個人山行報告書

<山域>八ヶ岳 赤岳主稜 
<日程>2009/03/28
<メンバー>山口、森山、水戸、エイチ

1 行動記録(H21/3/28山口・森山/水戸・エイチ)
0600美濃戸0850行者小屋1000取付(赤岳主稜登攀)1530赤岳頂上1645(文三郎道下降)行者小屋1800美濃戸着              (注)全て出発時間。

2 気象
~3/27 しばらく晴天が続いた後、冬型気圧配置。 
3/28 天気は回復。文三郎道トラバース地点で10センチくらいの新雪。登攀中、無風晴天。頂上で弱風と気温の急降下。

3 行程
(1) 美濃戸~行者小屋(往復)
踏み跡は氷床化の上に新雪が3センチくらい積もる。
 帰りは時間短縮の為、アイゼンを付けて帰る。

(2) 行者小屋~取付
  登攀具装着。
  水戸が体調不良で行者小屋へ下山する。
  文三郎道上部をトラバース。取り付きのチョックストーンが見える。

(3) 赤岳主稜の登攀
・1000登攀開始、1530登頂(5時間30分)
・リードエイチ、ビレー森山(1-6Pビレー)、指導山口(7,8Pビレー)で登攀開始。
1P:チョックストン左にお助け紐がある。左右に足を広げ、ストーン上の堅雪にバイルを打ち込み越える。
続いて、凹角を抜けると、右へバンドが続き、ペツル支点あり。ここで、「残置支点の使い方が悪い」と指導される。
ルートが大幅に屈曲してので、この支点でピッチを切る。

2P:支点のすぐ左の凹角を登り、リッジ上に出る。そのままリッジを進み、ペツルの支点でビレー。

3P:リッジ上を進む。階段状の岩と雪が現れる。このリッジは雪斜面を経て目の前の屏風型の岩に吸収される。
岩角にスリングをかけるが「タイオフしろ」と指導される。

4P:ほぼ同じ内容。ペツル支点があるのに気づかず、手前の岩角でとってしまい、「これだけ支点が整備されているなら、次も頃合いの箇所に支点があるはずと推理して進め。」と指導される。
短くピッチを切ったことが次のピッチに響いた。

5P:50mいっぱいに伸ばすが、あと1m足りない。支点に届かず、あいまいな岩角で取る。
これでは、次のトップにビレーがやりにくい。

6P:リッジが平らになり、雪面になるところを、屏風型岩の右端めざし、進む。
岩の陰になる部分は氷化している。右端に凹角があり、一見してルートと判明する。ここの支点は足元にある。

7P:凹角をほぼ直線的に抜けるが、階段状の岩が続く。岩角にロープがこすれ重い。

8P:同じような内容。急な凹角の直下で岩角と残置ハーケンでビレー。

9P:出だしの急な凹角をこえて、リッジ上でビレー。左にショルダーから続く稜線が見える。
階段程度の傾斜のリッジが続く。岩角でビレーを取り、ロープをおさめた。
残り50mの雪面を登り、頂上へでる。

(4)頂上~文三郎道下降まで
急に寒くなり風が出てきた。雲は濃い鉛色で稜線の高さに下限がある。

4 反省
長い登攀時間(好天にも関わらず、なぜ5時間30分もかかるのか?)

(1) リードが次の支点まであと何mかを意識していない。
・ロープとピッチの長さ予測があいまいなため、短くピッチを切りすぎたり、逆に引っ張りすぎて、ロープが足りなくなり少し下がるという行動が毎ピッチある。
・コールの「半分」、「あと5m」を体感できていない。

(2) リードの支点作りが遅い。
・支点選び。登攀を進めながら、良い支点を選定する力がない。どの支点が適当か迷う。
・支点の使い方。岩角の形からタイオフすべきか迷う。

5検討
登攀時間の短縮
 ・リードの支点作りの時間ロスは1Pにつき10分。9Pで90分。ロスがなければ、4時間でぬけられた。

以上