個人山行報告書

<日程> 2009/8/4~8/7
<山域> 八ッ峰下半部、 チンネ左稜線
<メンバー> 水戸・他1名


8/4 入山日。
快晴。室堂から剣沢を経て真砂沢へ。

8/5 八ツ峰縦走
朝4時00分にテントを出る。
長次郎雪渓を詰め、Ⅰ・Ⅱ峰間ルンゼ入口の岩屋で登攀具を着装する。
右岸側の岩棚を乗り越え、ルンゼへ入る。インゼルまではゴーロのルンゼを歩く。インゼルを左俣へ入る。
しばらく行くと逆層で切り立った涸滝が現れ登高不能となる。ここで右岸の草付を這い上がる。
雨露で体を濡らしながらの藪こぎ、あやしい草の根元をまとめて押しつけ、ずり上がる。
泥にねじ込んだ靴先が少しずつ滑って行く。あ~楽しい、これぞ夏山。
左上方へトラバース気味に藪こぎを続け、Ⅱ・Ⅲ峰間ルンゼに出る。草付の中の穏やかなルンゼを詰め、Ⅱ・Ⅲ峰間コルに立つ。
朝の陽光が気持ちいい。振り返るとⅠ峰の悪相な壁が見える。

Ⅴ峰までは快適な縦走路を踏み跡に導かれ進む。Ⅴ峰の下降では、ピナクル長次郎谷側に立派な懸垂下降点が設置されているが、歩いて下降。
ハイマツの枝につけられた下降点で長次郎谷そのものへ下降を試みるが、ロープが足りない。
ハイマツの下降点から懸垂5メートルくらいでⅤ・Ⅵのコルへ向かう踏み跡に降り、しばらく進むと、次の下降点があり、Ⅴ・Ⅵのコルに到着した。
コルからⅥ峰目指してルンゼを登る。
Dフェースの頭まで来て、懸垂下降点がある。ルート図の記載とだいぶ様相が違い、ルート間違いの疑心暗鬼に取りつかれる。
夕刻が迫り、同地点から敗退を開始する。途中、踏み跡を間違え時間をロスしⅤ・Ⅵのコルへ。長次郎雪渓を駆け下って終了。

8/6チンネの登攀。
朝3時30分にテントを出る。長次郎雪渓を詰める。右俣、左俣とも雪は豊富。池の谷乗越直前は雪渓が痩せていた。池の谷ガリーから三の窓へ。
三の窓にて嗜好品のゴミが残っていることに落胆する。
晴天の中、三の窓からチンネ左稜線の下部ピナクルがはっきり見え、ルートが確認できる。トラバースして取り付きへ。取り付きも顕著。

1ピッチ目は凹角で残置ハーケンが豊富。残置に導かれてスムーズにルートに取り付けた。
2ピッチ目はロープをいっぱいにのばす。
3ピッチ目はルンゼの手前まで。短いがロープを屈曲させてしまい、アップが重い。
4ピッチ目はルンゼを詰めてピナクルを過ごし、ロープいっぱいでリッジの開始まで。
5ピッチ目はハイマツの茂るリッジを散歩だ。
6ピッチ目はフェース。ロープを伸ばしすぎ、安定したビレー点を超えたので、岩角でビレー。
7ピッチ目はフェースの続き。
8ピッチ目はピナクルの林立するリッジ。ロープの流れが悪くなる。高度感は抜群で気分爽快。
9ピッチ目は核心。水戸さんの流麗なリードで越える。
10ピッチ目はフェース。クレオパトラニードルが美しい。
11ピッチ目はリッジ、ロープの流れが悪い。
12ピッチ目はリッジをほんの少しで終了点到着。
下降点まで歩く。ルンゼを注意深く歩いて下降して懸垂地点まで。1ピッチ懸垂下降して池の谷ガリーへ降り立つ。
雨が降りはじめた。明るいうちに長次郎雪渓の下まで戻れた。

8/7下山日
真砂沢から剣