西穂高岳西尾根山行報告

<山域> 北アルプス 西穂高岳 西尾根
<日程> 2006/5/12〜13
<メンバー> 山口、田村

5/12 新穂高温泉8:20−穂高平小屋9:30−2250m付近T.S.14:00

 金曜は猫ミーティングのため名古屋出発が22:30と遅く駐車場に着いたのが2時過ぎ。雨も降り始めたので栃尾温泉近くの橋の下で快適な一夜を過ごし、7時に起きて新穂高温泉の駐車場に向かった。車の中で朝食をとり準備に取り掛かろうとしたところ、自分のザックがない事が判明つまり忘れた!こんな事は初めてで一瞬唖然とするものの、敗退という考えは頭の中で露も起こらずこの状況で登れる方法を思案する。後部座席にあった買い物かごがふと目に入りこれに荷物入れて登れるのでは?と思い早速パッキングを始める。当然、そんなに荷物が入る訳ではないから必要最低限の物(シュラフはもちろんなし)を詰め込んでいくとなんとかかごに収まった。実際買い物かごを手に取ってみるとなんとか行けそうなので出発する。かつおは本当に行くのかって顔をしていたが、自分は結構まじめで何とかなるだろうと思っていた。

 穂高平までは雪もなく夏道のショートカットルートを使いしばしの休憩。やはり一時間もかごを持ち続けると結構腕の疲労がくる、途中途中でいろいろと持ち方を変えるがベストな持ち方はスーパーで主婦がよくやっている片方の肘に取っ手をかけ、空いている手で取ってを握る方法。西尾根の取り付きは小屋から15分程歩いた傾斜の緩そうなところを選んで、ほとんど雪のない斜面をかつお先頭で登り始める。1900m付近まで上がると雪もしかっり残っていて歩きやすくなった。買い物かごもある程度の傾斜までなら雪面を捕らえ、絶えず持ち続けなくていいので案外登りは楽なことがわかり、おまけに空身なので疲れるのは腕だけであった。午後のなってから少し風も吹き始め雨もまだ止まなかったので、少し時間的に早かったがテント設営。お互い濡れねずみになっていたのでテントの中で早速乾燥大会を始める。天気予報だと明日は天気回復傾向で気持ちは上向きだが、今晩は酒もなく昨日も睡眠不足のため棒ラーメンを食べてそうそうに寝る。

5/13 T.S.6:00−ジャンクションピーク10:30−西穂高岳13:00−独標15:00−ロープウェー口16:40

 夜中あまりにも寒いのでお茶をわかし体を暖め少しでも寝られるようにした。これがなかなかに効果があったが如何せん衣類が濡れていては焼け石に水であった。出発時はまだ空はどんよりしていたが、徐々に雲の切れ間から青空が差し出し気分も明るくなってくる。かつお先頭で締まった雪面を時々雪にはまりながら進む。2500m付近でははい松帯と雪面を交互に繰り返し北西尾根とのジャンクションピーク手前で休憩し、上部のルートの観察をする。やはり5月になると雪が少なく単に岩尾根登りがメインで少々物足りないような気がする。買い物かごはまだ壊れる様子もなく、荷物も外に飛び出る事もなく、扱いもだんだん慣れてきた。ここからもかつお先頭で尾根をたどり無事山頂に到着、買い物かご持参西穂高西尾根初登?でも感激なんて何もない。足早にピークを後にして先を急ぐ。

 独標に着いたのが15:00、ロープウェーの最終時間に間に合うか微妙なとこで、我々はその時間は知らないので西穂山荘まで休憩せずに歩き続ける。山荘について小屋の人から最終時間を聞くと16:45との事で後45分しかない。かつおの足の調子がいまいちよくないが我々には時間がないので、ここから残された最後の力を振り絞っていざロープウェーへ。ロープウェー下山&温泉&飯のゴールデンプランを思い描きつつ、みごと5分前にロープウェー乗り場に到着。かつおは心身ともに疲労しきっていたが、何とか間に合ってよかった。買い物かごを携えて乗車口に現れた僕に周りの人の反応は不思議そうな目で見ていた、まぁ当然な反応ではあるが。下山後、無事に風呂と飯にありつけ、車をかっ飛ばし23:00過ぎに名古屋に到着。

教訓・・・ザックは忘れても買い物かごで登山出来る事がわかったが、だからといってザックを忘れた理由にはならない!