個人山行報告書
<日程> 2013/5/4
<山域>御在所岳
<メンバー>三浦、百武

<山行記録>
先週の中尾根P4〜P2は私にとって中尾根初挑戦で、P1を残した。今回は残った課題のP1を登り切ることを第一目標とした。
一ノ壁から右又を詰めて、P2のコルへ登って(IV級)P2コルに入った。
P2の取り付き点となる左のトラバースルート(IV級)は大きく崩壊していたのでダイレクトルートの取り付き点のボルトにアブミをセットして登った。
アブミの代用としてシュリンゲも使える。
 私は百武さんがP2のオニギリ正面のクラックを登るのを見ながら、自分には難しいと感じた。
私はオニギリを右から回り込んで裏側のスラブを登った。
 P1の取り付き点へはP2終了点から懸垂で下りた。P1へはワイドクラックの途中から狭いチムニーになる。
心理的にこのチムニーの入り口から中に入りたくなる。しかし身体の幅程度しかないので身動きができない。
百武さんは、最初はチムニーの外側に出て、そのカンテをレイバックで登ろうとして断念。
入り口右側の岩の上に立派なガバと、左側の岩の上のテラスをみつけて、その二つの岩の弱点を利用して左側から上手く身体をチムニーの上に出した。
私もこの2つの弱点を確認できたけれども、狭い場所で、どうやって活用したらいいのか分からない。
私は上腕と肩までクラックに突っ込んで、ジャミングで身体を固定し、足で身体を少しずつ身体を 落ち上げた。
最後に思い切って、左足を振り上げて高い位置のテラスに掛けるアクロバット的な業が成功してテラスに立ち上がれた。
その瞬間は嬉しかった。「登れた!」と叫んだ。上から百武さんから「そこが核心だから、後は登れますよ。」という優しい声が聞こえた。

 終了点は、独立したピークではなくただ狭い岩棚だ。背後の岩の間から見えR奥には岩稜が中尾根として稜線まで続く別世界が広がる。
そこは滑滝と灌木に庭石を配置した、日本庭園風のような静寂な雰囲気が漂っていた。私はここまでの登攀途中で両手袋を落した。
懸垂で引き返しながらその手袋を回収してP1コルまで下った。さらに奥又沢を懸垂で下った。
カラビナでハーネスに付けていた手袋が抜け落ちるぐらい、私は岩と格闘していたのである。

昼食後、バットレス:カリフォルニアドリーム5.10aを百武さんがリードで登るのを私はビレーさせてもらった。
自分もトライはしてみたけれども、このスラブを小生は離陸すらできなかった。
静荷重静移動のクライミングの基礎ができていないことを痛感する。

<注意>P1から奥又沢へ下る時に使うアンカーはハーケンに細引きザイルが2重に掛けてあるだけだ。
金属カラビナも通さずに直接懸垂用のザイルを掛けるるので、ザイル回収時に摩擦熱で細引きザイルは消耗が激しいだろう。
新しいザイルと交換し金属カラビナを付けておくべきだと思った。
<花>
アカヤシオは一ノ壁付近で満開だ。国見尾根中腹もアカヤシオが満開になっている。
しかし国見岳山頂付近は開花していない。
<捻挫>
下山を急いて踏み外して右足首を捻挫。10分ほど痛くて動けなかった。
前後の関節の動きには問題なさそうで、ゆっくりそのまま自力で下山した。