源次郎尾根報告書

<山域>北アルプス 源次郎尾根~剣岳 
<日程>2007/09/24
<メンバー>山口・青山

9/24(月)  (5:00)出発-(5:30)取り付き-(7:00)Ⅰ峰-(7:30)Ⅱ峰-(8:40)本峰-(10:50)BC

 当日朝起きてみて、八ツ峰の疲れが全く残っていなくて一安心。ラーメンと紅茶を喰らってサッサと出発。
3連休最終日なので、剣沢を下る人は皆無。カチカチに氷化した雪渓を渡って取り付く。

 尾根ルートとルンゼルートがあるが、今回は尾根ルートを選択。ルンゼルートは落石の危険があるので却下。
富山県警山岳警備隊も尾根ルートを推奨していたし。さっそく尾根末端から続く明瞭な踏み跡を追う。
草付きの急な斜面を登ると、資料通りに踏み跡が二又に分かれる。
尾根ルートは左の踏み跡を行く。そこから「Ⅳ級の木登り」が始まる。
文字通り「ツリークライミング」。斜度70ぐらいの急な斜面。木の幹と根っ子を掴みながら豪快に登る。
ザックの雨蓋に引っかかる枝が鬱陶しい。かなり疲れる。
山口さんに休憩を哀願すると、「本峰まで休憩しないぞ!」と宣告され、暗然とした気持ちになる。
源次郎で快適な登行を、という期待が一気に消し飛ぶ。

しばらく登ると、フェース状の岩塊が現れる。
ここは踏み跡に従って右に巻く。この後もいくつか似たような岩塊が木登りと交互に現れる。
いずれも直登する。岩塊の高さは4m程度。Ⅱ級上ぐらい。ホールドが大きく、特に問題にならない。
主稜と合する交点が見えてくると、いよいよ木登りから開放され、視界が開ける。
平蔵谷と長次郎谷に挟まれ、遠くには八ツ峰が望まれて気分が良い。
登山体系には「剣の概念を知るのに良いルート」みたいに書いてあったが、正にその通りであった。

Ⅰ峰の直下に至ると、緩傾斜のザレた岩場帯になる。浮石だらけなので、自然とルートは浮石の少ないところを選んでジグザグに登る。
Ⅰ峰頂上からは本峰まで続く主稜のラインがハッキリと見えてシビれる。
Ⅱ峰からはダブルロープで懸垂。先に降りさせてもらい、山口さんが降りてくるまで束の間の休憩?を取る。

休む暇なく本峰へ出発。Ⅱ峰コルから本峰までも、浮石の多い岩場交じりの斜面で、落石を起こさないように神経を使う。
息も絶え絶えに本峰に到着。取り付きから3時間。やり過ぎ。

へコへコと別山尾根を下降し、無事BCに着く。
なのに全然嬉しくない。残された共同装備の山。
別山と室堂までの登りは・・・悶絶。
この一言に尽きる最終日であった。