個人山行報告書
<日程> 2013/2/9
<山域>豊田南山
<メンバー>山口、加納、佐合、福田、三浦
(参加予定だった林さんはインフルエンザでダウン)

晴れ
7:00猫屋敷出発 7:45現地セブンイレブン 8:00南山集合 16:00南山解散

加納慎二君、ロッククライミングデビュー。山口さんから基礎訓練を受けた。
1)ザイルの結び方
2)確保の方法
3)懸垂下降
4)やってはいけないこと(ボルトに直接指を掛けることなど)
山口さん曰く「最初に時間をかけてこれらを確実に修得できれば、あとは純粋に岩登りを楽しむことができるでしょう。」
他のメンバーは午前中に2本リードクライミングをし、昼食後も2本リードクライミングで練習をした。
朝は岩が冷たく手が凍えそうだったが、岩の上部には朝日が当たりフリースは不要なほど温かかった。

先ず、私は左ルートは南山女岩で一番易しい左ルート(III+級)をリードで登った。
私は南山では2回目のリード登攀だから、少し余裕が出てきた。
左IIルート(V級)も挑戦した。
ただし「バンド上部が核心」とルート図に記載されているので無理せずに途中からテラスに逃げてバンド上部の核心部分は避けた。 

左IIルートのテラスまでなら易しい。私は易しい中でも特に易しいルートをみつけてジグザグに登った(写真:青色ルート)。
その結果、3番目のボルトの位置が自分の足元の位地に出てしまった。
腰をかがめて足元でランニングビレーを取らなくてもすぐテラスまで登れるように思えたので、
最後のランニングビレーを省略してテラスに登ってしまった。
その経過を山口さんに目撃されて「あの位置でビレーを取らないまま、もし落ちたら、Ground fallになる。
南山でもきちんとビレーしないと駄目だよ。」とお叱りを受けた。
私は油断をしたことを反省した。
リードで登る練習の中には、落下係数を考慮してランニングビレーを常に取る位置の判断が含まれていることを再認識した。

(福ちゃん立ち往生)
私が左ルート(III+)を登り切って終了点でアンカーを作り、シゲさんをビレーしてると、ダイレクトルート(V+)の
上部1/4ぐらいの位置(図赤X印)で、福ちゃんが「もう駄目!やばい!本当に落ちるかもしれない!」と叫んでいる。
何をふざけているの?と思ったけれど本当に困って動けない様子だ。
私は助けたくても、シゲさんをビレーしてるので手が離せない。「待てる?」と大声で尋ねると「待てる!」と言う。
とにかくシゲさんを終了点まで引っ張っり上げて、セルフビレーを取ってもらうまで手が離せない。

5分ほどでシゲさんが終了点に到着した。
シゲさんがセルフビレーを取ったのを確認して、1本のメインロープだけをほどいてもらい、
その1本を福ちゃんの真上の終了点まで引っ張って移動して、私は自分のセルフビレーを取ってアンカーを作り始めた。
その間に福ちゃんが「やばい!もう待てない!」と叫び始めた。
私は急いで先端を8の字に結んで、数メートル下の福ちゃんに投げた。
シゲさんはそれを横で見ながら「福ちゃん!上で確保するまで絶対に体重をかけちゃ駄目だよ!」と叫ぶ。
福ちゃんがビレーループに安全環付きカラビナでザイルを繋いでいる間に、確保器にザイルを通した。
「確保完了!もう体重かけていいよ!」と言う私の声を聞いて、福ちゃんは「ちょっと休憩!」と
安堵の声を上げてザイルにぶら下がった。危機一髪だった。
福ちゃんの名誉のために、ちょっと休憩した後に彼は、この核心部で落ちることなくスイスイと終了点まで自力で登ってきた。
終了点に着いた福ちゃんの額には大粒の汗が光っていた。

「確保されているか、確保されていないか、それが問題だ。」
To belay or not to belay that is the question.

(反省1)迅速なレスキューの準備
私は福ちゃんをレスキューするときに確保器を使って確実に確保しようとした。
確保器にザイルをセットするには少なくとも15〜20秒ぐらいの時間が必要になる。
1秒でも急ぐ場合には、肩がらみかグリップビレーで迅速にレスキューの準備が必要な場合もあるかもしれない。

(反省2)ルート図を理解する。
南山女岩のルート図からダイレクトルート(V+級)の最上部は、ホールドもスタンスも小さく、核心であることは予想できた。
そのまま登るのが難しい場合には、左トラバース(V級)で逃げられたら、わずか1〜2m右側に右ルート(III+級)の簡単な初心者ルートが存在するので立ち往生は避けれただろう。
南山ごとき練習場でも、リードで登る前にはルート図で難易度を予習しておくとよい。

南山女岩 標高差35m 幅35m 
 左ルート(III+) ----私が練習したルート
 左IIルート(V) バンド上部が核心
 バンドルート(V)
 競技会ルート(VI)
 ダイレクトルート(V+)---福ちゃんが立ち往生したルート(X印の位置)
 右ルート(III+) 初心者向け
 凹角ルート(IV+)
 スラブルート(V)
 スラブIIルート (V+)
 左上バンドルート(VI)
 右Iルート(IV+)
 右IIルート(IV)
左トラバースルート(V)
トラバースルート(I)