春山合宿 その4 報告書
<山域>北アルプス 剣岳 源次郎尾根
<日程>2008/05/3-05/05
<メンバー>伊藤(聡)、水戸
5/3(土) 快晴
4:40名古屋(西区)発-8:30立山駅駐車場(1キロ川向こうの空き地)-11:40発 室堂直行バス
-13:00室堂13:20-14:00雷鳥平14:30-16:40剣沢BC-20:00就寝
(入山 3:20)
5/4(日) 快晴
0:40起床-1:45剣沢BC出発-2:35 源次郎取付き 2:45
-4:45 リッジ-6:00 Ⅰ峰 6:15- 8:00 Ⅱ峰懸垂 8:25
-9:00 剣岳頂上 9:10-10:20 平蔵谷出合-12:15 剣沢小屋
-オープンシエスタ 15:30-20:00就寝
(アタック 10:30)
5/5(月) 曇/雨
6:15起床-7:35 下山開始-8:15 御前小屋8:35-10:15 室堂 11:20
-12:30 立山駅-13:00ウェルサンピア立山(富山厚生年金休暇センター)温泉 14:20
-15:20 富山チロル 15:50-16:15 きときと寿し 17:15-19:15 高山IC-19:35 高鷲IC
-20:30 一宮木曽川IC-21:10 帰宅
(下山 2:40)
2日に出発の予定が、仕事と洗濯物と疲労とで3日朝発ちに変更。
交通渋滞はなかったが、立山駅は観光客でごった返していた。
ものすごい喧騒。
なんとか駐車でき、直通バスで午後1時過ぎに室堂を出発。
夕方には剣沢のBCを張れました。
水のことを考えていなかったのですが、小屋で2リットル¥800を二本、テンバ代替わりに購入。
土嚢袋が必要でした。
明日は、1時発の意気込みで、パスタを食し、20:00過ぎ就寝。
誰よりも遅く入山し、誰よりも早くアタックに出発。
しかしながら、夜明け前の歩行は体内時計に支障をきたし、歩きづらい。
我等の1部の精鋭達は普通に2時発を行っているが、あらためて化け物(超人)と感じた。
聡さんと源次郎の取付きを慎重に確認する。
剣沢雪渓を下りながら、デブリを横切る。
ヘッドランプの光量では限界がある。遠くまで見渡せない。
・・・うっすらとあるトレース・・・これを信じていいのか??・・・大丈夫、地形と高度的にも・・・これしかない!
急なルンゼを登行。
1時間、まっくら・・・誰も後続は来ない。
下を見るとかなりの傾斜。
滑ったら剣沢雪渓まで停まらなさそう・・・。
雪は締まっていない。ザラメ。気温は高め。
途中のトレースは消えていたり、下が氷盤になっていたりで、緊張しっぱなし。
トップの聡さんのフォローを私なりするが、暗闇の中でのルーファイは大変なことだっただろう。
眼前の岩壁へまっすぐ雪壁にトレースがある。
リッジへ上がるルートがあるはずだが、ここから回り込むのか?
垂壁に近い雪壁をトレースに導かれるように登る。
上の雪は頼りない状態に・・・。聡さんが偵察に行く。
スノーブリッジは壊れそう。
「僕の信号が赤になった。」
乗り移っても、岩壁のクライミングは厳しそう。
雪がついていたら、潅木帯を乗り越して、回りこめたであろう。
いまは・・・クライムダウン。
夜明け前の厳しいクライムダウン。ここが一番神経を使った。
30mほど戻り、夜が明け始めたルートを見ると、右寄りにルンゼを詰めていけば良かったことがわかる。
傾斜も緩くなり、左にリッジへのラインが見えた。
この頃、後続のパーティがガシガシ登ってくる。
追いつかれたガイドさんから、「トレースを使わせてもらいました、ありがとう。」と言われ、感じの良い方でした。
それから、岩稜を乗り越し(ガイドパーティはここからショートロープで確保されていた。)、Ⅰ峰までは細い雪稜と広く長い雪稜歩きとなる。
ガスったりしたら、広い尾根なのでルーファイは難しくなりそうである。
知らないうちに夜が明け、穏やかなお日様を浴びながらの快適登攀となった。
2,3個所、岩稜伝いに登攀するが、ロープを出すほどでもなくⅡ峰の懸垂ポイントに到着。
雪に少し埋まった残置スリングの束に、ロープをセット。
8.5mm、50m1本で十分届いた。
降り口に頑丈な鎖が設置されており、それを使って途中からクライムダウンでも行けそうな気がするね、と聡さんと話してみたもののどうなんだろう。
続々と源次郎を登ってくるパーティを眼下に、Ⅱ峰の懸垂も待たずに通過。
次の千種アルパインクラブの方の情報によれば、この後1時間待ちだったそうです。
源次郎の頭へ、天空に向かって快適で長い登行。
取付きから6時間ちょいで剣の山頂に出た。
大阪の山岳会の方が、鹿島をバックに写真をとってくださる。
剣の看板を持たされたが、なくても良かったかも・・・。
ご親切に感謝ではあるが・・・。
頂上は風が強かったので、少し下がった安定した場所で休憩。
三重と春日井の二人組みと仲良く休憩。
鈴鹿の沢話で盛り上がっていたら、続々とガイドパーティが下山してきた。
その中に田辺さんがいらっしゃっり、手を挙げて挨拶してくださる。
モンチュラを身にまとい、かっこよかった。
平蔵谷はデブリが多く、長居は禁物。
かなりの上部からシリセードで下り、あとは剣沢雪渓をのたりくたりと登り返してBCへと向かった。
恒例の小屋のUFOとビールで乾杯!
あまりの天気のよさに、オープンシエスタ。安堵と充実感で2時間くらい、外で寝てしまった。
しかも、マットの上に裸足で。
突如、ブルっと肌寒さを感じる。
日本海側の雲行きが怪しくなり、天気の崩れを知らせている。
念のため、天気予報を確認。
案の定、午後から雨になりそうである。
下山当日、雨に打たれるかもと思ったが、振られずに立山駅まで戻ることができた。
今回の計画は、MTGで話している内にモチベーションが高まり、(思いつき的)計画立案になったと聡さんから伺った。
「MTGは大事だね。」と。
以前から、源次郎には行きたかったし、残雪期の剣に入れて本当に良い経験になりました。
夏はチンネを目標に精進します。