個人山行報告書
<日程> 2013/3/3
<山域>御在所岳
<メンバー>福田、三浦
<山行記録>
裏道からからαルンゼに再挑戦した。藤内壁分岐から先は踏み跡のない新雪の上を歩いた。
前回は登りすぎてαルンゼの西側の沢を登ってしまった。
今回は前回分岐した場所よりも下流にある「御在所(裏道)湯の山温泉」のステンレス製の看板を分岐点と考えて登り始めた。
下調べをして写真撮影をしたαルンゼへの分岐点と照らし合わせた。写真とはちょっと雰囲気が違うけれども、
新雪が積もれば多少は雰囲気は変るだろう。
入り口の左岸側には杉が生えていてそれを回り込むように広い谷が確認できるので「αルンゼに間違いないだろう」と判断した。
谷間を詰めていくと雪から氷に変わり、右岸側は前尾根の岩壁が聳える。
正面に急斜面の巨大岩壁が出てきて、たくさんの踏み跡があったので「αルンゼだ!」と確信した。
正面に出てきた岩壁に薄い氷が付いている光っているだけだから、アイススクリュウは役に立たない。
直登は無理だ。そこで向かって右に迂回して藪漕ぎで進んだ(Fig.3 A点)。
薮こぎで高度を稼ぐと、雪と氷のルンゼらしき場所に出た(Fig.3 B点)。
この視野が開けたルンゼを直登すれば、αルンゼの大きな氷瀑が出てくるはずだ、と思った。
ところがいくら登っても小さな氷瀑ばかりで、αルンゼらしい氷瀑が出てこない。
凍結した草付きと氷の混合する急斜面は、確保する確保支点がない危険な場所だ。
幸い、私も福田君も登攀にはまだ余裕があったから、そのままザイル無しで各自自分の両腕と両足を信じて登り続けた
。ところが(Fig.3 C点)。まで登り詰めても何も出てこなかった。「いつのまにαルンゼの氷が融けてしまったのかな?」と不思議になった。
最上部の岩場ではアイスアックスが邪魔になったので、腰にカラビナでぶら下げて両手を自由にして岩を登った。
最後の急な草付きでホールドに困ったので再度アイスアックスを取り出して凍結した草付きに打ち込みながら登り切った。
出て来た場所が前尾根の一番高い岩峰だった。まだ午前11時だった。
のんびりと裏道を下山しながら、自分たちの登ったトレースを確認して、愕然とした。
「αルンゼの氷は溶けていない!」朝自分たちが付けた足跡は、明瞭にαルンゼと平行して走っている東側のルンゼに残っていた。
自分たちの足跡を辿ると、先ほどまで格闘していた場面を思い出す。
福ちゃんと私の二人とも完全に誤認していたのだ。二人で「ゴニン」。
泣きそうなのを我慢したから「我慢ルート」「γルート」と呼ぶことにした。
(参考)前回2月16日にαルンゼを誤認したルートをβルンゼ、今回の誤認ルートをγルンゼと仮称し、
今後このような失敗を繰り返さないために、写真及び地形図を使ってαルンゼ、βルンゼ、γルンゼの相対的位置関係を分析記録し、
αβγルンゼ.pdfとしてuploadする。