個人山行報告書
<日程> 2011/10/29~30
<山域> 富士山
<メンバー> 山口、水戸

10/29 快晴、無風、5:45山口邸⇒9:30馬返しP 9:55⇒12:55佐藤小屋TS 気温7℃
10/30 晴れのち曇り、3:00佐藤小屋前3.5℃
2:00起床・3:00出発⇒5:50七合3勺6:00⇒7:00 3,250m 7:10⇒7:40 本八合 7:50⇒
8:50富士山奥宮9:05⇒お鉢巡り(左回り) 9:43剣ヶ峰9:45⇒10:14須走口下山⇒
12:14 佐藤小屋TS 12:35⇒14:15馬返しP 14:20⇒19:30山口邸

11月のスリヤピーク登山のため富士登山を4回計画。
結局実現できたのはこの1回だけとなってしまったがシーズンオフの静かな富士山を堪能できとても有意義だった。
佐藤小屋から山頂を目指していた人は10人程度だろうか。他の登山道からの登山者もほとんどいなかった。
ボスは10回あまり富士山に来ているそうだが、剣ヶ峰まで行ったのは初めてとのこと。3か月ぶりのボスとの山行はネパールへの素朴な疑問を肴にビールをグビグビ、楽しい山行だった。

今年から馬返しまでバスが入るようになったことを話したが、信じてもらってなかった。
馬返しにつき、「ほぉ、本当だ。」とバス停を確認。午前10時台と午後2時台の2本、仮設トイレも2台ある。
赤から鍋の食材を私が担ぎ、その他をボスにお願いして「エッ!・・・まぁ、いいか。」と出発。
歩き出してすぐに、「記録は誰?」と言われたので、「じゃぁ、山口さんで。」と返す。「それは、おかしいんじゃない?」とやさしく抵抗されたので、私が書くことになる。

心拍数を上げないようのんびりと既に高度順応を意識した歩き方が始まっている。そして、息をしっかり吐く。30分歩いて1合目、休憩。
2合目で休憩。道の亀裂がひどくなっているようだ。まるでコンクリートで固めたかのような一枚岩の溶岩に自然のすごさと歴史を感じる。
4合目を過ぎ、佐藤小屋が近くなってくると舗装された道を横切る。黄葉した唐松が青空に映えて綺麗だ。
「登攀日和だな~。」このまま山頂まで行ってもいいかも、と思ってしまう。佐藤小屋TSにテントを設営し、スバルラインの建屋が見える日向でのんびりする。
水とお湯は佐藤小屋でもらえるのがうれしい。テンバ代もひとり500円。トイレも清潔だ。
ボスは500ml3本、私は350ml2本のビールを下から担いで来ていたが、2時間ほどの会話とともに飲干してしまう。
小屋で350ml2本追加購入し、夕食の準備をしながら16:00、天気図を取る。移動高が動くがそれほど悪い材料もない。
高層天気図をチェックしていたので上空は不安定になると思っていた。たぶん、大きく崩れないが午後から雨がパラつくかなぁ、くらいの予想。
赤から鍋をつつきながら、2:00起床3:00出発を告げられる。ちょっと、寒くなったので4:30過ぎ、テントに入りそのまま就寝。
この時の気温は6℃。20:00前にトイレで目覚める。星が綺麗だ。ボスも23:00頃起きていたみたいだ。

2:00、無情の目覚ましが鳴る。数秒遅れてボスの目覚ましも鳴る。MSRのポンピングを無意識にする。
プレヒを2か所置いてライターをつけようとすると、すかさずボスから「肝心の所にプレヒを置かないと!」と指摘される。ぼーっとしてしまった、気を付けよう。
朝食としてリクエストの中華三昧と昨夜の残りを平らげていた。朝からよくそんなに食べられるものだと感心する。予定通り3:00には出発する。

ヘッデンの明かりが上部に揺らめいていた。既に行動している人がいる。6合目だったと思うが、青いテントが張ってあった。
体内時計が眠りモードで七合5勺まではとっても身体が重かった。岩場歩きで歩きやすいはずだがボスとは15分程度離された。
それにしても、まったく雪がない。赤黒い荒れた道が続く。
そして、ボスのここどこ質問タイム。○眼と眠気で地形図の上と下もよく見えてないが、ここかなぁと指をさす。
北はどっち?と再質問。あれ?よーく見たら富士宮口で位置を指定していた。アハハ。高度計を見て、もう一度場所を同定、今度は「うん。」と頷いてもらえた。
それにしても、暖かい。小屋の温度計は3.5℃だったから、寒さに順応しているんだろう。

「日の出だ。」とボスがつぶやく。私はあまりの朝焼けに天気が崩れることのほうが気になった。世間ではご来光と言われている富士山からの日の出なのにね。
その後、黙々と頂上を目指す。ボスから「富士山で今年は落石事故報告とかある?」と聞かれ顔を上げて周りを見ると、落石しそうな不安定な岩がゴロゴロある。
富士登山は病気リスクに次いで、落石リスクが高い。これが山での感性の一つだと思った。ちょっと緊張する。
さらに、高度を上げていくが高度障害の頭痛などの兆しはなかった。奥宮でボスは頭痛があったそうだが、「二日酔いにしておいて。」と言っていた。
富士気象観測所と火口の風景は御嶽のお鉢とスケールが違う。脆そうな岩肌が露出していて落石してきそうだ。気象条件が良ければ、火口での雪上訓練はできそうな気がするが・・・。

お鉢を一周する途中、「駿河湾が見えるよ。」と静岡出身のボスに教えてもらう。駿河湾から南アルプス、八ヶ岳、北アルプスが遠望できる。そして、剣ヶ峰にあがり、記念写真をパチリ。
あとは、須走口から一気に下降だ。しかし、富士山は上りっぱなし、下りっぱなしになるから、足への負担がでてくる。
ボスの下降は天狗みたいだ。とてもついていけない。30分は待たせたであろう。
佐藤小屋に着く前からパラパラ雨が降ってきたが、止んだりもした。手早く撤収し、馬返しに下山開始。
ボスはこの山行中、登山靴はずっとザックの中に入れていた。雪が全くなかったので、足元はアプローチシューズ。
と、突然災難に見舞われる。なんでもないところで、小石に2週間伸ばしっぱなしにしていた爪(左足指)をぶつけてしまったようだ。
「山頂から5合目までと佐藤小屋から馬返しまで、同じ時間かかって下山してしまった。」と嘆いていた。
変な歩き方をしたから、踵に豆ができたようで、帰りの車中で踵を触り「ぅお!」と叫んでいた。
富士吉田のファミレスCoco'sで食事をし、ノンストップで帰名。因みに運転は私が担当した。
私はふくらはぎだけが2日間張っていた。が、ボスも同様だったようでなんだか安心。付き合ってくださり、ありがとうございました。