雪上訓練報告書

<日程> 2009/12/12~13
<山域> 御嶽山 雪上訓練
<メンバー> 山口、伊藤、プルさん、田村、水戸、山田、堀尾、ジェームス、小阪、よっしー、こうちゃん、山城
<コースタイム>
駐車場ゴンドラ(am8:00)―駐車場(pm7:00)

12月12日(土) 天候:晴れのち風雪、あられあり
13日(日)快晴

個人装備しか体力的に持てないので共同装備を免除していただいても、今迄で一番重いザックに少し不安を抱えながらも、10月に生まれて初めての山行で隊長と来た御嶽山、ゴンドラで入山という違いはあったけれど、剣ヶ峰までは経験したことがあるし、その時に剣ヶ峰からは二の池を眺め、以前隊長が説明してくれたのを覚えていて、経験があると言うことで少し安心感があった。雪が積もっていて、木を埋め尽くして、木の上を歩いていたりしているのが不思議だった。

今回、メンバー最弱の私がテントの場所に合流できない場合ということも予想され、もし、そうなったら聡さんや水戸さんやプルさんは、みんなと合流ができないから夕食のすき焼きが食べれないわけで非常食となる、私はたどり着くことが責任重大だった。樹林帯を抜けてからは、やはり風を感じる。途中から、雪に混じってあられみたいなのも降ってきて、出ている顔が痛い、そこで目出帽登場!これが優秀!もし「オレと目出帽とどっちが大事なんだぁ!」って言われたら、即答で「目出帽だ」。

途中「今日は大滝かなぁ」という隊長の言葉を聞いていたので、「そうなんだぁ、少し歩く距離が短くなったのかぁ」と思っていたら、めっちゃ二の池に向かっていた。
疲れが出てきた頃、プルさんが「山城さんは、歩き方がバテてないのに、気持ちがバテてる」と言って、過ぎ去っていった
。プルさんは今回初めてご一緒したのだけど、その前の休憩でも「雨蓋には厳選して物を入れなくてはいけないですよ」とアドバイスをくれたり、いつもちょうどよいタイミングでわかりやすい。「歩き方がバテてないなら、私もう少し歩けるのかな」と思って一生懸命歩いた。
剣ヶ峰から二の池に向かうころには、あたりが真っ白になってきて、少し前の人と離れると心配になる。
風と雪の中、歩きづらく進みが遅くなり、高度の影響で頭が痛い、死んだお母さんが何度も出てきた。

そんな中、二の池到着。
結局ロープウェイから合流できていて、一緒に上がってこれたんだけど、「あぁ、これで聡さんも水戸さんもプルさんも今日みんなですき焼きが食べれる」と安心。
でも、風雪の中、疲労困憊で放心状態。てきぱきと動けないし反応すらできない。動かずに倒れたい。
あれよあれよとみなさんは雪をならしテントを張り、雪をブロックみたいにして風除け?を作り、トイレも登場、すごい。
そして、テントの中、いろんなことを教えてもらうのだけれど座っていることも辛かった。

食当のよっしーとこうちゃんチョイスのすき焼きは、焼き豆腐や春菊、こんにゃくの代わりに白菜やたまねぎが入っていて、卵なしだったけど、水戸さんやカツオさんのナイス采配で、すき焼きの雰囲気は出たし、なによりみんなで食べるご飯は美味しかった。特に、最後のうどんは消化も良さそうで、安心した。
テント越しに、隊長と聡さんとかが会話するのがおかしかった。
その後水を作ったり、明日のテルモスの準備をしたりして23時前就寝。
先日購入した、シュラフカバーを装着して横になるも、凄い暴風でテントがバタバタと音を立て、足が冷たくてなかなか眠れなかった。
山の上で寝るのは2回目、今のところ全て雪、まだいろんなことに慣れなくちゃいけないし、課題はたくさんある、ちゃんと眠れるようになることもその日の疲れを取ったり、次の日の行動にも影響が出るので大事なことだと思う。

朝、誰かどつかれて起きた。早く目覚ましつきの高度計つきの時計が欲しい。
朝の支度もみなさんてきぱきとこなされ、いざ、雪訓。ダイヤモンド歩行とか滑落停止とかをやった。
寝不足と昨日からの疲れもあって、全然動けずみんなの半分もこなしたかしてないかの中、スタンディングアックスビレイが「なるほど!」と目からうろこの納得で面白かった。

なんだか予定通りに訓練が終了したのか、下山準備。
みなさんがテント撤収する中、隊長の指示で一人荷物をザックに詰めるんだけど、出発に聡さんが手伝ってくれて上手に詰めてもらったんだけど、自分では全然できなくて、行きはザックの中に入っていたヘルメットも帰りは外にブーラブラ。
出発すると、私の前に隊長、後ろに聡さんで、うちの2トップに前後を挟まれ、「これはVIP待遇かしら?」と冗談はさておき、「異常事態かしら?」「この所帯持ちの二人とビバークか、奥さんだんなさんを帰宅させてあげれなくてごめんなさい」と思ったりした。
途中、みなさんが待ってくれていて、きっとたくさん待って体が冷えてしまったりしただろうに、私を待たなかったらもっと早く帰れただろうにと、申し訳なかったけど、なんだか嬉しくて頑張れた。
途中、足がヨレヨレしてたくさんこけるし、不慣れな荷物の重さに、鳥が首をつったみたいな格好をして足元を気にして歩いていたから肩と首が痛い。「個装をわける?」という話が出たけど隊長が「いいんじゃない」と言われたときに、「あー、私まだ自分の荷物持って動けるってことなんだなぁ」と思った。
トシさんが最後の休憩から出発するときに「山城さんあと少しです、ガンバです」と言われた時は、「トシさんにはあと少しでも、私には三億光年くらいだわ」とぼんやり思った。
途中、圧雪車とすれ違う時に、聡さんが「タクシー来たよー、山城さん」と言ってくれたけど、「タクシーじゃなかった、乗せてくれなかった」カツオさん「自家用ヘリで」と言われたけど、ヘリもこなかった。佐川急便のお兄さんがすれ違ったら荷物を集荷してくれるのかなとか考えながら歩いた。
駐車場が見えてきて、みなさんがあれやこれやと動いていてるのをみて、「帰ってこれたんだ」と思った。
サービスエリアで合流して食べたご飯は、「下界に降りてきた!」って感じで、おなかにご飯が入るにつれ、緊張とかがほぐれてきた。帰りに、水戸さんが「寝てていいからね」と言ってくださって、お言葉に甘えた。この睡眠がなかったら、私は集合した水戸さん宅の駐車場の前で車中泊をしないとまともに車を運転することができなかっただろうけど、なんとかお家にたどりつくことができた。

帰宅してから、凄い疲労感の中、水戸さんのアドバイスを思い出してお風呂に入ってマッサージをした。そしたら、少し元気が出たのか、ザックを解いて洗濯するものをわけたり、少し拭いて干したりする中、隊長にいろいろ選んでもらったり、しげさんに貸してもらったりした装備があって無事に帰ってこれたなと思い、装備がいろいろ愛おしく大切にしようと思った。辛かったり恐ろしかったりしたけど、下山できてよかった、いろんな人に感謝した。すごく楽しかった。来年は、もっと楽にできるようになってやると思うことが、また一つ増えた。