個人山行報告書
<山域>北アルプス 白馬岳主稜
<日程>2009/03/16~18
<メンバー>山口、青山、山田
3/16(月) 天気=晴れ~チョイ荒れ 時間覚えてません
二股の発電所から歩く。猿倉までは山スキーヤーのトレースがあったのでラッセルせずに済んだ。Ⅷ峰の大斜面は噂に違わぬ正に「大斜面」だったが、雪質はまあ安定していたので比較的安心して登る。登り出しは快晴だったが、次第に天気が崩れてきた。気付けばあっという間に風雪。Ⅷ峰台地を過ぎ、後は稜上を行くが、視界が悪く雪庇と空間の違いがよく分からないので地雷探査するようにピッケルのシャフトで目前の雪稜を払いながら慎重に進む。ずっと腰ラッセルだったが、3人交代なのでまだ楽か。ラッセル慣れしてない利が先頭のラッセルをホイホイ崩す(萎)・・・。なんとか明るい内にⅤ・Ⅵコルに着いて設営。
3/17(火) 天気=曇り
朝起きても天気がいまいち回復していなかったので、出発の準備だけ済ませて待機。結局10:30頃出発した。ラッセル地獄。山口さんの歩幅が異常に広いので後続でも地味にラッセルで疲れる。「もうちょっと歩幅狭くして下さいよ~」と進言するも、「だってこの方が体力ロス少ないじゃん」と返され不発。今日中に稜線に抜けたかったが、ラッセルに苦しめられ、Ⅱ・Ⅲコルまでだった。日本海側の積雪量に改めて驚いた一日だった。
3/18(水) 天気=快晴、台風並みの強風
Ⅰ・ⅡコルからⅠ峰(稜線)への登りは通常2ピッチ。途中までロープを付けずに登ると氷混じりの不安定な部分が混じりだしたので、スノーバー2+アックス1でアンカーを作って山口リードで稜線へ。最後の雪庇の突き崩しは雪庇の発達がそれほどでもなかったので、比較的楽に越えれたようだ。とは言え、重荷での雪壁登りはそれなりにデリケートで難しい。稜線に抜けるとそこが頂上なので最高のロケーション。振り返ると大きくうねった主稜が一望できる。本当によくラッセルした。もう絶対にやらないと思う(笑)。稜線に抜けた途端に強烈な風に吹かれる。風によろめきながら何でもない稜線を天狗山荘まで。山荘の裏手に完璧な雪ブロック壁を構築。これで安心して眠れますな~。明日の天気図はド快晴!
3/19(木) 天気=快晴、台風以上の強風
山荘から稜線に戻った途端に黒部側からとんでもない強風!斜登行でジグザグに登るが、風を正面に受けると風圧で進めず、風を背に受けると風に押されて一気に歩が進む。そのまま稜線にコロコロといっても不思議ではない。よろめきながら不帰へ。不帰はちょっとしたミックス状なので慎重に。Ⅲ峰途中のガリー状にFIXロープがあり、登りにかかるとⅣ級はあろうかというガリーで、ノーロープだったのでかなりビビった。それを下から見ていた山口・山田は思いっきり迂回してきた!え~、山口さんの指示で登ったのに(笑)。Ⅱ峰は不帰側の急雪壁をトラバースする箇所があり、そこだけは山口リードで1ピッチロープを出してFIX通過した。不帰側にスパッと切れていて、雪もそんなに安定していなかったのでリードはちょっとヤバ目だったと思う。「ランナウトの鬼」の山口さんが時間を掛けてステップを切りながらランナーを取れるだけ取っていたので、ビレイしていてちょっと不安。しかも「ステップクラッシャー」の利がミドルだったので、ラストの青山は足場の悪さに悶絶しながらフォローしたのであった。この箇所は雪質が悪いと2ピッチほど直登しないといけないみたいです。Ⅰ峰はなんとなく過ぎて正午頃に唐松岳に到着。利の計画はここから下山、山口・青山は翌日から不帰Ⅰ峰尾根。もうお腹一杯だったので、利と一緒に下山したいな~と思いつつ唐松頂上で暫くノンビリ。そろそろ山口さんからⅠ峰尾根のタクティクス確認があると思ったが、なかなかその話が出てこないので「さては山口さんも・・・」と思い恐る恐る探ってみるとやはり(笑)。翌日から天気が崩れてくるということを建前にして3人一緒に下山した次第です。