個人山行報告書
<日程> 2013/5/18
<山域>御在所岳
<メンバー>百武、伊藤(聡)、伊藤(美)、三浦

<山行記録>
私にとって、中尾根は3回目。これまでは百武さんにリードをお願いしていたが、今回こそ自分の力で登ろうとかと思ったり、まだ自信がないと弱気になったりして。
P4の取り付きまで来た。リードで登る決心をして、ワイドクラックを2〜3m登って4番カムを入れた。
そこでカムのワイヤーが抜けるハプニングが起こった。ステンレスワイヤーと針金をかしめた接続部分が弱く、針金が抜けてしまったのである。
私が修理した個所だから、すべて私の責任である。何か不吉な予感がしてそれ以上進むのが怖くなってしまった。
その一つだけカムをかけてテンションをかけてもらって、クライムダウンさせてもらった。

P4(V級 NP)は百武さんのリードでっ順調に登った。少し自信がもどってきてP3の前に立つと登れるような気がした。
P3(V級 NP)をリードさせてもらう決心をした。無我夢中に登っている間、皆は下から声援を送ってくれた。
「そろそろ安定したらビレーを取った方がいいよ!」などと声が聞こえた。もう登るのが精一杯で、ビレーをセットするのを忘れてしまう。
クラックの中に入って、身体を固定しつつ登るのは、ザックを担いでいるのでとても難しい。
ジャミングも使いながら、終了点に辿り着いたときは嬉しかった。

P2のリードは百武さんにお願いした。取り付きはアブミで登って5.10bのダイレクトルートと共通するフェースを登るのは緊張する。
崩落個所から左のトラバースルート(IV級)に入ってからの登りは楽楽だった。

P1に中央の核心部のワイドクラックをどう登るか?ヘルメットが入るギリギリの幅だから身体を中に入れて登れるとは思えなかった。
入り口で身体を刷り上げて、最後は身を左手でジャミングを決め、右足が挙がる限界を越えて、右手で補助して無理やり引き上げてガバに引っ掛けた。
引っかかれば足に力を入れて身体を起こせる。「手動式足掛け術」の自己流ムーブを開発した。
ミキティは身体が小さいので、私が諦めたワイドクラックの中に入ってしまい、そこから抜け出してきた時、顔には黒い苔の粉が点々とこびり付いて別人に変わっていた。

4人全員、P4からP1まで、それぞれの登り方で達成することができて面白かった。
私が中尾根をリードで格闘していたちょうどその時に、どこからかホラ貝を吹く音が聞こえました。
「いざ出陣」という雰囲気で驚いた。あれは一体誰が何のために吹いていたのだろう?