中で一瞬左へ道を間違えにすぐ気付き流石、百武さん
    ・正規ルートに戻った所で、昨日の関西の山岳会パーティーと合流
05:00  R10
    ・私の遅れで、関西の山岳会が先行して登る
    ・ザレ場にトラ縄も張ってなく苦戦、岩もよく落ちる
    ・最後の1箇所、関西の山岳会のロープを借用
06:00 コルE
    ・関西の山岳会は3人なので我々が先行
    ・ハイマツを肘で漕ぎ、両腕の傷に汗が染みる
    ・木を両手で掴りながら、踏み跡を登る
    ・途中1箇所、部分的に難しい岩を登るが、全体的には楽
07:30 PⅢ
    ・劔尾根の象徴、門を見て右に周り小さく下るとコルD
    ・ハイマツと痩せ尾根を進むと小さなPⅡを過ぎコルCへ
    ・痩せ尾根の両脇は断崖絶壁、緊張で身体が硬直、立ち往生
    ・コルCすぐ下に小さな野営地あり
09:00 コルC
    ・目の前に劔尾根、下半部の核心壁が出現
    ・ロープを出しハーネスとクライミングシューズに履き替える
    ・ここからアルパイン本番、本当の自己管理が始まる
    ・後続に関西の山岳会がおり、「ごゆっくり」と言うが気は焦る
    ・取り付きでアブミは使わず、百武さん颯爽と楽々リード
    ・セカンド鶴田は、部分的にお助け紐で難所を逃れる
    ・ロープは40M弱出し屈曲もなく、無事に核心をクリア
    ・核心を越えコンテで進み、門に到着
    ・門は遠くで見ると大きいが、目前だと小さい
    ・門は平面でなく、二つ面が垂直に交差する形状
    ・クラック沿いに難無く登り、門をクリア
    ・緩いスラブと脆いルンゼを登り、ドーム(PⅠ)に到着
    ・ゴールの劔ノ頭が見えるが、前途多難
12:00 コルB
    ・上半部の核心、コースタイムより早く気は安心
    ・稜線から左に回り、バンドを辿った後、フェイスを登る
    ・茶色のお握り岩の左側フェイスをトラバース
    ・草付きを左上した尾根でロープを畳む
    ・慣れたハイマツ尾根をのんびり登ると、コルA
14:00 劔ノ頭
    ・劔ノ頭完登直前、百武さんの計らいで自分がトップに交代
    ・晴天無風の中、言葉に出せない程の広大な景色が出現
    ・劔本峰、源次郎尾根、劔六峰などの眺望を楽しむ
    ・しばらく息を付き、下山路へ進む
15:00 池ノ谷ガリー
    ・浮石で足を何度も滑らせ、途中三ノ窓のテン場に寄る
    ・三ノ窓では、関西の山岳会がデポの装備類を回収
    ・関西陣が身軽だったことが、ここで理解できた
    ・関西陣の前半組が置いた共同装備類を回収したらしい
    ・二俣の途中、雪渓が二箇所切れ、巻道
    ・アプローチ日は切れてなく、一日で切れたのに驚嘆
19:00 二俣
    ・テント場、日没丁度に無事到着
    ・百武さんと、ビビンバ丼2杯ずつで祝杯
    ・外には三ノ窓のヘッドランプが光る、近いようで遠い
    ・アタックの行程時間を復習

8/17(土) 晴れ、下山日
06:00 起床、ジフィーズ1杯ずつ腹ごしらえ、テント撤収
08:00 出発
    ・二日間の疲れで足が棒、小窓乗越が本当に辛くゆっくり歩く
    ・百武さんが先行、車を少し回してくれて、楽ができ良かった
14:00 馬場島荘P着
    ・途中、温泉で汗を流すが足が痛い
    ・若干のお盆渋滞後、帰名
20:30 名古屋着
    ・猫で装備返却、帰宅

まとめ
事前の豊田八間アブミ練習、白萩川渡渉ポイント偵察、本番の登攀では頼り
ある百武さんのリードとロープを持って貰う程の体力のお陰で、今回の劔尾根
主稜を安心して登り終えることができました。
あらためて、百武さんに感謝申し上げます。心よりありがとうございました。
山行前に、田村さんから劔尾根は渡渉、雪渓、ルーファイ、痩せ尾根、ガレ、長時間行動、抜群の景色と言ったアルパインクライミングの要素がぎゅっと詰め込まれた好ルートと聞き、本当に楽しみにいていました。
実際に登りその意味が身体でよく分かり、特にアタック当日は視覚、聴覚、触覚、嗅覚など感覚が研ぎ澄まされ、末端の神経まで意識が行った気がします
以上です。